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地域が一枚岩にはなれない理由

地域活性化分野においては、地域内の様々な主体を一元的に束ねる事業者団体が存在しないことを課題とし、様々な地域事業者団体が設立されることが多々存在する。それでは一元的になって何を目指すかと言えば、大抵は政府が配る予算を目的とする。それは地域の様々な主体が一体となっていることを要件にすることが多くあるからだ。近年ではDMOがその筆頭格である。

しかしながら、そもそもとして観光協会も、またDMOも地域の事業者を束ねるために組織されたはずが、実情は効果的な事業につながっているものが未だ乏しい。結果として、財源不足、人材不足を経営課題とするものが多数存在し、結局自治体の観光税や入湯税などといった公的財源をあてにする始末である地域も少なくない。

地域で観光関連事業者たちが一丸となり、観光客を呼んで儲けるためであれば皆で資金を出し合えばいいだけの話がまとまらない。観光産業は観光関連事業者以外にとっては地域コストにしかならないが、事業者は確実に儲かるものである。つまりは本来観光産業とは公益的事業ではなく、基本的には共益的事業なのである。明確な共益関係があるはずなのに地域事業者は機能的かつ効果的に動けないのだろうか。

○ 地域事業者団体が抱える必然的機能不全、3つの罠

地域事業者団体は観光分野のみならず、様々な産業分野に存在している。しかしながら、その多くはうまく機能していない。それら地域に点在する地域事業者団体が機能不全に陥る背景に、3つの罠が存在している。

(1)競合関係にある企業群である

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