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ダイニチ「コーヒー豆焙煎機 MR-F60A」使ってみた

あ、どうも、家電レビュワーの少佐といいます。
Amazonレビューで多くの「参考になった」票を頂いたこんなのや(もう廃番だけど)

こっちはアマゾンレビューには投稿しなかったけどリンク経由でたまに売れるこんなの(今はもうコポンしか売ってないみたいね)

ご覧のようにこれまでも数々の家電商品のレビューで名を馳せてきた私ですが、今日のレビューはなんと夢の自動コーヒー焙煎機。

…前フリはこの辺して…なにげに珈琲マニアな私、これまではあれこれ試行錯誤の後、最終的に自分で土鍋を使って自家焙煎していた。

自家焙煎の歴史

出来は良好だが直火でないせいなのか焙煎にとても時間が掛かる。ピッキングから始めて焙煎豆の冷却までどうしても完成までトータルで1時間以上かかってしまう。

じっくり土鍋の遠赤外線で豆を煎りゆっくりハゼるのを待つのも風情があってよいが、時間が掛かるので当然土日にやることが多い。

しかし旅に出ているとそれもままならないので、平日にやる必要も出てくる。さすがに平日の夜とかに1時間以上取られるのはちと辛い。更には今年のエンドレスサマー。とても暑くてそんな作業を長時間できない。

そこで目をつけたのがこの新製品。1回に出来上がる豆は60gと少ないが新鮮なうちに飲みきってしまえると考えれば逆にメリットだ。こまめに作ってもいいし。

1回セットしてしまえばもうあとは機械におまかせで放っておくだけみたいなので、ひとっ風呂浴びてる間に出来てしまう。こんな楽なことはないだろう。

製造元はダイニチ工業さん。本来はファンヒーター等を手掛けるメーカーさんらしい。それが社内に(社長?)珈琲マニアでもいらしたのか、なかなか本格的な家庭用焙煎機も以前から製造販売していたようだ。そこにさらに手軽で使いやすい新機種MR-F60Aを投入することになったと。

申し訳ないがこれまでダイニチ工業さんを存じ上げていなかった。同じ空調関係だし、名前もダイ繋がりでダイキンさんとかと関係あるのかなと思ったけど関係ないみたい。

このミニ自動焙煎機発売の情報は早くから入手していたものの、1回にできる量の少なさと、32,000円の価格がちょっとネックだった。

しかし今年の夏のこの殺人的な暑さ!命には代えられん! コストは私の人件費と比べれば安いものかなと無理やり原価計算してついに購入に踏み切った。

ミニとはいえそこそこデカいので置き場所も確保しとかないといけない。まあ買ってしまえば何とかなるものだ。「置き場所がないからダメ」ってのは、多くの人が家庭で設備導入を断る決まり文句だが、絶対に嘘だと思っている。

そういう人が本当に無駄なく固定資産物をちゃんと管理できてるというんだろうか? 無駄なものを押しよけて本当に価値のあるものと入れ替えていけばいいのだ。これが本来のときめきの片付け術。

閑話休題。当初ものすごく興味は湧いたのだが、このマシンで出来上がる焙煎豆のクオリティには最後まで不安があった。新製品情報で知って以来、事前リサーチをかなり行ってもなかなか見つからない。あったとしても半分以上宣伝目的のもので、提灯もち記事ばっかり。

だから今回は自分で購入し焙煎し試飲した上での厳しいレビューを書いてみる。

結論:買って損はない(結論早っ)

焙煎準備

記念すべき第1回はパプアニューギニアで最大深めに焙煎してみた。アイスコーヒーで飲むことも多いだろうからね。

コーヒーの自家焙煎をした時の上の記事に詳しいけれども、最初何も知らずにやった時はチャフが残ってしょうがなかった。これが残っているととても渋いのだ。で、しばらく自家焙煎は諦めていたんだが、インターネットの時代になり情報を集めてみると事前に50℃のお湯で洗ってチャフを落とすとかなりいいらしいことを知り、以来そうしている。

今回も同様にした。ただし、MR-F60Aの説明書によるとこの機械は濡れた豆は絶対に入れてはいけないらしい。よって(普段からそうしているが)タオルで水気をよく取ってやや湿った感じだけれどもまあこの辺ぐらいは許容範囲かなというものでスタートしてみた。
*これは私の自己判断なので、私と同じようにする方は自己責任でよろしく

正確に言うと一度に焙煎できる豆の量はグラムではなく、付属の計量カップ擦り切り1杯。これを厳守しろとのこと。

コーヒー1人前が8g程度なので約60g出来るということは大体10杯分弱か。私だと4〜5日分かな。正直もうちょっとできてくれても助かるけど。まあ機械が勝手にやってくれるのだから、こまめに作ればいいだけなんだけどね。

ただ連続使用っていけるんだろうか。一度焙煎が終わってからどれくらい間を置けばいいんだろう? 説明書には特にその辺の注意はなかったと思う(自動精米機は一日一回限りの制限があった)。現状は2回連続して焙煎していて、いまのところ問題ない。

この一回に出来る分量については、社内でもかなり議論されただろう。たくさんできるに越したことはないけど、機械が大きくなるし、かかるエネルギーも大きくなるし。仕様にある消費電力1300Wはそれほど大きなワット数でもないけど。

ちなみに「あと◯分で終了します」みたいな表示はない。いらないと言えばいらないんだけど。今ほとんどの家電製品にはそういう機能があるのでないとあれ?とは思っちゃう。必要な機能はギリギリまで絞ったのではとこれも推測する。

製品名も「MR-F60A」なんて無味乾燥な品番のみにして、「焙煎王」とか「手軽にマイコーヒー♪」とか変な愛称w を付けないのもこのメーカーの硬派なこだわりではないかと更に邪推する。

焙煎開始(動画付き)

豆をセット、スイッチ・オン!ポチッとな! 動作開始! 動作音が大きくてうるさいという評も見たけれども、思ったほどうるさくはない。十分静かだ。同じ部屋でテレビは見れないと思うけど、先程挙げた自動精米機の方がよっぽどうるさい。

動画もちょっとずつ録ってみた。だんだん色が変わってくるのがおわかりになるだろうか。
(noteは直接動画うpする機能がないようでどうしようか迷って“X”の投稿をリンクさせた。“X”のタイムラインだけ見てる人は「なんだこりゃ?」と思ったかもねw)

ハゼる音ってしないのかな?と思っていたら、途中からパチパチいってきた。

更にハゼ出してから豆の動きが変わった! グルグルしてたのがなんか噴水みたいに吹き上がる縦回転になった!ww 手で焙煎する時も、最初は弱火でじっくり豆内部の水気を飛ばし、ハゼ出してからは強火で激しく動かすのがセオリーなのでその通りの動きである。

ちょっとブレているのは、なかなかピントを合わせられなかったから。というのもこの頃は本体から出る熱気が強くなっていて、あまり長い間スマホを近づけていたくなかったのよ。

さてそうこうするうち冷却モードに入ったようだ。熱した豆を冷ますところまでやってくれるのも助かる(手焙煎の時はうちわで一生懸命扇いでたよw)。冷却モードも豆の動きは噴水型。すっかり水分が抜けて音が軽くなっているのがわかると思う。

完成

完成品をご覧頂こう。一番深めの焙煎設定でも、脂ぎって黒光りするイタリアンローストほどまでにはしてくれないみたいだ。もしかしたら高温が続くことに機械が持たないのかもしれない。

自分で手で焙煎した時よりもムラができてない。なんか悔しいな。まあいいか。いつも通り3日ぐらい寝かせて飲んでみよう。

試飲結果と考察

さて、お味の方は…意外だったのは先に記したように見た目はそんなに深煎りに見えないのだが飲んでみるとなかなか苦い。これは手煎りの数倍のスピードでやったからだろうか? 次回は中煎りでやってみよう。

ただ、同じ豆なのに自分で焙煎したものとなんかちょっと違う気もする。苦いのにやや薄めのような気がしてならない。これはひいき目ということではなく、まずいというわけではない。かなりいけることは間違いない。

もともとがコーヒーの味なんて、コーヒー豆自体の味によるものが多くて、焙煎で変わるものとはあまり思っていなかった。あるとすれば焙煎の強さで深く焙煎して濃くなるか。浅く焙煎して薄く(豆のフルーティーさが残る)なるか、そんな程度のことだろうことだと思っていた。

しかし、手で焙煎して40分ぐらいかけたものと機械で10分ちょっとで完成させたのでは、メイラード反応(コーヒーもこれ起きてるの?)などがやはり物理的に科学的にやや変わっていても不思議ではないかもしれない。

機械と比べ手で焙煎するとどうしても焼きムラが出来る。具体的に言えばよく焦げた豆とそうでもない豆。これが好意的に解釈すれば深煎り豆と浅煎り豆のブレンドになり、いい意味で複雑な味わいになったのかもね。

一番はっきりわかるのは最初に豆をひいてお湯をかけた後、豆がMR-F60A焙煎のやつだとあまり膨らまない。豆が膨らむ、膨らまないは含まれる空気の量であり、必ずしも新鮮さとは直結しないという説明を読んだこともあるので、それほど気にしなくてもいいのかもしれないけれども、やはりあまりに膨らまないとなるとちょっと気になるね(今は酷暑の夏でかなり高い温度で保管しているせいもあるのかもしれない)。

考えてみれば世の中にこだわりの珈琲職人さんたちが乱立し、それぞれが「俺の珈琲」を探求しているのだから、やはりなんかしら焙煎度合いだけでない違いというものは出てくるのかもしれない。深いぞ珈琲道!?


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