見出し画像

知られざる鉢の中の事情③

今年の我が庭のハイライトはなんといっても、5月にシンビジウムが咲いたことだ。これが、一気に私のプチガーデニング熱に火をつけたといっても過言ではない。

実は、もう一つ理由がある。隣家のお孫ちゃんがどんどん大きくなり、とても可愛くて、隣人もお孫ちゃんに喜んでもらおうと、通路にかわいいお花を植え出した。それなのに、我が家の敷地に一歩入ったとたん、景観ぶち壊しなのが、気になっていたのだ。

うちにも、花を植える隙間がある以上、もう少し、おしゃれな空間にしたい!

そうそう、シンビジウムだ。ずっと前に豪華な胡蝶蘭を枯らして落胆し、数年前にもうちょっと、野生味のありそうな、お手頃のシンビジウムを買った。咲いた後、しばらくうちの中に置いていたが、うちの中は逆に水の管理が難しいのではないかと思って、外に出した。

それ以来、あまりに寒いときは、風のあたらないところに置いてやった気がするが、基本は放置で、葉も黄色びて元気がなく、なんとか命をつないでいるという感じだった。

風が通ったほうがいいのかなと思い、70センチぐらいの高さのカップ型のスタンドの中に、買ったままの、スタンドより一回り小さい鉢を入れたまま放置で、見栄えも何も構わない感じで数年置いていた。

そうしたら、本当にシンビジウム単体の自助努力のみで、今年ひょっこり写真の美しい花を咲かせたのだ。
感動して言葉もない。
うちの放置苗からこんな美しい花が!
シンビジウムに感謝、自然に感謝、神様に感謝。

花を咲かせるというのは、花にとってとても体力のいることらしい。我が家の放置植物たちは、どれも花の末期が辛そうだ。本来は肥料の応援が必要なのだろう。

ちょうどシンビジウムの花が終わる頃、私は植え替え熱に目覚め始めたので、植え替えなどの作業のついでに、シンビジウムにもいつもより、頻度高く水をやった。

そして、ついに、シンビジウムも完全に花が終わったので、鉢から出して、カップ型のスタンドに、蘭用の水はけのよい土代わりのバークという木のチップを足して、植え替えてやることにした。

カップスタンドから鉢を出すと、蘭にマッチした、白いプラスチックの鉢の中には、さらに黒い育苗用の鉢が入っていて、何年もこんな苦しい二重の鉢に閉じ込められていたのか
と驚いた。

中の黒い鉢は、下のほうは、空きが大きくなっていて、そこから少し根がはみ出していた。やはり、去年ぐらいには植え替えてやればよかったのにと思いつつ、苗を出してやるために鉢をひっくり返すと…。

なんとナメクジが3匹もついていた!

一体、どこから来たんだナメクジ!
どうやってこの高さ70センチのカップのスタンドの中に入り、中の白い鉢の底の穴を経由して、この蘭の根までたどり着いたんだ。何を頼りに?なんで、私がこのところ水をやりすぎたって知ってるんだ!

ごめんよシンビジウム。花が肥料不足かもしれないとは想像ついたけど、ナメクジにまでたかられて苦しんでいるとは知らなんだ。

ひっぺがしたナメクジにはもちろん、塩をまいてやった。

そして、シンビジウムの窮屈な鉢を除去して、無事カップのスタンドにバークを足して、植え替えてやった。今まで、世話をしないのが普通だったので、植え替えをシンビジウムが喜んでいるかはわからない。まあ、ナメクジを追い払ってやったのはよかっただろう。

そのうち、このところ植え替えた鉢全部に肥料をやろうと思う。

今回の植え替えで、小さな札を見つけた。ちょっと野趣のあるシンビジウムと思っていたこの花が、石田蘭園というところの「森の精『おと』」という名前の品種で、ホームページの説明によると「突然変異で出来た、奇跡に奇跡が重なったピュアホワイトのカップ咲き小型品種」だった。そんなお嬢さん育ちだとは知らなかった。

これからも、育て方は無茶苦茶だが、愛を持って接したいと思う。

育て主として、植物の名前や来歴に関心を持ってあげることも大事だな。今度から、花屋で買うときに名前や説明の札と一緒に写真を撮ることにしよう。


一応、今のところ(完)


これは、さすがにおススメしますよ!


よろしければサポートお願いします。 幸せになる記事を書くための取材費にします♥