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特別展「浮世絵の別嬪さん ─歌麿、北斎が描いた春画とともに─」(大倉集古館)


また来たよ。前回は横山大観さんを見てきた。

今回は春画も見れるってんで飛んできた。

懐月堂安度《立美人図》
スゲーいい絵の具使っていたのか? 300年以上前の作品なのに色が冴えまくってる。この美人画は着物の幅広い振り袖に松の木がまるでプロジェクトマッピングで映されたようにはっきりくっきり解像度高く表現されている。
でもキャプションには「模様は安価な絵具を使って」と書いてあるな。ぜんぜん色褪せてないのにね。着物の模様と違う?どこの模様?
ちなみにこれは千葉市美術館所蔵なんだ。

歌川広重《三美人図》
広重の美人画か。描いてたんだ。風景画のイメージが強くてあんまりイメージないね。にしてもこれも保存状態がすんばらしい。昨日描かれたみたいに色がきれい。くすんだところが一切ない。似鳥美術館所蔵って、あのニトリ? 調べてみるとやっぱそうなんだお値段以上?

どうもうまくリンクを張れないのでそのままURL
https://www.nitorihd.co.jp/otaru-art-base/

江戸各地有名楼閣のおねえさまを三者三様で表現しているらしい。真ん中の吉原嬢はこの上なくゴージャス。着物は牡丹の花満開。右の深川娘はちょっと地味目の着物だな。でも中には高価なお召し物を着てるのよ!みたいな江戸の粋なんだろうか。左は品川だとか。皆さんでっかい簪ビシバシ頭に刺さっているのでかなり位の高い嬢なんだろう。いずれも細面でグラマラスではない。

北斎《詠歌美人図》 
机の前で着物の裾を大きく広げ座るおねえさま。幾重もの着物なのか、こんもりと広がった様子はひとをダメにするソファっぽく見える。後のYogiboである(ウソ)。

北斎 他《青楼美人繁昌図》
こんな企画ものあったんだね。美女が大集合! 北斎他全6名の絵師による合作とのこと。当時、「人気絵師の豪華メンツによる大競演!」みたいな触れ込みだったのかな。 二人くらいの合作は見たことあったけどこんなにたくさんのは初めてだ。

一番手前のおねえさんが北斎の手によるものとのことだが、この首を傾げた仕草や表情はもしかしたら応為さんの手によるものだったりしないだろうか? 応為作品に出てくる女性の描写を思わせるところがあるのだけど。実際応為さんは北斎の美人画をかなり手伝っていたと言われてるし。
「商売敵といっしょの企画なんてまっぴらごめんだよ、でもカネはいいっつうからお〜いおめえちょっと描いといてくんねえか?」ってな具合にね(フィクションです)
この絵は2021年に「発見」されたとか。好事家が隠し持っていただけではと思うが。これから研究が進むのかな。


地下階の春画コーナーは「十五歳未満は立入禁止」って、なんか半端な年齢だな。

北斎《閨中交歓図》
その最中で、「んん?」みたいな神妙な男性と「んあ゛っ」みたいな女性の微妙な表情が見事に描き分けられている。
色が淡くデッサン的な味わいで、恐らく下描きもなく筆でサラサラっと描いたんだろうが、もう神業ね。

「閨中交歓図」でググったらこんな記事が


歌麿《歌満くら》
春画の名作とほまれ高い「歌満くら」。この作品は北斎作品に比べたら男女がくじら目しててちょっと興ざめなんだけど。
同じ絵の別刷り作品が2枚並べられていたので、VRのAVも流行っていることだし、交差法で立体視を試みたが大き過ぎるのか近すぎるのかうまくいかなかった…ってほんとにバカねわたし🤪。


この企画展は前期後期に分かれていて後期にも歌麿の他の作品とか見てみたいものがある。また来なきゃな。

浮世絵とかはサイズがもともと小さいし描写が細かいし周りは薄暗いし(ここは比較的明るい)次回は双眼鏡必須だ。いつも忘れちゃう。


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