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「死んでチャラにするしかない」教員を目指し大学に進学した私は、400万円の奨学金に苦しみ続けている

「奨学金帳消しプロジェクト」には、自らも奨学金を返済しながら、他の人のためにもこの制度を改善したい、という思いを持って活動に取り組んでいる社会人メンバーが数多く在籍しています。今回は、高校教員として働いていた25歳女性、Aさん(仮名)に、自らの奨学金返済の体験を書いてもらいました。


 私は奨学金返済の当事者で、教員になりたくて私立大学に進学するために400万の借金をしました。私だけでなく兄弟3人も奨学金を借りていて、4人で合計一千万以上も借金をしています。

 保証人は父と叔父です。利子ありと利子なしの両方を借りていて、毎月約17000円が必要ですが、コロナにより失業中のため減額制度を利用し今は毎月約6000円を返済中です。20年で完済予定であと18年くらいかかります。

 本当は大学院に進学をしたかったのですが、これ以上奨学金を増やせないと思って諦めました。卒業後は教員になりましたが、体調不良で退職をせざるを得なくなり、退職後は返済にすごく困って、一時期は人にお金を借りてなんとかしていました。死んで奨学金をチャラにするしかないと思ったこともあります。

 失業や体調不良、家族の介護や育児などで奨学金返済が困難になることは誰にでも起こりえます。私も大学時代は借金であることを自覚しつつも、正社員として就職すれば問題なく返済できると思っていました。

 返済が困難になるだけでなく、人生をも大きく変えてしまうことがあります。返済に困らなくとも、卒業後に数百万の借金があると貯金や生活の負担になります。

 勉強をするために借金をするなんておかしいです。本来、奨学金は家庭環境や親の収入による格差や不平等を無くし、誰もが教育を平等に受けられるようにするものではないでしょうか。今の奨学金はほとんどが貸与型であり、ただの借金でしかありません。さらに、家族から保証人を出せなければ、保証会社を使うことになりさらにお金がかかります。生まれによって罰を課せられたようなものだと思います。

 奨学金は自己責任ではありません。親のせいでもありません。国や政治が生み出したものです。返済に苦しんでいる人と未来の子供たちのために奨学金という借金を帳消しにして、大学や専門学校の学費も無料にして欲しいです。教育にお金をかけられない国に明るい未来はないと思います。

(25歳、元高校教員(現在失業中)、奨学金借入額400万円)

<10月1日(土)オンラインワークショップを開催します>
奨学金帳消しプロジェクトでは10月1日の13:00から、奨学金返済中の人達が交流し、一緒に社会的な解決策を考えていくオンラインワークショップを行います。
イベント前半では、私たちが行ってきた、奨学金3000件アンケート調査の結果も報告する予定です。
日程:10月1日(土) 13:00〜14:30場所:オンライン(ZOOMを使用します)
内容:奨学金アンケート調査から見えてきた奨学金返済の実態報告
   奨学金返済中のプロジェクトメンバーとのワークショップ
対象:奨学金を借りている20〜30代の社会人
   奨学金問題に関心のある学生・若者
参加方法:こちらのフォームに必要事項を記入(後ほどスタッフがzoomのリンクをお送りします)

<メンバー募集中>
奨学金帳消しプロジェクトでは、いま一緒に活動するメンバーを募集しています。メディアに向けて自分の経験を伝えたり、調査の集計・分析をするなどの形で、奨学金制度の改善に取り組めます。詳細は、こちらの記事からご覧ください。


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