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青春を殺せ!プレイアブル俺

先日サイレントヒルの「レッドピラミッドシング」について熱く語ったのだが、

その二日後に、かの人気ゲーム「Dead by Daylight」にキラーとしてレッドピラミッドシングの参戦が決定してしまったのである。

俺の罪がプレイアブル!

僕の知る限り、レッドピラミッドシングを操作できるというのはサイレントヒルの歴史では初だと思う。

さて「Dead by Daylight」に関して説明しよう。
これは4対1の非対称マルチプレイゲームだ。
1人のキラー(殺人鬼)が、4人のサバイバー(一般人)を追い回して殺す。
4人のサバイバーはキラーに殺されないように隠れたり逃げたりしながら、脱出ゲートを開くために発電機を5つ修理しなければいけない。

僕はもっぱらキラー側でプレイしている。
一緒に遊ぶ友達が3人もいないからではない。ましてや厭世的な僕の世界への破滅欲求の代替でもない。
決してそのような事実はありません。

「嘘つけ!」と言われたら「……はい、すみません。へへへ……」と俯いてしまうのは確かだが、しかしこのゲームには他の魅力がある。
読者の皆様ももちろん大好きであろうあのホラー映画の殺人鬼を、実際に操作して人を殺せるのだ!
主語がデカい? 気のせいである。
怯えながら逃げる一般人をうろうろと探す殺人鬼。マップにはロッカーというまたホラーでは定番なアイテムが置かれていて、そこに入ってるサバイバーは息をひそめて、目の前を通り過ぎるキラーがこちらに気が付かないように祈るしかない。
キラー側だとマジで見逃してしまうこともあるのだが、まあそれもお約束。

このゲームではオリジナル殺人鬼だけに留まらず、ホラー作品とのコラボも盛んだ。チェーンソーを振り回す「悪魔のいけにえ」のババ君、銃で撃たれてもびくともしない不死身なストーカー「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズ(ちなみに映画だと、人間であるはずの彼が不死身である理由は憎悪の塊だから、で片付けられてしまう)、寝てなかろうと爪で引っ掻いて無理やりサバイバーを眠らせるという原作もびっくりなメチャクチャシステムと共に実装された「エルム街の悪夢」のフレディ、あとなんかしゃがむことができる「SAW」の一般人
その他にも「ストレンジャーシング」からもゲスト参戦していたりするが、僕は観ていないのでよくわからない。
「死霊のはらわた」よりアッシュもサバイバーとして出演しているが、お前はどっちかっていうとキラーではないのか!?

そしてめでたくサイレントヒルコラボなので、僕はもう楽しみでしょうがない。今までポケモンという戦うペットの一匹であったピカチュウがスマブラで操作できるようになった喜びに近いだろうか? 違うかもしれないが、まー似たような感じですよ、多分。

この非常に楽しい殺人ゲーム「Dead by Daylight」であるが、リリースされてからずっと、とある問題で議論が起き続けている。
4人のサバイバーの連携である。
ゲーム内ではボイスチャットが実装されていない。味方がどこにいるのかわからない孤独感に襲われながらプレイしてもらいたいという運営会社の意図だろう。
だがSteamでもプレステでもフレンドを招待できる機能はあるのだ。
ここまで読めばおわかりだろう。外部のボイスチャットで話しながらプレイすればいいのだ。
僕は4人フルパーティーでやったことはないが、きっとこんな感じであろう。
「キラーがそっち行ったぞ!」
「わかった!俺が引き付けるから、そっちは発電機を直してくれ!」
「くそ、ダメージを受けた!真ん中の家の2階で隠れているから誰か治療してくれ!」
「ワハハハハ!一人も殺されずに脱出できたぞ!なんて弱い殺人鬼だ!屈伸して煽ってやれ!」

そう、密に連携を取られると生半可な実力じゃサバイバーに太刀打ちできない。
「殺す側」と「殺される側」がいつのまにか「いじめられる側」と「集団でいじめる側」になってしまうという逆転現象が起きてしまうのだ。
まさしく陽キャと陰キャの縮図、スクールカーストのゲーム化である。

YoutubeやTwitchでたまに他人のプレイ動画を観たりもするのだが、ある日とてーも僕には耐えきれない動画を見つけてしまう。4人パーティーでプレイしているなのだが、一人が女の子、のこり3人が男、というグループでキャーキャー遊んでいるのである。想像はしていたが本当に存在するとは!集団行動が苦手な僕にとって、そういった、いわゆる姫プというものはUMAも同然だ。

だが僕はどうすることもできない!最近は年老いてニルヴァーナも近くなってきたので、「チミたち若いネェ」で片付けてしまうこともできるがそれでもムカつく
僕のことを脱出ゲート前で屈伸して煽って馬鹿にしてきたあいつらは、僕が体験することがなかった青春の真っ只中にいるのか!楽しいか!?楽しいだろうな!!!
我、これより修羅に堕ちる。この手に宿るは『邪刀・ルサンチマン』
殺しが俺の青春だ!

だがよく考えてみてほしい。
田舎に来たイチャついてる大学生集団を突然よくわからん奴が殺して回る、というのがパニックホラーの王道ではなかろうか?

クライモリシリーズは典型ですね。

ホラー映画をあまり観ていない読者もなんとなく想像がつく程度にはテンプレートであろう。
こういう映画ではまず外で、えっと下品な表現は避けたいのだが、あのー、あれですね、野外で濃厚接触しているカップルから殺されていくのだ。

1人でプレイしているサバイバーを強化しろ!フレンドと遊んでいると何かデメリットが発生するようにしたらどうか!?と未だにコミュニティの議論は盛んであるが、しかしどうだろう。
複数人の青春真っただ中の男女を殺していくというシチュエーション、先ほどの逆転現象が一転、これもホラー映画ライクなゲームとしての没入感を高めていないだろうか?

連携のとれた4人全員を殺害することは生半可なものではない。
きっと僕がウキウキとピラミッド君を使っても、屈伸されて煽られた挙句に逃げられてしまうだろう。
だがもう一つ、ホラー映画のお約束をご存じだろうか?
エンディングでなんとか生還できた人々、だがまだ終わりではない!もう一人、殺人鬼がいたのだ!という不穏な雰囲気を残したままスタッフクレジット。またこういう映画の多いこと多いこと。コンティニューだ!

僕もどれだけ煽られようと「まだ恐怖は去ってないぞ!」と次なるマッチで憎き彼奴を追い続けなければなるまい。大ヒットしたホラー映画の続編が売れなかろうがダラダラと出続けるように!

頑張れ、殺人鬼!(と俺)

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