もしも、具体と抽象の名人が園児に転生したら
今回は、ちょっと変わった話をしましょう。
「もしも、具体と抽象の往復運動を極めた哲学者が、突然5歳の園児として転生したら?」なんて、想像したことありますか?
ないですよね。普通そんなこと考えませんよね(笑)。
でも、この奇想天外な設定を通じて、「具体と抽象の往復運動」という難しそうな概念を、楽しく理解できちゃうんです。
さあ、一緒に想像の世界へ飛び込んでみましょう!
我らが哲学者園児、その名は「てつお」
まずは、主人公の紹介から。彼の名前は「てつお」。元々は高名な哲学者で、具体と抽象の往復運動を極めた「具象博士」だったのですが、ひょんなことから5歳児として転生してしまいました。
てつおの特徴はこんな感じ
妙に難しい言葉を使う(でも発音が若干怪しい)
何にでも「なぜ?」と食いついてくる
積み木で理系学部の学生さえ唸るような建造物を作る
お昼寝の時間に「存在と時間」について考えている
さて、このてつおが幼稚園で巻き起こす騒動、覗いてみましょう!
エピソード1:お絵かき時間の大騒動
ある日のお絵かき時間。先生が「みんな、好きな動物を描いてね」と言いました。
普通の園児たちは、犬やネコ、キリンやゾウを描き始めます。でも、てつおは違いました。
てつお:「先生!『動物』って何ですか?」
先生:「え?だって、犬とか猫とか...」
てつお:「でも先生、菌類や原生生物は動物に入りますか?それとも、哺乳類だけですか?分類学的な定義が必要だと思うのですが」
先生:(頭を抱えながら)「てつお君、とりあえず、好きな生き物を描いてくれればいいのよ」
てつお:「はい、分かりました。では、すべての動物の特徴を持つ究極の生物を描きます!」
こうして出来上がったのは、鱗と羽と毛皮を持ち、陸海空をどこでも移動できる謎の生物。てつおは得意げに説明します。
てつお:「これはね、すべての動物の特徴を持つ『汎動物(はんどうぶつ)』です。進化の頂点に立つ生物で、どんな環境でも生きられるんです!」
他の園児たち:「うわぁ、すごい!」「かっこいい!」「でも、ちょっと怖い...」
先生:(呆れながらも感心して)「てつお君、すごい想像力ね...」
エピソード2:積み木で宇宙を再現!?
自由遊びの時間。てつおは、積み木コーナーに向かいます。
他の園児たちが家や城を作る中、てつおは黙々と複雑な構造物を組み立て始めます。
しばらくすると...
てつお:「完成しました!」
先生:「わぁ、なにこれ?とってもきれいね」
てつお:「これは、宇宙の構造を模したものです。この部分が銀河で、このつながりがダークマターを表しています。そして、この中心にある小さな積み木が地球です」
他の園児たち:「うーん?」「よく分かんないけど、すごそう!」
先生:(困惑しながら)「そ、そうね...とてもすてきよ、てつお君」
てつお:「ありがとうございます。でも、11次元まで表現できなかったのが残念です」
先生:(心の中で)「5歳児に11次元を求めないで...」
エピソード3:おやつ時間の哲学講座
おやつの時間、園児たちにクッキーが配られました。
てつお:「先生、質問があります」
先生:「なあに、てつお君?」
てつお:「このクッキーを食べることで、私たちは幸せになれるのでしょうか?」
先生:「え?だって美味しいからみんな喜ぶでしょ?」
てつお:「しかし、一時的な快楽と持続的な幸福は同じでしょうか?プラトンは洞窟の比喩で...」
先生:「ちょっと待って、てつお君。みんなで楽しくおやつを食べましょう」
てつお:「はい...。でも、存在の本質について考えずにモノを消費するのは...」
他の園児たち:(てつおの難しい話をよそに、美味しそうにクッキーを頬張っています)
先生:(心の中で)「哲学科の学生さんたちも、こんな感じだったのかな...」
てつおから学ぶ、具体と抽象の往復運動
さて、この奇妙な園児「てつお」の行動を通じて、私たちは具体と抽象の往復運動について、何を学べるでしょうか?
好奇心の大切さ:てつおは何にでも「なぜ?」と疑問を持ちます。これは、具体的な事象から抽象的な概念を導き出す第一歩です。
既存の枠にとらわれない思考:動物のお絵かきで「汎動物」を描いたように、既存の概念を組み合わせて新しいアイデアを生み出すのも、具体と抽象の往復運動の醍醐味です。
複雑なものを分かりやすく表現する力:積み木で宇宙を表現したように、抽象的な概念を具体的なモデルで表現する能力は、コミュニケーションの上で非常に重要です。
日常の中に哲学を見出す姿勢:クッキーから幸福論を展開したように、身近な具体物から普遍的な抽象概念を見出す力は、日々の生活を豊かにします。
具体と抽象の往復運動、その真の姿
てつおの行動は極端ですが、実は私たちも日々、知らず知らずのうちに具体と抽象の往復運動を行っています。
例えば:
スーパーで買い物をするとき(具体的な商品選び → 抽象的な栄養バランスの考慮)
友達と喧嘩したとき(具体的な出来事 → 抽象的な人間関係の考察)
新しい趣味を始めるとき(具体的な行動 → 抽象的な自己実現の概念)
大切なのは、てつおのように、この往復運動を意識的に行うこと。そうすることで、日常の体験がより深い学びや気づきにつながるのです。
さいごに:みんなの中にいる、小さな哲学者
正直、てつおみたいな5歳児がいたら、周りは大変です(笑)。でも、彼の姿勢から学べることはたくさんあります。
実は、私たち一人一人の中に、小さな「てつお」が隠れているんです。日々の生活の中で、ちょっとだけ立ち止まって考えてみる。「なぜ」を大切にする。具体的な経験を抽象的な概念に結びつけてみる。
そんな風に、内なる「てつお」を呼び覚ましてみてはいかがでしょうか? きっと、今までと違う景色が見えてくるはずです。
そして、もし公園で妙に難しいことを話している子どもを見かけたら...もしかしたら、転生した哲学者かもしれませんよ。優しく接してあげてくださいね(笑)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?