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会社の制度をつくろうとして玉砕したら、なぜ企業がロゴを離したのかとグロースハッカーとして大切なことが分かった

コロナ禍のゴールデンウィークも終盤に差し掛かりました。今年のGWは恐らくいつものGWとは違う日々を過ごしている方も多いと思います。

そんな中GWを延期している人も一定数いると思います。

十人十色の働き方を提示し続けているサイボウズの例ですが、この制度めっちゃいいと思いました。

なのでうちの会社もこの制度を取り入れましょう!と提案しました。

結果としてこの制度を実現することは出来なかったのですが、それ以上に学べたことがあったのでアウトプットします。

GW延期のメリット

メリット1:感染拡大の防止
このご時世外出や旅行も出来ないし、感染拡大防止のためには出来る限り家で過ごしているのが一番です。大げさかもしれませんが、家にいるだけで誰かの命を救っていることになるかもしれません。

メリット2:経済活動回復時の促進
コロナの影響で様々な業界にマイナスの影響が出ています。いつになるかは分かりませんが徐々に経済活動は回復していくと願っています。そんな中、コロナ明けに休日を取得することが出来れば、高々社員数人程度ではありますが、ちょっとでも経済を回すのに貢献できるかなと思いました。

メリット3:社員個人としては嬉しい
事前に数人程度、一般社員からマネージャまでこの制度の導入についてヒアリングをしたところ、制度を運用する上での課題等をフィードバックいただくこともありましたが、基本的にどの社員からも反対意見はありませんでした。

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提案準備:会社の制度について調べる

うちの会社はいわゆるカレンダー通りの休日。勤務日と休日を入れ替える「振替休日」の制度はあるのですが、基本的にはどうしても土日じゃなければならない業務にのみ利用可能です。こういった制度があるからこそ、不用意な休日出勤等が発生せず、働きやすい環境が整備されているので、良いルールではあるのですが、今回もしかしたらこれに引っかかるかもしれないと思いました。

また、おそらくどの会社も「就業規則」なるものがあると思います。ここでもやはり時間外労働や休日勤務に関する取り決めがしっかりとありました。こういう取り決めがあるからこそ、法律遵守の働き方ができているのですが、ここでの取り決めもGW延期を考えるともしかしたら引っかかるかもしれないと思いました。

社員ヒアリングの際に明らかになった問題点や、制度・規則上ひっかかりそうな点、その他ド素人ながら労働基準法もちょっとだけかじり、最終的には以下のような提案をしました。

GW期間中の平日を通常の勤務日として出社可能とする
└法定休日を担保すべく、期間中でも土日は休日(振替出勤可能日は4/29,5/4-5/6)
└原則はカレンダー通りの休みだが、本人の希望がありかつ上長の承認が得られた場合のみ適用可能(上長からこの制度の適用をメンバーに持ちかけるのは禁止)
└コロナ明けの目処が立っていないが、休日を取らず終いになること防止のため、一旦の期限として振替休日を8月末までに取得。

※最終的に実現に至らなかったため、上記が色々なルールをクリアしているかは不明です。

提案してから4時間後、あっけなくNGが出て終了

上記で提案しましたが、以下の理由でNGとのことで、今回の取り組みは幕を閉じました。

最大のNG理由 社員個人都合レベルが強すぎる
メリット1で提示した「感染拡大防止」やメリット2で提示した「経済回復への寄与」のレベルでは、GWを延期することは「社会的な意義がある」と言えるレベルには及ばない。また、社会と個人だけでなく、企業や顧客へのWin-Winを作ることができるかと言うと現状できないため、どうしても個人的な都合要素が強いためNG

一人ひとりがおうちにいることが実はすごい社会的な意義があるんだ!という見方もあると思いますし、今でも自分はほんの少し日常の何かを我慢することが、誰かが命を失ってしまうきっかけを小さくしていると思っています。

ただ会社の判断も間違ってはいないと思いますし、何よりも自分はこの活動を通じてすごく大切なことを学べたと思います。

今回学べたとても大切な視点とマインド

①Win-Winを提供するのは会社と組織、個人だけじゃない
今回の提案がNGとなった理由を聞いて、一番自分に欠けていたのは「顧客」や「企業」とのWin-Winが築けているかという視点でした。今回の提案は、

社員個人:Win
社会全体:Win
企業(会社):どちらでもないorややLose(社員や社会への価値提供はできるが、管理工数等が増えてしまう)
顧客:どちらでもないorややLose(これといってプラスは無く、強いて言えば担当に休まれてしまって追々スケジュール調整とかをしなければいけないかもしれない)

となっていたと思います。社員と社会にWinを提供するだけで、会社もWinになるでしょ、と思ってたのですが、そううまくは出来ていないみたいです。

②規則とか法律ってすごくちゃんと出来ている
もちろん全部完璧に理解したレベルではないですが、就業規則や労働基準法をアタマからケツまで全部読んだのは今回が初めてでした。

これすごくちゃんとできてる!と実感。ものすごく当たり前のことを言いますが、ちゃんと労働基準法を遵守するように就業規則が出来ているし、その就業規則がちゃんと機能しているからこそ、我々労働者が不当に扱われないようになっています。

自分は入社したときから休日出勤や長時間の残業に無縁だったのであまり実感は無かったのですが、改めてルールや制度構築、そしてその浸透ってすごく重要で大変だと思いました。

③「現状維持」or「良くなる」だけで「悪くなる」ことは早々ない
そして何よりも一番学べたことはこれです。
今回GWの延期を提案しましたが、結果GWは延期出来ませんでした。つまり通常通りです。
もしGW延期を提案していなくても、通常通りです。

今回のチャレンジは失敗だった訳ですが、悪いことは何も起きていません。強いて言えばヒアリングや提案に使った時間ちょっと失ったくらいですが、各所の意志決定が早かったのもあり微々たるものです。

もちろん世の中には失敗すると損失を被る可能性がある等、悪いことが起きる挑戦もあると思います。
そこは要見極めなのですが、以外にも世の中を良くするための挑戦は、悪いことが起きない挑戦が多いなと思いました。

例えば、ソーシャルディスタンスを啓発するために、企業のロゴなどの間隔を広げる取り組み。

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(画像引用元:https://www.cnn.co.jp/business/35151495.html

これも最初見たときはダカラナニ?みたいな感じでしたが、これをみた人が一人でも意識してくれれば、もしかしたらちょっとだけ感染拡大を抑えることが出来るかも知れません。
そして、残念なことに仮に誰も意識しなかったとしても、このロゴを作ることを起因として何かが悪化することもありません。(強いて言えばデザイナーの工数がちょっと掛かるのでそれとのトレードオフ)

Be Active! For the Growth Hack.

ここに来ての自己紹介となりますが、自分は現在WEB広告企業のグロースハッカーとして働いています。
「グロースハッカー」がどういう職種なのかは正直未だこれと言って世の中的に定まっていませんが、自分はBiz/Dev両方の視点を持って「会社」「組織」「サービス」の成長を加速させる役割と定義しています。(組織によってはLPOやABテストのスペシャリスト=グロースハッカーと定義しているところもあるので、一概にこれが正しいという訳ではありません。)

そしてこの役割を全うするためには、どんどん先進的なことを推し進めていく必要があると感じました。
特に、今のようなご時世を過ごして分かったことは「やってみないと分からないことはたくさんある」ということです。
それをやることのメリットは何なのか、リスクは何なのか、それを充分考慮しつつ、Activeに成長を加速させる、それがグロースハックへの近道なのだと思いました。

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