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壁、乗り越えてないよな、って思った話
家の中を片付けていたら、子どもが中学生の時に部活用に私が買ったタオルが出てきた。「壁を乗り越えろ!」って、とても熱いメッセージが書かれたタオルだ。でも、子どもは一瞥して「そんなモノいらん」と言い、一度も使わなかった。
せっかく出てきてもったいないから、今は私がお風呂上がりに頭を拭くのに使っている。
「壁を乗り越えろ」って、自分はなんにも壁を乗り越えてないな、とちょっと落ち込む。
うだうだ、うだうだ、50歳になるまでチャランポランに生きてきて、チャレンジし始めるんだけど、結局最後までやり通すことなく、振り向いてみれば、点々とやり始めたことの残骸だけが転がっている。
完成品は何もない。
子どもも、そんな私の背中を見ていたから、「壁を乗り越えろ」なんて、白々しいと思ったのかもしれない。
あれもやりたくて、これもやりたくて、でもどうやったらいいのかわからなくて、でも面倒くさいことは嫌いで、、、、
そんなこんなで気がついたら、40歳になり、40歳になった頃から本当に好奇心が一気にしぼんでいた。
30代までとりあえず自分を動かそうとしていた好奇心のワクワクが一切なくなり、出涸らしみたいな気分で過ごしたのが40代だった。
30代は「もうちょっと頑張れば何か乗り越えられるかな」と思っていたのに、頑張る原動力が一気になくなってしまったのが40代で、新しいことをあれこれ始めたり、それまでやってきたことを再開させるのも億劫になり、日々のルーティーンだけをただ単にこなすだけの日々。
まあ、それはそれで、気分は楽だけどね。
そんな出涸らしになりつつあった母親から「壁を乗り越えろ!」なんて熱いメッセージのタオルを渡されても、子どもの気持ちは白けるだけだろう。「お前が言うか」ってさ。
まあ、このnoteでも書いているように、健康不安がどんどんと大きくなるだろうこれからの50代、子育てはもう完全に終わりが見えてきたけど、これから私の人生に立ちはだかる壁はいろいろと大きくなっていくだろう。
昔のように、自分で想像の壁を設定して乗り越えたいと思わなくても、年齢から来る壁は次々に立ちはだかるはずだ。多分、ロッククライミングして乗り越える気力も体力も、私にはないだろうから、うまく逃げて回避して、楽をしながら脇を通り抜けるような、そんな道を見つけながら進めればいいと思うが、これから先どうなるのだろうか?未来は見えない。
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