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川崎市市制100周年・開館25周年記念 「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展(川崎市岡本太郎美術館)

いつも通り企画展の様子を早く知りたい方は目次からジャンプ!


この美術館までの経路をググるとトンチンカンなのが出てくるんだよね。本家のHP見ると向ヶ丘遊園駅からバスに乗って専修大学から歩くのが一番いいみたい。

最初の訪問は6年前か


岡本太郎さん関連の施設はけっこう行っている。元ご自宅だった岡本太郎記念館も行ったっけ。太陽の塔見学復活の直前だった


今年の春にはやっと万博記念公園まで太陽の塔に入りに行ったっけ。感慨深い


この日岡本太郎美術館に行くバスにいっしょに乗った他の乗客は専修大学で行われる模試やら英検やらを受けに行く若人たちだったみたい。がんばれよー。

大学からの道はけっこう親切に道案内が出ている。

ゴルフ場クラブハウス
左の道を選択
ゴルフ場を通って…
生田緑地
あれに見えるは…
チラリ
前回と同じ構図で撮ってみた

上に乗ってる人たち、なんかトクホマークっぽくない?


川崎市岡本太郎美術館

入口

前回と大きく違うのは写真撮影がフルOKになってる。うれぴー。

赤の部屋
前回撮りたかったTAROロゴ
太陽の塔☀ 瓦?
これクルクル回ってた🌀
あちこち太郎さんがいてビビるんだよね
ここにも〜
《ノン》

このカネゴンみたいなやつは前にフィギュアを買った。

後で気付いたが上顎と下顎の間にある貝柱?みたいなとこは赤いんだな。舌のつもりだろうか?

家にあるフィギュアを見直したところ、ちゃんと貝柱も赤くしてあった。芸が細かい再現性が高い。

楽しいね。でも今回は岡本太郎さん目当てではないのだ。この記事の題名にある通り

「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展

今日ここに来たのは、福田美蘭さんの新作=パロディ作品を岡本太郎で制作したという話を聞いたから。さて今回はどんなイジリをするのか?

美術って、なに?  岡本太郎って、なに?!

いざ戦場へ!

福田美蘭
《重工業》2024年

さすが、美術界の田中圭一、完璧に岡本太郎さんのタッチを再現出来てる!

と思って近付いたら、岡本太郎の横向きの絵を縦にかけただけらしいをい! のっけからかましてくれるww。

…私はこれはこれで素晴らしい絵画と思ったので、オリジナルの(重工業)を縦に展示してもらい、美術館のShopに並んでいる複製プリントに私のサインを入れた。 (M.F)

福田美蘭によるキャプションより

*淺井裕介さん、福田美蘭さんが手掛けた作品にはそれぞれご本人が書いたキャプションが付いている

本来はこうだったわけか(そんなに変わるかなあ?)

よく、抽象画が上下逆さまにずっと展示されていたとかいう笑い話があるが、抽象画の思想としては別に向きなんてどうでもいいんじゃないかと思うのだけど。ただ90度傾けてみましたってのはあまりないだろうなあ。

この美術館のショップでも福田美蘭サイン入りのが売られていたので買ってきた。この Taro Okamoto サインは岡本太郎さんのオリジナルなのかな。さすがに美蘭さんがマネして書いたものではなかろうな。

続いてこんなキャプション

(顔は知っていても岡本太郎の)絵画作品が具体的に浮かぶ人はどれ程いるだろうか。「太陽の塔」も、「顔のグラス」も絵画ではない。知られている様で、岡本が生涯にわたり実現させようとしてきた世界を私達は未だ理解できないでいる。

福田美蘭によるキャプションより

そうだよね。私も正直岡本太郎さんの絵はよくわからない。

強いて言えばいちばん知られている絵画は渋谷駅のあのでっかい「明日の神話」かな。それでも「ああ、あれね」とすぐわかる人はやっぱりあまりいないだろう。

かくいう私も昔から渋谷は歩いていたが、あの絵のことはまったく知らなかった。例の原発反対!のいたずら書き(だったっけ?)騒ぎでそんなのがあそこにあったのかと初めて認識した。

《ガア公》

インスタレーションだね。ご自宅のお庭にたまたま舞い降りたカラスにガア公と名付けてかわいがっていた?みたいな新聞記事がそばに張ってある。

イスも岡本太郎さんの作品。人工芝の中に入りそのイスに座ってガア公を眺めて欲しいとの美蘭さんのキャプション。

岡本太郎の気持ちになって座ってみたカー
アホー

写真だとよくわからないかもだがガア公は両面パネルで出来ている。

このカラスは誰が作ったんですか?と監視員さんに聞いたら「美蘭さんです」とのこと。そうなのカー。美蘭さんがカラスの絵を描いてバネル切り取ってる姿を想像するとなんかジワジワくるんだがw

続いて

岡本太郎作 《夜》1947年
福田美蘭作 《夜》2024年

美蘭さんが岡本太郎作品をじっと見ていて木の枝?や敷石が龍の顔に見えたためこんな感じにしてみたと。実際太郎さんもダリみたいなだまし絵の意識がチラッとあったのかも。

私はカイドウと戦うルフィに見えたな🐉


福田美蘭
《輪投げ》2024年
*岡本太郎《戰士》を使ったインスタレーション

最初目に入った時は、実際に輪投げが出来るのかなと一瞬思ったが、立ち入り禁止に囲ってあるので違うんだなと理解した。しかし福田さんのキャプションを見ると

…本来は来館者に実際に輪投げをしてもらうプランであったが、作品を保全すべき美術館として、作品に物を当てるという行為は退けたいという意向から、その状況をインスタレーションで提示した。 (M.F)

福田美蘭によるキャプションより

ダメだこのひとwww。ったりめーだろ! 美術館がそんなこと認めるかいな😨。たぶんさっきの絵を90度傾けるのも難を示したんじゃないかな?「はあ? なにいってんすか??」みたいに。

まあ、太郎さんだったら「おもしろい!やってみようか? バクハツだっ!」とおっしゃたかも知れんが。

⭕️ ⭕️ ⭕️

更に、

岡本太郎作 《森の掟》1950年
福田美蘭作 《森の掟》2024年

チャックを開けてみましたってか。これはブチャラティのスティッキー・フィンガーズを意識したものではないかと。ブラックホールでなくホワイトホールだから放出系なんだな。

福田美蘭《目の絵画》
*岡本太郎作品17点と鳥よけバルーン21点

👀👀👀大杉。草間彌生さんのブツブツ作品みたい🫧

「眼は存在が 宇宙と合体する穴だ」(岡本太郎)
…なぜ見る側を攪乱するような絵画を何枚も描く必要があったのだろうか (M.F)

福田美蘭によるキャプションより

📺️📺️📺️

目といえば、岡本太郎のテレビ出演キャプチャーのスライドショーが会場のモニターで流されている。これ最初は見過ごしていた。福田美蘭さんがキャプション書いているので福田さんが集めたのか? でもそんなの大変だよな(太郎マニア?)。ここの美術館のアーカイブなのかな。ちなみにほとんどNHKからじゃないかと思う。

《岡本太郎 テレビ出演の様子》

これらの表情はいまはむしろタモリの形態模写を思い出す。そして、そういえば目玉をギロリとしてこちらを見つめるのは、ダリもそんな表情をしていた。素なのか意図的にしていたのか。


岡本太郎《アドレッサン》1961年

絵画に対する意識が変わった
戦後二科展を脱退し、画風をそれまでとは全く違うものに変えた作品、縄文土器と出合い、 原生日本人の生命感と呪術性を表現しようという気持ちの裏には従来の絵画からの逸脱という以上に、タプローという形式に対する諦めがあったのではないだろうか。(M.F)

福田美蘭によるキャプションより

タブローってなんだろー?と(いまさら)思って調べてみた。この言葉、いまじゃ私もビジネスアプリとしての方でよく耳にするけどね。

そっか、額に入った絵って、モバイルなんだな。それに対する諦め? うむ、もひとつわからん。額に入った絵はもうやめてグラスの底に顔でも彫ってみるかということだったのか?

それにしてもこれはなにを描いた絵なのか? 模様? 象形文字?

美蘭さんに倣ってこれもひっくり返してみた

なんか、踊るバレリーナとかに見えない? あるいはアクロバティックさらさら?

バレリーナに見えない方のために、AIくんに「バレーを踊らせて」とリクエストして生成してもらった。

そうそう、こういうイメージ。最初「バレリーナにして」とリクエストしたら断られたのも不思議。
(これ作品の改ざんになるのかなあ…?)

☀☀☀

いやはや、福田節全開で楽しくて仕方がないw。挑戦というよりは傾けたりひっくり返したりチャックを開けてみたりお庭にカラスを持ってきたり、福田美蘭が岡本太郎って何がしたかったのか悪戦苦闘して考えてきた様子がここに置かれている。答えはその作品の中に見つける他はないのだけど。

ちなみに美蘭さんが7歳の時に描いたかわいらしい「太陽の塔」が展示されている。たぶん銀行でもらうメモ帳に描いた(ご本人曰く)いたずら書きだが、やっぱりよく特徴を捉えてると思った。


午前中はほとんど人がいなかった。こんなおもしろいのに残念だなと思っていたら午後からはファミリー客含めだいぶにぎわってきたよしよし。

帰りは別ルートで生田緑地を歩く。

科学館👒

そっか、向ヶ丘遊園駅からここまで歩いて岡本太郎さんとこ行ってもいいんだな。とたぶん前回も思ったんだろう太郎。

生田緑地(個人的)リンク集

生田緑地ばら苑は去年行ったはずだが note の記事にはしてなかったか🌹


プラネタリウムもまた来なきゃ


古民家ライトアップも行ったっけ



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