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不採用になった?北朝鮮のストライカーMGSについて

 はじめに

北朝鮮は今から約3年前の10月10日朝鮮労働党75周年記念の軍事パレードを行いました、そこで登場した数々の新兵器のうち筆者の推しである北朝鮮版ストライカーMGSについてまとめと考察をしたいと思います




そもそもストライカーMGSとは?

M1128ストライカーMGSはアメリカ陸軍ストライカー旅団で運用されている装輪式自走砲であり、派生元であるストライカーAPCに105mm戦車砲を搭載した車両です。

この車両の任務は主にストライカー旅団における歩兵の火力支援をするために開発されましたが、しかし残念な事にアメリカ陸軍はシステム旧式化や自動装填装置の陳腐化を理由に2022年度で廃止を発表しました。

北朝鮮版ストライカーMGSを細かく観察する


この北朝鮮版ストライカーについて気になった点をいくつか上げたいと思います。

・搭載している主砲
・自動装填装置の有無
・砲塔の形状    
・レーザー検知器とペリスコープ

搭載主砲について

最初に搭載主砲についてですが、これは旧ソ連製のD-30 122mm榴弾砲だと思われますこの榴弾砲、北朝鮮ではVTT323装甲車を元にした自走砲であるM-1977とM-1985で使用されています。しかし本家ストライカーMGSは105mm戦車砲でしたが、何故北朝鮮は122mm榴弾砲を搭載したのか? これは単純明快で歩兵の火力支援のために榴弾砲を搭載したと思われます、115mm戦車砲や100mm戦車砲にも榴弾はありますが、威力や補給・整備面を考えて122mm榴弾砲を搭載したのでしょう。

搭載主砲の比較

M-1985自走砲

赤丸で囲った部分を見てもらうと分かりますがマズルブレーキと駐退機の形状が一致しています、 なので新開発の砲ではなく既存の砲の改良だ言うことが分かります。

自動装填装置の有無について

ストライカーMGSをコピーするにあたって1番の技術難易度が高いのが自動装填装置です。

まずは本家ストライカーの自動装填装置の構造について見ていきましょう。


コレがストライカーMGSの自動装填装置です、座っているのは砲手でその横にあるのが即応ドラムマガジンで、8発装填が可能で、このマガジンから尾栓まですくい上げるように装填していきます、発射した後の空薬莢は砲塔後部から排莢され次の弾が装填されます。そして予備のマガジンは車体後部に格納してありここから砲弾の補給を行います。このような複雑な機構を北朝鮮が開発出来るのでしょうか?新型戦車を作るより技術的ハードルは高いと言えるでしょう

後部の予備マガジン


砲塔形状について

砲塔はストライカーMGSと同じくオーバーヘッド式になっています砲塔リング下に車長と砲手が座る方式になっています。 この方法は装填手が居ないため自動装填装置を搭載しないとこの方法を取ることが出来ないため自動装填装置を開発した可能が高いです。

本家ストライカーMGSとの比較パッと見似ていますが北朝鮮の方が少し大きい印象を受けます

レーザー検知器とペリスコープについて

 
照準用のペリスコープと思われるものは、新型戦車(M-2020 )と同型の物が使用されています。しかし環境センサーは先軍号や暴風号と同じ物が使用されていました。このペリスコープや環境センサーは他国に類似する物がないため、北朝鮮独自に開発されたものだと思われます。

ストライカーMGSモドキのペリスコープ
新型戦車のペリスコープ


ストライカーMGSモドキの方が環境センサー
新型戦車の環境センサー



不採用の原因は?

2021年の軍事パレードにも参加したストライカーMGSモドキですが、それ以降パレードに姿を見せなくなりました。以下の理由により不採用もしくは開発失敗と考えています。


自動装填装置等の技術的課題を解決出来なかった

本車は砲塔形状からみて装填手が居ないため自動装填装置を搭載していると推測出来ます、しかし北朝鮮がそのような複雑な物を開発出来るのか?さらに主砲である122mm榴弾砲は分離装薬式のためアメリカ製の自動装填装置を単純にコピーと言うわけにはいきません、それを踏まえると自動装填装置等の技術的課題を解決出来ず開発中止もしくは停滞していると考えられます。


おわりに

記事を書くこと自体初めてなので色々おかしい部分はありますが大目に見てください…ということで、日本ではまともな解説がない北朝鮮版ストライカーMGSについて素人ながらまとめて見ました。読者の皆さんが北朝鮮軍の兵器について考察のきっかけになれば幸いです。





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