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ELLEGARDENは今も同じ場所で鳴り続けてる

先月の話にはなるけれど、ELLEGARDEN “Get It Ge It Go! Summer Party”の名古屋公演に参加してきた。
活動再開してから悉くチケットも外れ、まぁ当時からこんなもんだったよな、と半ば諦めかけていたところにまさかの当選。
神様がようやく、「いま、ここだよ」と道を示してくれたような感覚で参加してきました。
この記事は半分くらい自分の備忘録のような、自分の心の中の整理の意味合いが強くなるかもしれないけれど、記憶を残しておきたいと思い書き記しています。

少しだけ昔の話をすると、自分がエルレを知ったのが高校1年の時で、友達経由で知ったのと、当時バンドを始めていたので聴くきっかけとなった。
それまで流行りの歌くらいしか聴いてなかった自分にとって、メディアに出ない、またインディーズという存在のアーティストに出会ったのはなんだか、自分だけの宝物を手にした気分だった。

バンドでもエルレのコピーをたくさんしたし、ほんとDVDなんかも擦り切れるほど見てた。
そんなエルレ漬けだった高校3年生になった直後、突如活動休止を知る。
HP上でその旨の文章を読んだ当時、ちょっと文の意味が分からなくて理解するのにしばらくかかった。好きなアーティストが活動を休止する、ってのが初めての経験だったので、どう心を整理して良いか分からなかった。
何日か経ってようやく理解することはできたんだけど、受け入れられはしなかった。これだけ自分の生活を支配していたバンドなのに、いなくなってしまってこれからどう生きればいいんだと。
エンジンなしで走れと言われているような気分だった。
そんな高校生活にも終わりが来て、そのまま大学へ。色々な思い出写真と一緒に、僕とエルレの大切な思い出たちも卒業アルバムにそっと閉じて、いつしか部屋の片隅で古ぼけていった。

2018年に活動を再開した時は本当に夢かと思うほど歓喜すると同時に現実味が無く、数ある「ニュース」の一つとしか捉えられなかった。情報として知ったけど、まだ「体験」をしてない。やはり思い出を更新するためには体験が必要だ。

昨年、16年ぶりの新曲がリリースされた時は、ようやく自分の中で直にエルレを「体験」するきっかけとなった。
そうして迎えた先月のライブ。思えば自分のライブハウスデビューは高校2年の時にみたエルレのライブだった。酸欠で意識が飛びそうになったし、翌日両腕は上がらなくなってしまったけど、ただただ楽しい思い出だけが残ってた。
そんな大切な思い出をくれたバンドはこの日、あの頃とは比べ物にならないくらいの大きな会場で演奏する。
あの時とは物理的にも、また心理的な距離も遠くなってしまった気がするけど、心の奥底に抱いている感情はあの頃と変わらずひとつだ。

一曲目の「Breathing」が始まって4人がステージに立っている姿を見た途端、思いがけず熱いものが頬を伝った。
活動再開から5年、本当に帰ってきたんだとやっと実感することができた。
昔の曲が演奏されるのを聴いていると、エルレの楽曲がいかに自分の学生時代の記憶と深く結びついているかを思い知らされた。
真夏の部活の土曜練の後、友達と駄弁ってた何気ない時間、下校の時自転車を漕ぎながらみた綺麗な夕焼け、好きな子に彼氏がいるのを知って叫ぶように帰った日、大学の軽音部の卒業ライブで最後に演奏した時の光景。
もうすっかり手垢がついて、日にも焼けてボロボロになってしまった記憶のアルバムに、「父親になった自分が16年ぶりにかつての青春のバンドを見た、何でもない夏の日」が追加された。

エルレの代表曲の一つ「Make A Wish」では道のことを「Path」と表現している。
新曲の「Mountain Top」でもPathという歌詞が出てくる。
かつてそれぞれの方向に伸びていった道は、やっと繋がって一つになった。
少し乗り遅れてしまったけど、これからは僕も一緒に歩んでいく道だ。
記憶の終わりに別れを告げて、新たに歩き出す時なのである。

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