素敵な歌詞 パート1 卒業 斎藤由貴

やめて 想い出を刻むのは
心だけにしてとつぶやいた


斉藤由貴さんの曲、「卒業」。
「卒業」というタイトルだけあって、
なんとなく「仲間との別れ」、「学校を離れる寂しさ」を歌った曲だと
ばかり思っていました。

「やめて 想い出を刻むのは 心だけにしてとつぶやいた」
この歌詞に目を向けたときに、それは違うと気づきました。

学生時代の想い出は尊い。。。
学生時代を振り返るとそう思います。
いや、学生時代ですら、なんとなくそう感じていました。
学校で友達と話し、授業を受け、部活動をして帰る。
何でもないといえば何でもない日々だけど、
「自分が大人になったときに、あの頃は良かったなとか、
思うんだろうな、きっと」
そんな根拠のない確信が学生時代ありました。

そう考えると、本来、学生時代の想い出は
教室の机に刻みたくなるようなものなのではないかと
思うのです。

でも、この歌詞は違いました。


想い出を刻むのはやめて 心だけにして。

「卒業」というタイトルとの矛盾をそこに感じました。
この矛盾というべきか、違和感というべきか、を感じたとき、
曲の見え方が、がらりと変わってしまいました。

想い出を刻んでほしくない。それが儚いものだと分かっているから。

この曲が、そう訴えかけてくるような気がするのです。

そう思いながら歌詞全体をみると、
1人の少女が、気になる彼を想いながらも、
それが叶わないことを、どこか悟っている。
そんな切ない歌詞だと気づきました。

この曲にとっての「卒業」は、
ただのシチュエーションに過ぎない。
本質は別にある。
そんなことを思いました。

そう考えると、最後の歌詞も、
より心に入ってきました。

ああ 卒業式で泣かないと
冷たい人と言われそう
でも もっと哀しい瞬間に
涙はとっておきたいの


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