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-雑談-古典学習を考える②(科目選択制の考察)

「“”手に“”論文を書く」人、“勝小”です。
(当noteの前提・諸注意等については、こちらの投稿をご参照ください。)

前回のまとめ

私の結論(仮)
・高校における古典学習者ゼロは困るが、全員でなくても良いのでは

その理由
・古典及び古典に付随する文化芸能の衰退・消失が懸念される(肯定面)
・しかし、全員に学習を強制させるほどの理由は“まだ”薄い(否定面)
(学習時間に制約がある以上、学習科目・範囲の取捨選択は避けられない)

なお、前回の投稿はこちらです。

高校学習の選択制を考える

今回は少し「古典」からは離れ、古典に限定しない議論をします。
私は古典問題の本質は、「古典学習の意義」よりも「高校における学習期間の制約」と「学習量の増加」にあると考えています。

(実際に採用されることはないとは思いますが、)高校生活の自由度を少し高めることを提案します。

網羅的に調べてはいませんが、その前提となる条文等は以下です。

雑03.古典02

雑03.古典03

雑03.古典04

つまり、
・高校卒業に必要な単位(74単位)のうち、半分近く(36単位)は在籍高校以外の授業の履修(ボランティア活動を含む)が認められる。
・高等学校卒業程度認定試験の合格科目は当該試験合格をもって単位取得が認められる。

ことが、学校教育法施行規則で定められていると解釈しています。
(立法趣旨等まで理解しているわけではありませんので、その他法令等にて別途制限・条件等が課されているなどの場合には、上記解釈に不足・誤りが含まれる可能性がある点、予めご容赦ください。)

勝小による勝手な提案

このような高校はどうでしょうか

<出席・時間割>
・必修科目(+α)は在籍高校で受ける(38単位以上)
・その他学習範囲は、生徒各自でカリキュラムを決められる余地を与える
・在籍高校で対応できる授業がない場合、他校の授業をオンラインで受講可能とする
・必修科目であっても「高等学校卒業程度認定試験」に合格すれば、当該科目は出席省略を認める

(もちろん、在籍高校での必修授業もオンライン受講を否定するものではありません。あくまでも、“他校の”授業にオンラインで参加することを追加する趣旨です)

<放課後(部活動)>
・部活動の参加は任意(あるいは廃止)
・本来部活動に充てていた時間は、生徒自身の自己学習の時間とする
(校外(塾を含む)での学習も、ボランティア活動も認める)
・部活動を希望する生徒は、学校単位又は地域単位で参加できるようにし、適宜学校設備の使用を認める。

従前、高校は中学校に近い形態が多い印象が個人的にはありますが、義務教育かそうではないかという意味で言えば、大学に近い形態にしても良いのではないかという発想です。

雑03.古典05

雑03.古典06

※科目選択(カリキュラム構成)については、
・上記のような希望進路に合わせた標準カリキュラム
・可能な範囲で幅広い科目を受講できるようなカリキュラム(MAX)
・高校卒業を最低限クリアできるカリキュラム(MIN)
等のベースカリキュラムを基本としてそこから各自組み替えることができることが理想かと思います。

期待される効果と想定される課題

雑03.古典07

一番の狙いは、「生徒側に学びの自由度を与えること」と「学校(教員)側が確保しなければならないリソース(指導力)の最低ラインの引き下げ」です。

前者はそのままの意味です。
後者を古典教育を例として挙げると、現行では各高校に古典を教えられる教員を置く必要があったものを、仮に古典を“必修科目”ではなく“その他選択科目”とすると、以下の効果があると思います。

・学校に古典を教えられる教員がいなくても良い
・古典に対する指導力の高い教員の指導を多くの生徒が受けられる

例示として古典を挙げましたが、他教科でも同様かと思います。
「□□(科目・分野)の指導は得意。一方で●●(科目・分野)は教えられなくもないが、得意ではない。」ような指導者Xは、得意分野に特化した指導(□□)に専念し、当該指導者が得意ではない指導領域(●●)が得意な他の指導者Yにその分野を指導してもらう方が、指導者及び生徒双方にとっても望ましい結果が得られる可能性があります。
(指導者Yによる●●教科の授業を指導者Xが生徒と同時に受けて、その指導法を学習する機会とすることも可能になります。)

その他の効果
・既定の枠組みに合わない生徒に対して適合する可能性がある

・各生徒の個性を伸ばすことが期待される(出る杭を叩かない)

・教員側の負担軽減が見込まれる(部活顧問からの解放や担当授業の低減)

課題
・生徒に選択肢の幅を与えているようで、実は将来取り得る選択肢を狭める可能性があるため、在学中の進路変更については相応の柔軟性の確保が必要

・選択科目間で生徒に対する“人気取り合戦”が生じる場合、学習初期段階のハードルが高い科目程不人気となる可能性がある。

・高校間の収益分配ルールの設計や、各高校における持続可能な収益モデルの設計/維持

勝手に考える選択制授業

それは、「古典学習」に限らず幅広い科目で選択制とすることです。
(続きは次回更新とします。)

※例示で多少触れただけで、本当に今回は「古典」関係ありません。

あとがき

ここまで書いてしまったので、そのまま公開し続けますが…
上述の可変的なカリキュラム関連の話は『N高等学校』さんで概ねベースが出来上がっているのかも知れませんね(詳細までは調べていません)。
既存の高校がN高等学校さんと提携したり、対抗して新たに参入したりすると、高校間で適度な競争が生まれて良い影響を与えるかもと思いました。

※私自身はN高等学校さんとは無関係です。また、同様の高校もあるかもしれませんが、私が網羅的に調べ切れているわけではないことをご了承ください。

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