「並べない症候群」

評判の良いの定食屋,新幹線乗り場,役所窓口,スーパーの精算レジ,更にはディズニーランド.

日常生活の中で行列に並ぶ機会は非常に多い.
しかし列に並ぶのが非常にツラい方,苦手な方,言い換えるならば「並べない症候群」の人口は,日本の総人口の約4割を占めているとわたしは勝手に思っている.

だからこそ,列で待つ人々の心理的負担を減らすため,遊園地などでは列のカタチに工夫が施されているのだ.(それでも待てない人は多い.)

なぜ「並べない」のか

国内某所(心の中)で「並べない」理由についてアンケートを採った結果は以下の円グラフのようであった.

グラフ1:並ぶのが嫌いな理由

グラフから分かるように「待つのが嫌だ」というシンプルな理由が多い.ほかには「時間の無駄」「並ぶ行為そのものへの苛立ち」「夏だと暑さに耐えられない」などの意見も見られる.

並ぶときに全員に椅子が用意されていたらどうだろうか.座ってスマホで時間を潰していれば,スグに順番は回ってくるだろう.
しかし立っていてもスマホは使える.
だから待つのが嫌な人の「時間を無駄にしたくない」などの声は建前だ.

やはりというべきか「並ぶ行為」自体への嫌悪感が大きい.そこに理由や原因を見出すことは難しいだろう.

すなわち本能的に「列に並ぶ」が嫌いな相手に,「並ぶこと」を好きになる・好きになってもらいたいといった考えは,相手との関係性を悪化させる恐れすらある.

そして「並ばない症候群」へ

人間,ある程度の年齢になると自己分析,そして自分らしさの受容が出来るようになってくる.
「並ぶこと」でイライラする自分.
「並ぶこと」を我慢出来ない自分.

そんな嫌な自分に出会わない簡単な方法は,その状況下に自分を置かないことだ.

その無駄にするはずだった時間を,自分のモノにすることで,人は「並ぶ」機会を最小限にする.
人気な食堂に行くときはピークタイムを避ける.
遊園地や注目される店にはそもそも行かなければよいのだ.

但し,この「並ばない症候群」が悪化すると,「インドア大好きっ子ちゃん」に進化してしまう恐れもある.

時間を大切にすることは大切だが,外に出て他者や未知の文化や価値観,人々,仕事を見る機会を捨て去ることのないように気をつけなければならない.室内に居ては運動不足にもなる.
偶には列に並んで世間の評価の高いモノを体験するのも健康的だろう.

休みの日こそ,外出しよう.
美味いものを並んで食べよう.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?