天皇杯2回戦

今年の天皇杯、ベルマーレにとって初戦の対戦相手はヴェルフェ矢板さんだった。

私がその試合当日、スタジアムには行けなくてもベルマーレな服装をしてたら、身近な人に「今日天皇杯?どこと当たるの?」と聞かれた。

「ヴェルフェ矢板さんだよ」「へぇー、矢板…ってどこにあるの?」

矢板市は栃木県にある。宇都宮と、かつてベルマーレが前身の藤和不動産サッカー部時代に本拠地にしてた那須(昔は郡だったみたいだけど、今の住所で言えば那須塩原市あたり)の間にある市。

ちなみに、この前日大ダービーで日藤(日大藤沢)と対戦した佐野日大がある佐野市は、同じ栃木県でも宇都宮から見て南西の、群馬寄りにある。高校サッカーでいえば、ヴェルフェさんがある矢板市には、矢板中央というサッカーが盛んな高校がある。

サッカーで地理にも詳しくなれる!(笑)


天皇杯は、ベルマーレが1995年1月1日に優勝した大会でもあって、ユニフォームのエンブレムの上についてる星の一つはこの時のもの。

ただ、優勝した一方で、大学生と対戦して負けてしまった悔しい経験もある大会。

でも、私がJリーグクラブと対戦する大学生の立場だったらワクワクすると思う。元ベルマーレで今は川崎さんにいる山根視来選手は、天皇杯の対戦相手だった桐蔭横浜にいて、ベルマーレとの試合でゴールを決められたのが未だに強烈な記憶として残ってる。

ベルマーレに入団して、味方になったらすごく心強かったけど、新体制会見の直前に自主トレでケガをしてしまって、松葉杖でその場に現れた時は本当に心配した。

その後復帰戦がいきなりのスタメンで、しかも大学時代とは違うセンターバックにいきなりコンバートされてた時には二度見してしまった。

そんな山根視来選手とは共通項があって、ベルマーレ在籍時にその話もしたことがあるけど、本当に気さくで偉ぶらない好青年だったのは今でも忘れられないいい思い出。


Jリーグクラブじゃないからとか、大学生だからとかで、格下だとは私は思わない。天皇杯に駒を進めてる時点で、そこで闘う資格があるからそこにいるんだと思うし、世の中に多くのサッカーをしてる学生や社会人がいる中でそこのピッチに立つというのは、とてもすごいことだから。

私もサッカーをしてきたけど、本当に小さい狭い世界でしかやってきてないので、天皇杯に出るという時点でもう素晴らしい。

とはいえ、サポーターとしてはやっぱり負けたくないとはもちろん思う。

ベルマーレが前に大学生に負けてしまった時は、その相手の大学が私にとってとても思い入れがある大学で、メンバーの中に少し知り合いの人もいたので、余計に複雑な気持ちもあった。


今回の矢板さんとの試合では、瀬川選手、永木選手、鈴木選手がゴールを決めて3-0で勝った。勝てたことにとてもホッとしたし、リーグ戦カップ戦問わず、ベルマーレが勝つということは本当に幸せで嬉しいことだとも思った。


レモスタ(レモンガススタジアム)に見に行った人曰く、「結果だけ見る印象よりは、ヒヤヒヤする場面もあった」ということだったけど、普段のリーグ戦とはまた違う顔ぶれのメンバーが勝利のダンスを踊る動画を見て、リーグ戦に出てようがカップ戦に出てようが、出番がたくさんあろうが少なかろうが、大切なベルマーレの選手であることに、みんな変わりないと強く感じた。


矢板サポーターさんが「湘南のサポーターさんは温かかった」「ベルサポさんは優しくて紳士的だった」と言ってくださってるのも目にした。逆にベルサポが「帰り際にたまたま矢板さんのバスが帰るところに居合わせて、手を振ろうとしたらわざわざ窓を開けて挨拶してくれて、本当にいい印象を受けた」という話もしてた。


サッカーを愛する仲間に、JリーグとかJリーグじゃないとか、何歳とか社会人とか学生とかは関係ないなと感じる。天皇杯っていいな、と思う。

私には、ベルマーレとの対戦をきっかけに、F.C.大阪さんやヴィアティン三重さんなど、それまで以上に注目するようになったチームもある。


「勝ててほんとに良かったよ」「やっぱり一番緊張するのは大学生との試合だね…」と言いながら、私も含めベルサポは、かつてベルマーレに在籍した選手や監督、コーチの活躍まで気にかけてる。

「京都さんで山﨑凌吾選手がゴールした!」「栃木さんでトカチ選手がゴールして、時崎さんに笑顔で飛びつきに行った!」とか。


私はトカチ選手のJリーグデビューを札幌で見た。トカチ選手がJリーグデビューするからと言うより、ベルマーレを応援にアウェイで札幌に行ったら、たまたまそのタイミングでトカチ選手のJデビュー戦だったんだけど、近くにいたベルサポさんが「ここ札幌じゃん?トカチ(十勝)使わない手はねーべ?」と言ってたら本当に途中で出てきて、北海道だなあとしみじみ感じたのを思い出す。

北海道でも充分に暑い一日だった。そしてその試合の結果は秘密…(苦笑)


栃木さんは監督の時崎さんも元ベルマーレで、選手としてもコーチや下部組織の監督としてもベルマーレにいたので、数試合前にイン→アウトを1試合の中で経験して悔しい思いをしたトカチ選手が結果を残して、一番に時崎さんのもとに一目散に走って行ったのには、胸が熱くなった。

栃木さんはベルマーレ繋がりの監督や選手がこれまでも結構いて、地域的にもベルマーレ(の前身の藤和不動産サッカー部)が拠点にしてた県というのもあって、とても親近感があるチームの一つ。その栃木さんの対戦相手だった岡山さんにも、ベルマーレの下部組織出身でベルマーレのトップチームにもいた河野選手がいるし、そういう意味ではいろんなチームを気にかけてるけど。


リーグ戦でも勝点を積み重ねて残留するのがとにかく目標だし、ルヴァンは今度またリーグ戦での対戦に続いてセレッソさんと当たるのでリベンジしたいし、天皇杯もリーグ戦みたいには中継を見るのは難しいかもしれないけど勝ち進みたいし、その試合ごとに出るメンバーは入れ替わるだろうけど、一人一人がケガなく一つでも納得行くプレーを多くできるように、信じて私もこれからも応援を頑張っていきたい。

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