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父親と共通の趣味が心の救いな後継さん

仕事がら日本全国飛び回っていているのですが、そんな時によく思うことがあります。それは、この素敵な景色を写真に残したい、この素敵な景色を見た時の感動も残しておきたい!って思うのです。

見慣れたいつもの景色も、霧がかかったりモヤの立ち方によって、全く違う幻想的な風景になったりする時があります

富山駅に向かう途中に見た、雲の上の街並み は幻想的で今も忘れられない景色です。季節は覚えていないのですが、低いところで水蒸気が地域一帯に立ち込め、黄金色に輝く朝日が水蒸気を照らし、街並みや建物の屋根がはっきり見えるのです。この光景を街より高い位置を走る新幹線の窓からは、雲の上にある街並み に見えたのです。

この素敵な光景を見ることが出来たのは、この時一度だけなのですが、幻想的な景色に見惚れて、写真に残すことが出来なかったのが残念です。

秋の紅葉の季節には、いつも立寄るパーキングから見える景色が、全く別の雰囲気を醸し出して、運転の疲れを癒してくれます。同じ場所でも、四季により雰囲気が変わるので、その変化を写真に残せたら楽しいだろうな!と始めたのが、一眼レフカメラを持つことです。

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(金沢 兼六園の風物詩 雪つり)

実は父も同じことを思っていたようで、「俺もお前と同じのが欲しい」と一緒に始めたのが、父親と共通の趣味を楽しむことになった一眼レフカメラです。

創業者の父は、私よりも全国を飛び回っていたので、今では懐かしい「写るんです」でお馴染みの、インスタントカメラの愛用者でした。「これ現像しておいてくれ」と渡された使用済みのインスタントカメラを現像すると、よく分からない景色やモノが写っていて、笑っていました。

共通の趣味と言っても、一緒に撮影会にいくとか、カメラの使い方を習いに行くとか、撮影した写真を見せ合うとか、行動を共にすることは無いのですが、「最近 撮ってるか?」なんて、父親が娘に話かけてくる材料にはなっていたのかもしれません(笑

あるとき父のカメラが、社長室にほっつけてあったので、どれどれどんな写真を撮っているだ?と覗き込んだら、なんと店舗の写真や商品の陳列してある様子ばかりで、綺麗な風景や人物の写真は1枚もなく、父の写真を見て笑い転げました。どれだけ会社愛がたっぷりな人だったのだろうと(笑

そんなことで始めた、父と共通の趣味のカメラですが、全く上達はしていないので宝の持ち腐れになってしまってます。(猫に小判とも言う・・・)

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(商品の陳列してあるところです)

父は多趣味で、よく釣りに出かけていました。私も何度も一緒につれて行かれたのですが、船酔いはするし、ゴカイなどの餌が触れないし、釣り竿に魚がかかる楽しさも知らず、釣りは暇だから行かない。父の出張で遠出のとき、運転手とし同行することも、自分の時間が無くなるから行かない。父と娘が話す時間はなくなっていきました。

そんなことを考えると、共通の趣味を持って時間や話題を共有しようと、父が私に合わせてくれた趣味なのかもしれません。親子で会社を経営すると、意見が対立になりがちで、関係性がギクシャクしてきます。事業承継まっただ中の方や、今から事業承継の方には是非とも、父親と共通の趣味を持つことをお勧めします。

私の場合は、社長という肩書をもらってから、大手家具屋さんを思わせるような関係性だったので、仕事以外に共通の話題があって心が救われました。うまく伝えられないのですが、時が過ぎて父親と共通の趣味を持てて、良かったと思う日が来ます。今の私がそうだから・・・・

コロナ禍で、身近なことに趣味を持つ人達が増え、手軽に高性能カメラを持つこともでき、若い人達が素敵なカメラで撮影しているのを見かけ、「そう言えば、私もカメラ持っていたなぁー」と思い出し、引っ張り出してきています。15年も前に購入したものなので、女性の私には少し重く、持ち運びしにくいのですが、父とお揃いのカメラは愛着があるので、お手入れしながら長く使い続ける予定です。