見出し画像

食前のお唱え事

こんにちは!
今回のバーチャル坐禅会では「食前のお唱え事」という事で
私たちお坊さんが食べ物をいただく前に唱えている『五観の偈』を紹介させていただきます。


味噌と塩は欠かしたことがない


本題に入る前に昔の禅僧のエピソード(禅問答)を紹介させていただきます。
南獄懐奘とその弟子の馬祖道一というお坊さんがいました。

南嶽は馬祖が江西で布教教化を始めたという噂を聞きましたが、南嶽のもとに馬祖からその知らせを受けていませんでした。
そこで南獄は馬祖のところに遣いの僧を送ることにしました。

遣いの僧にただ「どうでしすか?」とだけ質問し、その答えをそのまま記憶してくるように命じました。

言われた東リに質問すると馬祖は
「味噌と塩は欠かしたことがない」と言いました。

遣いの僧は意味がわからなかったのですが、馬祖の言葉をそのまま伝えると南獄は大きく頷いたと言われています。

塩と味噌はいつも使うごくありふれた調味料です。
そんな味噌と塩を欠かすことはまずないことで、特別なことではありません。
「味噌と塩を欠かしたことがない」というのはごくありふれた、日常生活をしているということになります。

禅の修行では、坐禅だけでなく日常生活を大切にします。
日常の一つ一つこそが禅の修行になります。

生きていく上で「食」つまり食べることは大切なことです。
禅では料理をしたり、食事をいただくことも修行なのです。

五観の偈門

今から紹介する『五観の偈』には食べ物をいただく時の心がまえが書かれています。
『五観の偈』は全部で5つの文章で構成されています。今回は一つ一つ順番に紹介させていただます。

1 感謝

食べるというのは多くの命をいただいている。また料理してくれた人や育ててくれた人、運んでくれた人など様々な人の多くの苦労がかかっているという意味です。
それらを忘れることなく感謝していただきましょう。

2 反省

この食事をいただくにあたって、普段自分の行いをおしはかりましょうという意味になります。
自分自身がこの食事をいただくことに値する正しい行いをしているのか、反省していただきましょう。

3 煩悩

もっと欲しいいった貪りや他者に対する怒りといった感情は自分自身の心によって引き起こされます。
そういった心をしずめて、清らかな心でいただきましょう。

4 薬

食べることは何より良薬です。食事は体調のバロメータです。
食べたいという欲望を満たすためではなく、健康を保つためにいただきましょう。

5 道

「成道」とは仏に成る道、つまり悟りを完成させるという意味です。
食べるということは生きるということです。

まとめ

これがお坊さんが食べ物を食べる前に唱えている偈門です。
よかったら、食前にゆっくりと唱えてみてくださいね。

「食べる」ってめっちゃ大事なことです。
食って尊くてありがたいことで、生きるためには大事なことっていうことを感じてもらえたら嬉しいです。

感謝して、美味しくいただきましょう!
みなさんの日常が食事から、良い日常になりますように。

ご参加していただいた方ありがとうござました。

イベントのあとはお試しでシンクルームを使って、お経をよみました~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?