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この人ってテトリスの超絶名人何じゃないかと感じるとき

年に1人か、数年に1度くらいの頻度なんだけど、「この人、テトリスやったらいつまでも終わらないタイプの人なんだろうな」って思うことがある。

それは、スーパーのレジでのことだ。

私は週に1回か2回、食料品や日用品の買い出しに毎週スーパーに行く。最近はセルフレジも増えてきたけど、まだまだレジへの入力はスタッフが人力で行うお店も多い。

セルフレジ化を進めたけれども、結局人力に戻すお店もあるくらいだというから、人力の偉大さは機械を凌駕する分野もあるのだろう。

私はマイバスケットを持っていくことが多いので、お店のカゴに入れた商品はレジのスタッフさんがレジ打ちしながらマイバスケットに移してくれる。

その時に、スタッフさんの手の動き方を見ているととてもおもしろい。

後先考えずにカゴの隅から詰め込んでいき、隙間だらけで、お店のカゴには収まっていたのに、なぜかマイバスケットに入らなくなってしまい途方にくれてしまうスタッフさんが時々いる。

このタイプは若いお兄ちゃんが多いから、子どもの頃から整理整頓のお手伝いや教室の掃除をサボってきたタイプだと想像する。学校や自宅の机の引き出しの中はとんでもないことになっていたんじゃないかな?

そんなときには、私は「マイバッグも持っているんで大丈夫です」って声をかける。そうすると若いお兄ちゃんスタッフさんはホッとした顔をして、入り切らなかった分をお店の会計済みのカゴに入れてくれる。

なんとか考えながらうまく詰めようとするんだけど、どこかで矛盾が発生してパニクっているスタッフさんもいる。そういう場合は、少し手間取りながらも最終的にはきれいに収まる。

手間取るのは、後からレジを打ったものを入れる場所を作るために、一度マイバスケットに納めたものを、あっちに移したり、もう一度外に出したりと、手間を掛けてしまうからだ。

先読みができていないタイプだ。こういうタイプも若いお兄ちゃんが多い。こういう人は試行錯誤して一気にきれいに詰められるようになるタイプだろうな、と将来が楽しみになる。

でも、学生バイトだったら卒業したら辞めるだろうから、その域まで行かないかもしれない。

女性のスタッフさんは比較的上手に詰める人が多い。主婦パートの方なんかは、長年レジ打ちをしている方が多いようで、最初にお店のカゴに入っていたものは、入れ替えすことなく無難にマイバスケットの方にも全部入れてくれる。

超絶感動したのは、10手先くらいまで先読みして、何をどこに入れるのか計算しながら、完璧に詰め込んでいたスタッフさんだ。

ある日のこと、レジを打ってもらっていたら、マイバスケットの4分の1くらいまで入ったところで気がついた。

重いものや硬いものが確実に下に入って、軽くて潰れやすいものが上に来ている。それなのに、どこにも隙間がなくて、カゴの隅から見事に縦に整理されている。

スーパーでの買い物なんて、丸くて大きなキャベツ丸ごと、小さくて潰れやすいトマト1個、潰れたら困る肉や魚のパック、硬い缶詰や瓶詰、砕けやすい乾麺なんて、形も大きさも硬さも全く違うものばかりだ。

それを超絶完璧に詰めていく。

マイバスケットの中に手を差し込んでずっと何かを押さえているのに、その場所になかなか置かないと思ったら、5つ先の商品を入れるのに場所を確保していた。5手先、10手先まで読んで詰めるべき商品を計算しながら、お店のカゴの中からレジに通す順番を決めていたのだ。

この人がテトリスをやったら、10段くらい積み上げたあとで、縦長の棒が来たらバンバンと消せるような画面を作るんだろうな、と思った。

それどころか、どんな形のブロックが落ちてきても、2段、3段ずつ消せるように作っていくかもしれない。

テトリス系のゲームの中には、3つ先まで落ちてくるブロックが予告されるのがあるけど、それなら画面の3分の2くらいまで積み上げたら、3手で全消しするように仕上げるかも。

そんなことを想像させる程のレジ打ちの人は、レジ打ちの超絶プロだな、と尊敬する。

レジ打ちでこんな芸術的な技を磨けるなんて素晴らしい。おそらく主婦パートで時給で働いているのだろうけど、できることなら、このような素晴らしい超絶プロにはお店の方もそれなりに待遇してあげてほしいものだと、ちょっと思った。


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