佐藤 将(さとう しょう)

佐藤 将(さとう しょう) 連載コラム:ニッポンが世界を元気にする  株式会社ジェイフ…

佐藤 将(さとう しょう)

佐藤 将(さとう しょう) 連載コラム:ニッポンが世界を元気にする  株式会社ジェイフィール

最近の記事

Your Tale 〜まだ先の長い旅の中で〜

果てしないと思っていた この地球(ほし)が あと30年間 もつかはわからないけど 僕らには まだできることがあって まずできることがあって ************** 「自分らしさを取り戻せたから」 メガベンチャー人事部に勤めるKさん。入社5年目。周囲を明るくする元気キャラで、採用や組織開発の分野でご活躍。でも、J-スクール受講後のコメントは意外だった。 「普段、会社では会えないような人たちと対話して」 「自分の良さや自分らしさを受容してもらい」 「自分の強みや可能

    • Your Tale  ~やさしさ故の物語~

      『みんなやさしいのですね』 Jスクールを受講したWELgee(難民支援NPO)のインターンだった大学生、久留島さんのコメント。 「自分がなぜ難民の方にコンパッションを感じるかわかって」 「最終日、一人ひとりの発表を聞いて」 「みんな、それぞれ、コンパッションの対象があって」 「以前は、なぜ多くの人が難民問題に無関心なのかわからなくて・・・」 「みんな冷たいなと思っていたけど」 「みんな、それぞれやさしい、というのがわかった」 「今後、どうこの問題を訴えていくか、方向性が変わり

      • この世界で見つけたもの

        レオナルド・ダ・ヴィンチの生家を訪れた時のこと。 フィレンチェから列車とバスを乗り継いで約2時間、 トスカーナの丘の上、 ヴィンチ村と呼ばれる小さな村からさらに徒歩で1時間、 ちょっとした山の頂にあった。 遠くにはアルプスの山々がそびえている。 眼下には、ヴィンチ村、 その先に、かつてルネサンスの中心であった、フィレンチェ。 (随分、遠いのだな・・・) 家に入ると、真っ暗な部屋で生い立ちビデオが上映されている。 日本ではあまり知られていない彼の幼少期。 (なんて孤独な幼

        • 今、現に、動かすもの

          数年前のこと。 今、流行のリバース・メンタリングではないが、 ある若者からとても大切な事を教わった。 それは、通っていたスポーツクラブでのこと。 「お笑い」を目指しながら、修行と貯金を兼ねて働いているという新人トレイナーさん。 まだ、現場に出て二週間足らずというのに、落ち着いた働きぶり。 何より真摯なスタンスが、動きや言葉のはしばしに現れている。 トレーニング後、感銘を受けたので訊いてみた。 「どうしてお笑いを目指そうと思ったのですか?」 すると、ムッとしたまま押し黙ってし

        Your Tale 〜まだ先の長い旅の中で〜

          いつかいた森

          「森と聞いてあなたが思い浮かべる森は?」 ――この世界、たくさんの森があるけれど、あなたが思い浮かべる森はどこの森ですか?その景色、その空気、そこにいた感覚を思い出してみてください―― 昨秋、はじめて『森のワークショップ』に参加する機会を得た。 集合場所は、京王線で新宿から50分の長沼という駅。 (意外に近いな) 集合時間ピッタリに着くと、参加者の皆さんが待っている。 (、、、) しばらく田んぼの中の畦道を通ると、小さな祠のある神社に着く。 山の麓、森のエントランス。 そこ

          なんか不思議な渋谷クロッシング

          『驚いた!この国の中ではすべてが順調にまわっている』 この二月(2013年)、国際的な経営学者、ミンツバーグ教授が来日した際の発言。来日したのは十数年ぶり、日本企業を褒める際は、いつも70年代前後(約半世紀前)の事例(自動車会社H社がはじめてオートバイで米国進出した時の成功例)まで遡ってしまうという”親日家”の、思わずのコメント。 『なんなんだ、この街のエネルギーは・・』 昔、海外駐在から帰国したばかりの日本人の方々に、「久しぶりの東京の印象は?」とお伺いすると、「内向きで

          なんか不思議な渋谷クロッシング

          ねえ君はもうグローバル以上

          「我が社の人材育成のあり方を抜本的に変えたいんです」と言う若手人事マン達と飲んだときのこと。 「上の世代にもっと期待したい事は何ですか?」と訊いてみた。 「・・・うん、そうですね、仕事だけでなく、人生に関するお話をもっと聞きたいですね」 「・・・どうして?」 「いや、自分は週末、海外の学生を日本企業に紹介するグローバル・インターンシップのお手伝いをしているんですけど(目がイキイキ)」 「それって面白そう」 「面白いっすよ。前に、ある学生が来たとき、日本でのホームステイ先が手配

          ねえ君はもうグローバル以上

          世界中からのハッピー・バースディ

          先日、シンガポールのアジアヒューマンキャピタル・サミットに参加したときのこと。 シンガポールだけでなく、世界中から集まった500人を越えるセミナー出席者が、一斉にハッピー・バースディを歌うという機会があった。それをコンダクトするのは、ボストンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者、ベンジャミン・ザンダー氏。 セミナー参加者の中から、誕生日が一番近い一人が選ばれる(恐らく20代後半の女性)。 1回目の合唱の後・・・ 指揮を取るザンダー氏から、「どこが一番、大事だと思う?」という質

          世界中からのハッピー・バースディ

          みんな、なにげにガンバっているから

          日本企業の管理職インタビューから抜粋... 「部下とのコミュニケーションですか?」、「いやー最近、時間が無くて」、「次から次にトラブルが起きるんですよ」、「一応、毎月チームミーティングはしていますが」、「目先のことに追われていて」、「指示は出してますが、フォロースルーはできていなくて」。「え、褒めたこと、ですか?うーん、ないですね」、「逆に叱ってばかりですよ」・・・ 一方、日本企業の若いメンバーたちの声は… 「え、褒めてもらったことですか?・・・」、「うーん、最近ないですね

          みんな、なにげにガンバっているから

          1/7000000000の奇跡

          中学時代に「How do you do」と習ったはずの挨拶の言葉を、はじめて海外で使ったのは、大学時代の事であった。最初、握手をするタイミングが、今一つわからなかった。小学生時代から左手はダメで右手で握手というのは知っていたけれども(侍ジャイアンツを見て)、どの間合いで、どのスピードで、どのくらいの強さでかがわからない。 数年後、南カリフォルニアの英語学校に遊学した時、いつの間にかそれを気にしていない自分に気づいた。新しく(これまでの自分の世界にはいなかった)人達と会うのが

          君島、漫画、ダメなんだってよ(序)

          グローバルリーダー育成や開発という言葉を聞いて、最近思い出したエピソードがある。 それは小学校4年生の時のこと。 ホームルーム(生徒主導の話し合い)の時間だった。 それが終わればすぐ放課後。 校庭でドッチボールができる。 (こころの声:ダッシュして校庭の良い場所をおさえなければ・・)。 その日の議題は、「学校に漫画を持ってきてよいか?」だった。 いわゆる少年ジャンプやマガジンなど、日本人男児にとってのバイブルの書。 学校に持ってきて回し読みするのが習慣になっていたけど、「

          君島、漫画、ダメなんだってよ(序)

          君島、MANGA、いいかもよ(破)

          それは中学2年生の時だった。 なぜか陸上部の夏合宿に参加した。 最終日の前夜、突如、誰かが、 「湖まで行こう」と言い出す。 (おい、本気かよ・・) (先生に見つかったらどうすんだよ・・) (何分歩くんだよ・・) (それに、外は真っ暗だよ、怖くねえか・・) (・・・) 「よしっ、行こうぜ!」。 2年生だけ5〜6名で、合宿所を抜け出す。 長野の高原の真っ暗な畔道を歩く。 「お〜怖え〜、オレ、帰るよ〜」、慎重な田中君が叫ぶ。 「おー帰れよー」・・・田中君、帰れるはずもなく。

          君島、MANGA、いいかもよ(破)

          君島、まんが、いきなり世界だよ(急)

          東京の地下鉄はその正確性で有名だけど、だからと言って、海外の地下鉄で起きる偶然のハプニングも悪くない。 その日、ロンドンの地下鉄は1時間近く立ち往生した。 初夏の金曜日、 夕方のラッシュアワー、 オリンピック準備のためという車内アナウンス。 でも、さすがロンドンっ子、 皆、何事も起きていないかの如く、 手持ちの本やキンドルに集中している。 ようやく動きだし、 ウインブルドン・パーク駅に到着する。 と同時に、一斉に降りた乗客が、駅の階段を駆け登る、 いつもより小走りで。

          君島、まんが、いきなり世界だよ(急)

          インサイドハート

          我々は、小さい頃から、いろいろな教育を受ける。 それは大人になっても変わらない。 そのすべてが悪いとは思わないけど、 その中で大切なことを見失ってしまうリスクがある。 その一つが、「自分の感情を感じる力」。 ****** かつて、「感情」(Emotion)は、悪しきものとされた。 それは、理性的であるべき人間を惑わすもの。 それは、動物から神へと近づくべき人間を迷わすもの。 それは、マス・プロダクション(大量生産)の生産性を狂わすもの。 それは、プロフェッショナルの

          ゼロから始める異次元モールス

          この世界のイノベーションは、二つのものが偶然にコネクトした時に起きるスパークのようなもの(新結合)なのだろうか。それとも、そのすべては、この宇宙が生まれた時からある「万有引力の法則」に従った結果にすぎないのだろうか・・・ ******** 先日、マイケル・スペンサー氏の音楽創造セッションを体験する機会に恵まれた(!!!) マイケル・スペンサー氏は、世界中で活躍する音楽家兼ファシリテーター。 ビジネスリーダーから子供たち、障害者の方にまで、「音楽を通して、人やチームの可能性

          ゼロから始める異次元モールス

          もう一つの、この世界 (1/3)

          まだ昭和という時代の事。 その日、旧い江戸期の建物を改造した日本家屋のお座敷で一人遊ぶ子がいた。 プラレールという鉄道のおもちゃに夢中になって。 ようやく完成したレールに列車を載せて動き回っていると、祖父が、襖(ふすま)を開けて入って来て、新しい歌を教えてくれた。 「どうして橋が落ちるの?」。 「お船が下を通るために、真ん中から開くのだよ」 「こうやってね」 そう言って、両手で橋が開く仕草をしてくれた。 数十年後、はじめて現地に行った時、それがロンドンブリッジではなく、タワ

          もう一つの、この世界 (1/3)