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エリアと物件にこだわりすぎない判断力が10年続くまちづくりに必要な理由

先日、とあるエリア再生の相談を都市経営プロフェッショナルスクールのOBから受けていた際に、私が一言いったのは「ここのエリアに、個人的にこだわり過ぎではないですかね」というお話でした。

しかもこだわる割に自分で所有する土地があるわけでもなく、自由になるものもそれほど存在せず、かなり役所とも面倒な調整をしながら、下手すると周辺の不動産オーナーにタダで使われているような節すらありました。ここをどうにか良くしたいという正義心は大切な一方で、事業的には投入しているリソースに対して、得られるリターンが全くバランスしていません。この手の取組みだと、歳を重ねていくと継続が難しくなり、誰かにそのような立場を譲ろうとしても引き受け手が出てこないということになりかねません。

それらをお話したら、たしかにそういう側面もあるし、薄々気づいていたところもあったということで、少しそのあたりは仕切り直しとかも考えたほうがいいですよ、というお話をした次第です。

いい人すぎるのもよろしくはありません。

けどこの手の話は昔からよくあるところで、何やらとても盛り上がった説明をうけるのですが、事業に必要な条件について、特に言い出しにくい交渉事とかを後回しにしてしまっているケースです。

やりたい、と、やれる、は違いますし、やれる、と、やり続ける、も全く違います。

やりたいから、やり続ける、ことへ繋げられるように考えたエリアを選択しなければ、エリア再生は絵に描いた餅になってしまいます。

○ 思い込みは怖いもの、エリア、物件にこだわりすぎるのは危険〜リノベーションプロジェクトでも起こりやすい問題〜

恋は盲目と昔からいいますが、エリア再生でも危険なのは、「この場所をどうにかしたい」と使命感を強く持ちすぎてしまって事業に必要な条件を無視してしまったりします。また、「この建物をどうにか残したい」という話がスタートして不動産オーナーは全く応答していない、かつ改修費だけでとてつもないお金がかかる大変むずかしいところから手を付けようとする人がいることです。

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