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「てんつくマン」の二人の天使

 軌保博光(のりやす ひろみつ)氏は、日本の映画監督であり、路上詩人であり、元お笑い芸人である。2002年以降はてんつくマンの名義で活動している。「てんつくマン」と改名後、「天国を創るニューヒーロー!?」と名乗る。NGO「MAKE THE HEAVEN」を結成し、環境保護活動を始める。映画『107+1~天国はつくるもの~』を製作し、以後2年間で観客動員5万人を突破する。地球温暖化防止を掲げ、飛行機をチャーターして中国で植林事業を行うNGO活動を発足。地球温暖化防止を呼びかけた「豪快な号外」を発行。全国の中学校や高校にて、自身の「動けば変わる!」「一人ひとりの力は微力だけど、無力ではない!」という理念について面白おかしく講演活動も行い、話を聴いた生徒や教師に感動を与え、絶賛されているそうだ。

 このてんつくマンがメールマガジンに載せた物語「無力と微力の天使」というストーリーが素晴らしいので、ぜひ紹介させていただきたい。


 その街に二人の天使が舞い降りた。天使は十月十日眠り続け、目を覚ますと自分が天使であることを忘れていた。天使が舞い降りたその街はゴミだらけだった。あまりものゴミの多さや人の心に天使は悲しくなった。
 
 一人の天使は自分を「無力」と呼び始め、もう一人の天使は自分を「微力」と呼び始めた。無力の天使の口癖は、「私だけがゴミを拾ってもしょうがない」 微力の天使の口癖は、「私は私が出来ることをやってみるわ」 無力の天使はゴミだらけの街を見て絶望を感じ、街から目をそらして毎日空をながめていた。微力の天使は一度は絶望を感じたものの、一日一個、ゴミを拾い始めた。

 一年後、無力の天使は空の素晴らしさをいっぱい知った。朝日の美しさ、夕日の美しさ、虹がかかった時の素晴らしさ。一年後、微力の天使は微笑んだ。街から365個のゴミが無くなった。それから一年、さらに無力の天使は空の素晴らしさをいっぱい知った。空や雲の変化を面白いなと見つめていた。その頃、微力の天使は毎日「ありがとう」って言いながら毎日を過ごしていた。それは、微力の仲間がいっぱい増えたから。「一緒に拾うよ、私の力も微力だけど」 10人の微力達が一緒に拾った。一年たったら3650個のゴミが無くなった。

 それから一年、無力の天使は空の美しさだけでなく、街の美しさにも気づき始めた。街がピカピカになっていた。なんと、街では1000人がゴミを拾っていて、一年間で365000個のゴミが無くなって大変の意味が変わっていた。微力の天使は言った。「始めはゴミを拾うのは大変でした。でも今は、拾うゴミを見つけるのが大変です。」 この街はある日から、ゴミを拾う人も増えたけど、ゴミを捨てない人も増えた。あの人が拾っているゴミは私が捨てたゴミ。私はゴミを拾うことは出来ないけれど、ゴミを捨てるのをやめよう。微力の天使は誰も否定をしなかった。微力の天使は自分が出来ることをやっただけ。無力の天使の心に変化が生まれた。無力の天使の心から絶望が消えていき、無力の天使も「ありがとう」を言った。ゴミを拾ってくれてありがとう。 お礼に無力の天使は微力の天使に空の美しさを教えてあげた。

 次の日、二人の天使はゴミを拾った。正式には、ゴミを探すために歩いた。しかし、ゴミは見つからなかった。夕方になると、空がピンク色になった。素敵な空を見ながら、二人の天使は幸せを感じた。ぴかぴかの街と、美しい空を見ながら 二人の天使は二つのことを学んだ。自分を無力という天使は言った。「あなたが動いてくれたから、この街は天国になったんだ。天国は動いたら創れるんだね。」 自分を微力という天使も言った。「私は下ばかり見ていたから空の美しさを知らなかった。でもあなたが空の美しさを教えてくれたから気づけたことがあるよ。それはすでにここは天国だということ。」

 今はすでに天国 。そして、動けばさらに天国が増える。二人の天使は少しだけ自分の背中に翼があることに気づけた。あなたは天使だよ。あなたこそ天使だよ。みんな天使だね。

 この言葉を読んでいるあなたも天使。そう、みんな天使。

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