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母に「きゅう、きゅう、しゃ」と言って、その後の記憶は途切れ途切れでなんだかぼやけている。とりあえず救急車に乗って運ばれたのだろうがその間の記憶はない。

しかし、病院に着いてベッドで検査をするような所へ運ばれている時の映像はなんとなく覚えている。


ぼーっとした私の目には緑色の天井だか壁だかが見えており、そのぼやけた視界から自分がいる所が病院の検査室のような所なのだろうことはわかった。


その検査室のような所で、

看護師さんかお医者さんかはわからないがとりあえず女性の誰かが私の目からコンタクトレンズを外していたことと、

私の首元のネックレスを外していたこと、

ネックレスのペンダントトップを落としたらしい「あれ!?どっか落ちた!」と焦った声がしていたこと、

そういったことは覚えている。


「コンタクトレンズって、他人が外すなんてこと出来るんだなぁ」とそんな状況にもかかわらず妙に感心していたことは不思議と覚えている。

因みに、この時私の首元から外されたネックレスはその後きちんと手元に戻ってきた。





それからの記憶も途切れていて、気が付くと病室らしき所にいた。

なんとなくの記憶だが、外は真っ暗のようだった。

なので「今はまだ夜なのか」と思った。


その後、いっとき落ち着いてはいたが、また吐気に襲われた。

吐気は相変わらず、襲ってきては落ち着き襲ってきては落ち着きを繰り返していた。


私が吐気に襲われていると、隣のベッドの方が「大丈夫ですか?」と心配そうに声をかけてくれたが、私は吐気の苦しさで返事すら出来なかった。

すると、その方がその方のベッド脇にあるブザーを鳴らして「隣の方がきつそうにしてます!」と看護師さんに伝えて看護師さんを呼んでくれた。






そしてまたそこからの記憶はない。



つづき

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