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ルーマニア・マラムレシュ旅行記

2023年11月にルーマニアのマラムレシュ地方を訪ねたので、備忘録を兼ねて、旅行記を綴ります。



ルーマニアは、たまたまご縁があり、2023年〜2024年初めの約一年間滞在していました。

そんなルーマニア生活の中で、あちこち旅行に行きましたが、その中でも「これが私のイメージしていたルーマニアだった!」という印象だったのがマラムレシュ地方。

マラムレシュ地方って?

マラムレシュ地方とは、ルーマニアの北西部に位置し、ウクライナと国境を面しています。豊かな自然と古い伝統が残る地域で、まさにルーマニアの古き良き田園風景が広がっています。

共産主義の時代にも産業化の波に飲み込まれなかったそうです。

マラムレシュの県とはバヤ・マーレという都市。ルーマニアのその他の主要都市からの公共交通機関のアクセスはあまり良くないので、今回の旅はレンタカーを利用しました。

マラムレシュの宿

今回の旅では、Booking.comで見つけたペンションカーサムンテアンというファミリー経営の宿に泊まりました。

予約の決め手は写真で見たお部屋のかわいらしさ。実際に案内されたお部屋もとっても可愛らしく、こじんまりしてはいたものの、清潔感もあり、暖かく寛げる素敵な空間でした。

お土産屋で良く見かける布やお皿のディスプレイの参考になるようなお部屋

また宿で振る舞われた食事も絶品。チョルバと呼ばれるルーマニアの伝統的なスープ、サルマーレというロールキャベツのような料理やミチと呼ばれるお肉のグリルなど、The ルーマニアディナーを堪能することができました。

また自家製というアップル酒、チェリー酒もご馳走になり、大満足の晩ごはんでした。

マラムレシュの木造教会群

そんなマラムレシュで訪れた場所の1つは木造教会。私が訪れたのは、サンプツァ・ペリという街にある木造教会ですが、マレムレシュの独特な木造教会群は世界遺産にも登録されているそう。

木造教会へと続く道

ドライブをしている間にも、いくつか特徴的な形の木造教会を見かけました。訪れたのが日曜日だったので、教会の中ではミサが行われており、外にも聞こえるお祈りの声や讃美歌の音がとても幻想的でした。

サンプツァの陽気なお墓

そして、今回の旅の一番の目的だったのが、サンプツァにある陽気なお墓。ここは、ルーマニアの観光地で検索すると、日本語でもたくさん情報が出てくる人気の観光地です。

日本人の感覚からするとお墓に観光に行くなんてと少しびっくりしてしまいそうですが、ルーマニアの人もたくさん観光に来て、写真を撮ったりしていました。

このお墓のユニークなところは、その人がどんな職業だったか、どのように亡くなったかが絵で表されているところです。

ルーマニア語がわからなくても伝わってくる
きっとお酒好きな人だったのかなと親近感が湧く
中には物騒なストーリーがありそうなお墓も

ルーマニア語がわかる友人にお墓に書かれている文字を読んでもらったところ、絵だけでは伝えきれないような、その人がどんな性格だったかまで書かれているそう。

全然会ったことない人でも、親近感が湧いてきたり、どういう生き方だったのだろうと思いを巡らすことができるので、きっとここに住んでいる故人と親しい人やご家族にとっては、亡くなった愛しい人を感じる大切な場所なのだろうなと感じました。

お墓の周りは、さすが観光地なだけあって、お土産屋さんがたくさん立ち並んでいました。ルーマニアでは、なかなか素敵なお土産を探すのが難しいと感じていたのですが、この辺のお土産屋さんはクオリティが高く、可愛い刺繍やハンドメイドの商品が売っていました。

共産主義犠牲対抗者記念館

そして、最後に立ち寄った場所がシゲトゥという街にある共産主義犠牲対抗者記念館です。

ルーマニアは、1947年から1989年まで共産主義の国だったそうですが、この記念館は、当時共産主義に対抗した人たちが捕えられていた収容施設を改装した記念館で、ルーマニアの共産主義への対抗の歴史が学べます。

冬の寒さの厳しい時期にはとても冷えそうな建物

展示内容もとても充実していて、施設での暮らしぶりがとてもよく伝わってきました。中には、詩人が独房で綴った詩や、医者が包帯に書き綴ったメッセージ、捕らわれた妻のために夫が差し入れの石鹸に綴った愛のメッセージなどが展示されていました。

展示はかなりのボリュームで、特にルーマニアの地方の町や村で、どのような抵抗運動が行われていたのかを知るには、とても良い施設だと思います。歴史に興味がある方にはとてもおすすめです。

ルーマニアを深く知りたい人におすすめ

今回訪れたマラムレシュは、ルーマニアの中でも、古くからのディープな暮らしを味わえる地域でした。

ドライブ中に羊の大群に行手を阻まれることも

日本から来る人はなかなか少ないルーマニアですが、せっかく来るチャンスがある時には、ぜひマラムレシュも旅の候補地に入れてみてください。

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