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仏道、念仏道

京都の東山に法然院というお寺があります。法然院は、法然上人が修行をされたとされる地に浄土宗の僧堂として建てられ、かつて大勢の僧侶が修行していたことから、その住職は特別に貫主(かんしゅ)と呼ばれています。色々あって浄土宗を離脱して単立寺院となってからも、先代の橋本峰雄師、そして現在の梶田真章貫主まで、美しい境内の伽藍や庭園のみならず念仏道の法灯はしっかりと受け継がれています。

ちなみに先代の橋本峰雄師の著書『宗教以前』は古いながら色褪せないPost-religion本としてオススメです。

基本的には檀家寺として葬儀や法事でお寺の日々の営みは回りながらも、梶田住職が参拝者に向けて開く法話の場は年間400回を超え、また様々な勉強会や文化的な催しも積極的に開かれています。そんな法然院は、銀閣寺〜哲学の道エリアの隠れた名刹として、観光客のみならず、「白足袋族」に複雑な感情を抱きがちな地元の京都市民にも尊敬され、また「料理人に人気のレストラン」ならぬ「宗派を問わず僧侶に密かに人気の寺院」でもあり、京都内外から僧俗問わず多くの人が訪れています。

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