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歴史に学べば分かる、過疎地支援では東京一極集中は解決しない理由【3】

過疎地支援はもちろんあってよいのですが、東京一極集中の是正策というのはあまりに無理筋なのですよね。。。

過疎地支援はあくまで国内の地域で決定的な住民生活への破綻をきたすようなことがないように支援するということは、一定あってよいと私も思います。が、これまでも何十年も支援を続けて今日に至っているわけで、それをいきなり東京と対抗することまで求める論理で推進するのには無理があります。

あくまでソフトランディングと、農林水産業を中心とした活路を見出すという自立への道筋の話が必要なのであって、支援に次ぐ支援によってそういう産業的な話は後回しになり、もはや過疎地の方々ですら「これはいるのか」というような取り組みに予算だけがついて、結局それを実行する方も地元にはいなくなると、東京などからコンサルタントがいってサポートするというもはやなんのための支援なのかすらわからなくなっている側面があります。

何より東京一極集中については、本連載で今整理してきているように、重要なのはいきなり対局にある過疎地を当てるのではなく、大阪、名古屋といったような関西、中部という都市圏をより機能強化するということでまずは道筋をたてる必要があります。

それでもダブルスコア以上で規模感的には大阪、名古屋は東京に既に引き離されているわけです。が、名古屋圏はなんだかんだで今の所経済成長力では国内でも随一のエリアであったりしますし、大阪もやはり関西全域を都市圏として抱えるからこそ東京圏に唯一規模で迫る戦略が考えられうるところでもあったりします。少なくとも東京一極集中是正を目指すならば、この大阪、名古屋といった東京以外の2大都市圏をベースにした強化戦略を組み立て、その上でその背後にある札幌、福岡などの地方都市圏中心政令市としての競争力強化というところへの優先配分を意識するのが自然です。

むしろそのような都市機能としての分散ができる強化策がないがしろになり、むしろ政令市になると業務量は増えるわりに、財政的な移転が国や都道府県から業務に対してはあまりなかったり、という問題もあり、やはりちゃんと多極型の都市形成をより強くイメージすると共に、東京一極からの分散は過疎地支援ではなく、そのような中枢都市への予算配分をより強化するか、もしくはやはり本筋としては国からの地方への財源移転と、独自に経済・財政での自立という方向性を作り出すことと思っています。

ということで、今回は加速する地方の総東京"郊外化"などについて整理します。あとは薄く分散させたところで、東京と競い、よりよい都市を作り出すみたいな競争構造にはならないという話でもあります。このあたりは戦後の歴史があらゆることを見せてくれています。

加速する、地方の総東京郊外化

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