SFの魅力
sfの魅力はどこにあるのでしょうか?
ここでは敢えてsfと言う言葉が何の略かは明確にせずにおこうと思います。
あなたにとってのsfがサイエンスフィクションかもしれないし、スコシフシギ、スバラシクフシギかもしれません。
そして、あなたが思い浮かべているsfがどれであろうとも言える魅力は「自由」だと思います。
sfがどんなsfであっても、その作品がsfであると主張する要件は驚くほど少ないです。
恋愛が入る必要もなければ宇宙である必要もなく、登場人物が人間である必要もありません。
ここで自由は素晴らしい、よってsfは素晴らしい、と結ぶことも可能ですが。それでは自由主義的な価値観を無条件で肯定しているようでなんだかsf的ではないように思えます。
なのでsfについてもう少し掘り下げてみましょう。
sfと略される主要なものの一つ、「サイエンスフィクション」のサイエンスがそうであるように、sfがsfたる要因は表面的なものではなくその姿勢にあるのだと思います。
サイエンスは、数多の不思議な現象を観測し、仮説を立てて検証することで自らの体系に取り込んで成長してきました。その結果、今日のサイエンスは宇宙から細胞、人文科学にまで及びます。このある意味での節操のなさと全体を定義することの難しさはsfというジャンルのそれに似通っています。
定義することの難しさについて言及した直後ですが、sf全体を定義してみると「読者にもう一歩踏み込んでもらうこと」を期待した作品なのではないでしょうか?
その踏み込みは、ガジェットの魅力であるかもしれませんし、人間性とは何か?という問いかけかもしれません。
個人的にはぶっ飛んだ設定の中に筋の通った思想が存在するタイプの作品が好きです。
想像力の限界を超えてなお存在する普遍性を見せつけてくる感じです。
上記のような作品で最近ハマったのは「伊藤計劃トリビュート2」収録の「最後にして最初のアイドル」(草野原々著)です。
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