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産後ダイエットの教科書

とりあえず、現時点(2020/3/22)での、私の産後ダイエットに対する考え方を全て載せます。

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それでは本篇に入りますね!

もしあなたが、出産を経験した、もしくは妊娠中であれば、「産後ダイエット」と聞いて、違和感を覚えないのではないでしょうか?

世の中には、骨盤矯正や矯正下着、パーソナルトレーニングなど、産後ダイエットをうたっているサービスがたくさんあります。そのため、「産後はダイエットをしなければいけない」という認識をもっている人が多いです。

確かに、妊娠・出産を機に体重が増えて、戻らなくなっている人は少なくありません。

ただ、産後に妊娠前の体重まで戻すためには、一般的に行われているダイエットは必要ないのです。むしろ、産後にダイエットをしたばかりに、リバウンドして太ってしまい、そのままダイエットにはまってしまう人がたくさんいます。

はっきり言います。産後に骨盤矯正や矯正下着、パーソナルトレーニングなどは必要ありません。食事制限や筋トレなどもしなくても、自然と妊娠前の体重まで戻ります。

もちろん、妊娠中にお菓子を食べてダラダラ過ごし、産後も好きなように生活していては、体重は必要以上に増え、出産後も戻らないでしょう。

ただ、本当にちょっとしたことに気を付けるだけで、妊娠による体重増加は適正範囲に収まり、出産後もスムーズに体重が戻るようになるのです。

しかも、一般的なダイエットのように、食欲を我慢したり、時間がないのに運動を頑張ったりする必要はありません。むしろ、産後の生活が楽になり、あなた自身も赤ちゃんも幸せになりながら痩せる方法が、本当の産後ダイエットだと考えています。

この記事では、第一章で産後ダイエットを成功させる考え方の大枠についてお話しし、第二章で、一般的に言われている「産後ダイエットは半年が勝負」について理論的に解説します。そして第三章で、ちまたで流行っている産後ダイエットの是非について述べ、第四章で妊娠中から産後半年までの具体的なダイエット方法、第五章でみんなが気になるお腹の弛みを解消する方法について書いています。

この記事を読むことで

・産後は自然と体重は戻ることを理解、納得する
・妊娠中や産後に気を付けるべきことを理解、実践する

という2つの変化が起こるはずです。

また、これまで産後ダイエットを頑張ってきたのであれば、「こんなに生活が楽になるのか!」と感じられるでしょう。

ぜひ本書を有効に活用し、あなた自身はもちろんのこと、赤ちゃんも旦那さんも幸せになるダイエットに取り組んでもらえれば幸いです。

第一章:産後ダイエットを確実に成功させるポイント

あなたは、産後ダイエットに対して難しいイメージを持っていないでしょうか?

確かに、産後から太り始めて、出産がきっかけとなって痩せられなくなった人は多いです。

しかし実際には、産後ダイエットを成功させることは難しくありません。ポイントさえおさえておけば、産後は苦労することなく痩せられます。

そこで第一章では、「産後ダイエットを確実に成功させるポイント」について簡単にお伝えします。 

詳細なダイエット方法は後に記しますので、まずは第一章でダイエットを成功させるポイントの概要を把握してください。

産後ダイエットでは食欲コントロールが必須

産後ダイエットというと、

・パーソナルトレーニング
・糖質制限
・骨盤矯正

など、さまざまな方法が思い浮かぶのではないでしょうか?

そして大半の人は、出産後に「産後ダイエットを頑張らないと!」と考えて行動します。

しかし実際には、妊娠前の体重に戻るために、パーソナルトレーニングや食事制限、骨盤矯正などの特別なことは必要ありません。

産後は普通に生活していれば、自然と元の体重に戻るのです。

妊娠中に増える体重の正体

出産直前は、妊娠前よりも6~13キロ体重が増えます。中には「20キロ増えた」という人もいますが、大半の人は10キロ前後におさまります。

それでは、この10キロは何によって増えているのでしょうか? 妊娠中の体重増加の内約を以下に記します。

脂肪 3-4キロ
乳房 0.5-1キロ
子宮 0.5-1キロ
水分 2-3キロ
胎児、胎盤、羊水 3-5キロ

妊娠中に増える脂肪は3-4キロであり、その他は乳房や子宮、水分、胎児なのです。

半年で体重を戻すに必要なカロリー量

一般的に、妊娠中に増えた体重は半年以内に元に戻ります。また、体重を戻すためにパーソナルトレーニングや食事制限などは必要ありません。

例えば、妊娠中に10キロ体重が増えたとします。まず、出産に伴って胎児や胎盤、羊水がなくなるので、一気に3~5キロ落ちます。ここでは、わかりやすいように4キロ落ちたと仮定します。

つまり、あと6キロ体重が落ちれば、妊娠前の体重に戻ります。

産後体重減少

さて、脂肪を1キロ落とすために必要なのは、食事や運動によって7200キロカロリーのマイナスを作ることです。

このケースでは、1ヶ月に1キロ体重が減れば半年で元の体重に戻るため、1ヶ月で7200キロカロリーのマイナスを作れば良いことになります。

そのためには、1日で約250キロカロリーのマイナスが必要になります。

ここで、「やっぱり食事制限と運動をしてマイナス250キロカロリーを作らなければいけないのか……」と考えたかもしれません。しかし実際には、食事制限と運動は必要ありません。産後は授乳をするためです。

授乳すれば半年で体重は戻る

出産後は、大半の人が授乳をします。授乳は運動と同じようにカロリーを消費するのです。

具体的には、母乳100mlあたり、80キロカロリーのエネルギーを消費します。1日の母乳量は約800mlであるため、授乳をするだけで約640キロカロリーも余計に消費するのです。

産後で授乳をする場合、「通常必要なカロリー量に350キロカロリーは余計に食事から摂らないけない」とされています。
*厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)概要」から引用

厚生労働省

これに従って350キロカロリープラスで摂るとします。そうなると、授乳で消費されるエネルギー量と合わせると、「350キロカロリー(食事) - 640キロカロリー(授乳) = -290キロカロリー」となります。

食事で350キロカロリー余分に摂っても、授乳をしていれば1日で約300キロカロリーのマイナスが作れるのです。
*逆に食事量を増やさないと、エネルギー不足で食欲が乱れてしまいます

先に述べたように、1日に約250キロカロリーのマイナスを作れば、理論上は1ヶ月で1キロ体重が減ります。そのため、授乳していれば食事制限や運動をしなくても、自然と体重が減っていくのです。

このペースで減量していけば、半年以内に6キロ落ちて元に戻る計算になります。

しかも、実際には脂肪は3~4キロしか増えていないですし、育児や家事でエネルギーが余計に消費されるため、もっと早く元に戻る(3~4カ月)のが普通です。

このように、授乳中は特別な食事制限や運動をしなくても、自然と元の体重に戻るのです。

母乳育児のメリット

先に述べたように、母乳を与えるとその分だけカロリーが消費されるため、産後太りを解消しやすくなります。ただ、母乳育児にはエネルギー消費以外にもメリットがあるのです。

例えば、授乳することで分泌されるホルモンとして「オキシトシン」があります。

オキシシトシンには、子供に対する愛情を強める働きがあり、産後のストレスを和らげてくれる効果が期待できます。産後のストレスは、食べすぎを招く大きな要因であるため、オキシトシンがたくさん作られることで、ストレスによる過食を防げるのです。

他にも、授乳することで「副腎皮質ホルモン」「甲状腺ホルモン」など、代謝を高めるホルモンがたくさん作られます。これも、授乳した方が痩せやすくなる理由のひとつです。

授乳しない人は痩せないのか?

それでは、授乳しない人は痩せられないかというと、そうではありません。産後に授乳しなくても、食欲さえ乱れていなければ、特別な食事制限や運動をしなくても痩せます。

そもそも、授乳をしない(授乳が出ない)場合は、350キロカロリープラスに摂らなくても良いです。

確かに、中には母乳を出すために食事量を増やさなければいけない人もいます。ただ、ある程度(必要量プラス350キロカロリー)食事量を増やしても母乳が出ないのであれば、母乳がでない原因は食事量以外の問題にある可能性が高いです。

また授乳をしない場合、「エストロゲン」と呼ばれる代謝を高める女性ホルモンがたくさん分泌されるようになります(授乳中は抑えられる)。そのため、痩せやすくなるのです。

さらに、授乳はしていなくても育児によってカロリーは消費されます。

例えば、3キロ前後ある子供を抱っこしたり、オムツを変えたりするなどです。赤ちゃんを30分抱っこしたり、着替えさせたりすると約50キロカロリー消費するといわれています。

ほぼ1日育児をしているため、育児だけで相当なカロリーが消費されているのです。

このように、産後は授乳しなくても、ホルモンバランスが変わって痩せやすくなりますし、普通に生活しているだけでカロリーが余計に消費されるため、食べ過ぎなければどんどん体重は落ちていくのです。

食欲が乱れていると体重が戻らない

産後に体重が戻らない主な原因は「食欲の乱れ」にあります。簡単にいうと、「食べ過ぎ」なのです。

既に述べたように、産後は通常の必要量プラスの350キロカロリー摂ることが推奨されています。成人女性であれば、どれだけ活動量が少ない人でも、2000キロカロリーは摂った方が良いでしょう。

ただ、当然ながら食べ過ぎると太ります。

例えば、

・産後のイライラが強く、お菓子を毎日大量に食べている
・食欲が落ち着かず、3000キロカロリー以上食べている
・甘い物欲が止まらず、アイスやジュースをたくさん食べている

という状況であれば、間違いなく体重は落ちませんし、逆に増える可能性が高いです。これは授乳をしていようがしていまいが、変わりません。

このように、産後ダイエットに失敗する主な原因は「食欲の乱れ」にあるのです。逆に、食欲が乱れておらず、適量の食事で済ませられるようになれば、特別な食事制限や運動はしなくても、自然と痩せられます。

産後の食欲コントロールを身につけるためには?

それでは、産後に食欲が乱れないようにするためには、どうしたらいいでしょうか?

産後の食欲コントロールを身につけるためには、妊娠中と産後の生活が大切になります。

妊娠中の生活が大切

産後の食欲を乱す主な原因は、妊娠中の食生活にあります。

妊娠中の食事があまりに偏っていると、「産後の栄養不足」が助長されます。栄養不足は産後の食欲の乱れを招くのです。

例えば、出産後はタンパク質や鉄が不足しがちです。

妊娠中に肉や魚、卵などのタンパク質や鉄を豊富に含む食品を食べずに、

・お菓子ばかり食べていた
・時間がなくて毎日同じような食事(丼物や麺類など)ばかりしていた
・ファストフードばかり食べていた

という状況であったなら、産後にはさらに栄養不足の状態になっている可能性は高いです。

また、産前にお菓子などの甘い物ばかり食べていると、軽い依存状態のようになってしまい、産後もお菓子が止まらなくなります。

そうならないようにするためにも、妊娠中の食事が崩れすぎないようにすることが大切です。

そうはいっても、以下に挙げたことを、できるだけ意識するだけで良いです。

・3食食べる
・間食をし過ぎない(15時の1回だけにする)
・主食、主菜、副菜と、ある程度のバランスを意識する
(特にタンパク質と野菜は不足しがち)
・お菓子やジャンクフード、加工食品を食べ過ぎない

当たり前のことですが、妊娠中の食事を意識することが、産後ダイエットの成功に大きく影響することを知っておいてください。

産後に意識すべきこと

妊娠中と同じくらい重要であるのが、産後の生活です。どれだけ妊娠中に食事を気をつけていても、産後の生活が崩れていると食欲は乱れます。

例えば食事であれば、妊娠中に意識すべきことに加えて産後は

・食事量を十分に摂る(推奨量を大きく下回らない)
・タンパク質と鉄分を意識する(特に妊娠中に貧血を指摘されている人)
・1日の中で1食でもゆっくり噛んで食事をする

ということを、できる限り心がけると良いでしょう。

特に産後の失敗で多いのは、「産後ダイエットを頑張らないと!」と考えて、食事量を減らした結果、反動でお菓子やアイスなどを食べてしまうケースです。

食事以外に関しても

・睡眠時間を確保する(時間が取れない場合は昼寝を上手く使う)
・ストレスを溜め込み過ぎない(知人や家族と電話する、子育て支援センターなどを利用して同じ状況にある人と話すなど)
・適度な運動をする(ストレッチなどの軽い運動から始め、状態に合わせて散歩などを習慣化する)

ということを意識すると、食欲は乱れにくくなります。

睡眠不足やストレスは、食欲を乱す大きな原因となります。特に産後は、授乳で睡眠不足になりがちですし、24時間365日赤ちゃんと生活しなければいけないため、ストレスも溜まります。

そうした中で、できる限り工夫して睡眠時間を確保したり、ストレスを溜め込んだりしないようにすることが大切です。

産後ダイエットで大切なことは、食事制限や運動ではなく、食事改善や睡眠、ストレス管理なのです。

第一章のまとめ

第一章で述べたように、産後は特別な食事制限や運動をするのではなく、食欲を乱さないようにすることが大切になります。

そのためにも、食事制限や運動を頑張るのではなく、妊娠中や産後の食事、生活習慣を整えることを意識するようにしましょう。そうすれば、産後の余裕がない時期に無理に食事制限や運動を頑張らなくても、自然と妊娠前の体重に戻せるようになります。

第二章:産後ダイエットはなぜ半年が勝負なのか?

「産後ダイエットは半年が勝負」という話を聞いたことがないでしょうか?

確かに、出産を終えた体にとって産後の半年は重要な時期です。妊娠・出産で負ったダメージを回復するタイミングであるため、体の回復をいかにスムーズにするかは非常に重要になります。

ただ、産後半年が大事だからといってこの時期に食事制限や運動をしなければ、妊娠前の体重に戻らないかというとそうではありません。逆に、産後半年に無理すると、どんどん痩せにくくなってしまう可能性が高いのです。

そこで第二章では、「産後ダイエットは半年が勝負の真実」について詳しく解説します。

産後ダイエットは半年が勝負と言われる理由

産後ダイエットは半年が大切であることは間違いありません。基本的には、産後半年までに妊娠前の体重まで戻ります(3~4カ月で戻る)。そのため、半年経っても体重が戻っていないのであれば、何かしら対策を立てた方が良いでしょう。

しかし、だからといって産後半年までに食事制限や運動を頑張らないといけないかというと、そうではありません。

妊娠・出産によるダメージの回復に半年かかる

妊娠や出産という経験は、あなたが想像している以上に体への負担が大きいです。

お腹の中で胎児を育てるためには、胎児に必要な栄養をあなたの体から送り届けなければいけません。また、3キロ近い胎児を抱えて生活するため、骨盤や足などには、胎児分の重さの負担がかかります。

さらに、出産時は骨盤が大きく開くため、骨盤に付いている靭帯や筋肉、骨盤内の関節にも大きな負担がかかります。

身体内の変化はもっとたくさんありますが、とにかく妊娠・出産というのは、あなたの体に想像以上のダメージを与えるのです。

産後半年は、妊娠・出産によって受けたダメージが最も大きく回復する時期になります。傷でも骨折でも同じですが、体内では負担を受けた直後が最も回復するための反応が起こります。

産後も同じであり、産後半年という期間がダメージを回復するために、効果的かつ必要な時期なのです。

半年は減量ではなく体を整える時期

結論から言います。

産後半年は、無理して痩せるための時期ではなく、体を回復させ、整える時期です。

世の中には、産後すぐのダイエットを推奨している人もいます。実際、産後2~3ヶ月で食事制限やパーソナルトレーニングを受ける人もいます。

もちろん、人によっては産後早期からパーソナルトレーニングを行っても問題ない場合もあります。しかし一般的には、産後早期にダイエットを目的とした食事制限やパーソナルトレーニングは必要ありません。

それよりも、産後半年は出産で負ったダメージの回復と、変化した体の再構築に力を入れるべきなのです。

食事制限や運動なしでも痩せる

実際に、産後は特別な食事制限や運動をしなくても、体を回復させて整えることを意識すれば、自然と体重は落ちます。

先に述べたように、産後で授乳をする場合、通常必要なカロリー量に350キロカロリーは余計に必要だとされています。

ここで、ダイエット経験があるなら、「350キロカロリーもプラスに摂ったら太るのでは?」と考えるかもしれません。しかし、先に述べたように、授乳することで350キロカロリー以上のエネルギーが消費される(640キロカロリー/日)ため、太らないのです。

350キロカロリー余計にとっても、授乳だけでそれ以上にエネルギーを消費するため、体重はどんどん減ります。

このように産後は、特別な食事制限や運動をしなくても、自然と痩せるのです。

産後半年で痩せるためにやるべきこと

ただ、だからといって産後に好き放題食べたり、生活したりしていいのかというと、そうではありません。

産後半年でスムーズに痩せるために、特別な食事制限や運動は必要ありませんが、気をつけなければいけないことはいくつかあります。特に、「食欲のコントロール」「身体のメンテナンス」「適度な運動」の3つは、産後半年でスムーズに痩せるために重要です。

食欲のコントロール

産後スムーズに痩せるための一番のポイントは、食欲のコントロールになります。簡単にいうと、「食べ過ぎない」ということです。

産後ダイエットが上手くいかない人の多くは、産後に食欲が乱れて食べ過ぎています。

例えば、「ご飯を食べずにお菓子ばかりを食べたり」「3食の食事とは別におやつを3回も4回も食べたり」など、とにかく食欲がおさまらずに食べ過ぎてしまうのです。

産後は、出産による栄養不足や寝不足、ストレスなどが原因で食欲が乱れやすくなっています。

産後の食欲をコントロールするためには

・しっかり食事を摂る(量・栄養バランス)
・できる限り睡眠時間を確保する
・ストレスを溜め込みすぎない

という当たり前のことが大切になります。産後は、身体的にも精神的にも余裕がなく、食事や睡眠に時間と労力を費やせないかもしれません。そのため、できるだけ手を抜きながら上手くやりくりすることが非常に重要になります。(詳しくは第四章で記します)

間違っても、食事や睡眠などに余裕がない状況で、パーソナルトレーニングなどに通うことはしないようにしてください。

身体のメンテナンス

先に述べたように、妊娠・出産では骨盤を中心に大きな負担がかかります。その上、出産後はゆっくりする時間もなく、授乳や育児、家事などを行わなければいけません。

体がもともと強く、妊娠・出産も何事もなく、産後の調子も良い人は、特別なケアは必要ないかもしれません。

ただ大半の人は、産後に身体のメンテナンスを行うことが大切になります。

例えば、産後のケアを専門としている医療機関や整体などを頼るのも良いでしょう。もし体の状態が悪くないのであれば、自分自身でストレッチやマッサージなどを行ってケアするのも良いです。

産後の体は、あなたが想像している以上に負担がかかっています。

そのため、どれだけ「私の体は問題ない」と思っていても、ストレッチやマッサージなど、自分でできるケアは実施することをお勧めします。

適度な運動

産後にきついパーソナルトレーニングなどの運動は必要ありません。ただ、産後はどうしても体力が落ちてしまうため、時期や状態に応じて適度な運動をしていくことが大切です。

そうして、少しずつあなた自身の体力を回復させることで、その後の育児や家事も楽になります。また、職場への復帰もスムーズになるでしょう。

例えば、産後1ヶ月はできるだけ横になる時間を作ることが大切です。そうはいっても、横になっていたり、座っていたりしながらストレッチをすることはできます。

背中や腰を中心に無理のない範囲でストレッチをしたり、股関節を動かしたりするなど、少しずつ体をほぐしていくと良いでしょう。

産後1ヶ月~3ヶ月にかけては、少しずつ立ってからの運動をするなど、重力に抗する時間を作っていきます。その中で、特に「骨盤底筋群」と呼ばれる、骨盤の底にある筋肉のトレーニングを行うと良いです。

骨盤底筋群を鍛えることが、内臓の下垂によるポッコリお腹や骨盤の広がりによるお尻の弛み、尿漏れなどの改善につながります。

このように、時期や体調に合わせて無理なく運動をしていくことで、スムーズに体力が回復していきます。

詳しい運動のポイントは、第四章で記します。

第二章のまとめ

第二章で述べたように、産後ダイエットにおいて「半年が勝負」というのは、半年で食事制限や運動を頑張らないといけないのではなく、「妊娠・出産でダメージを受けた体を回復させる」ために大切なのが半年ということです。

食事制限や運動をしなくても、産後のケアができていれば半年以内に無理なく体重は戻ります。

もしあなたが「産後は半年が勝負」と思って無理をしているのであれば、ぜひこの機会に産後ダイエットに対するイメージを考え直してみてください。

第三章:産後に避けるべき4つのダイエット方法

産後というと、骨盤矯正や矯正下着など、何かしらダイエットをしなければいけないと思っていないでしょうか?

確かに、産後は骨盤の機能が悪くなりやすいため、骨盤のケアをした方が良い人は少なくありません。しかし実際には、産後痩せるために骨盤矯正や矯正下着はもちろんのこと、パーソナルトレーニングや食事制限、サプリメントなどは一切必要ありません。

そのようなことをしなくても、産後は自然と痩せます。そのため、産後の貴重な時間やお金を、無駄に使わないようにしましょう。
*産後の具体的な痩せ方については、第四章を参考にしてください。

そこで第三章では、「産後ダイエットに必要な4つのダイエット方法」についてわかりやすく解説します。

骨盤矯正

産後ダイエットというと、大半の人が行っているのが「骨盤矯正」です。妊娠・出産で開いたり、ゆがんだりしている骨盤を整えるという方法です。

確かに、産後は骨盤が開いたり、ゆがんだりしています。しかし、基本的には自然に戻りますし、整体などで外力を加えて骨盤を動かしても、効果は一時的ですぐ元に戻ります。

そもそも、骨盤矯正がなかった時代の人はみんな太っていたのでしょうか?

そうではないですよね。どう考えても、骨盤矯正は産後ダイエットに必須ではないのです。

もちろん、骨盤周りの筋肉を柔らかくしたり、収縮しやすくしたりといったケアが必要な人は少なくありません。ただ、「骨盤矯正をしなければ痩せられない」ということはありませんので、知っておいてください。

パーソナルトレーニング

産後に早期からパーソナルトレーニングに通う人もいます。例えば、私が知っている方では、産後3ヶ月から痩せるためにパーソナルトレーニングへ通った人がいました。

確かに、産後は体力が低下しているため、運動するに越したことはありません。しかし、産後早期に無理に運動すると、体力が回復するどころか、体を痛めたり、痩せにくくなったりすることになるのです。

例えば、産後早期は骨盤が不安定であったり、筋肉が弱くなったりしています。そうした時期に、無理にパーソナルトレーニングで負荷をかけると、腰などを痛めることにつながります。

また、産後は授乳や家事で時間に余裕がありません。そうした中でパーソナルトレーニングに通うと、もっと余裕がなくなり、睡眠時間などを削る必要が出てきます。

さらに、睡眠不足や忙しさと、運動は一見すると全く関係ないように思えるかもしれません。しかし、これらは全て体にとって同じストレスであり、寝不足や忙しい中で運動をするとなると、体へのストレスが強くなるのです。

こうしたストレスは、ホルモンバランスを崩すことで食欲を乱したり代謝を悪くしたりして、痩せにくい体を作ります。

このように、産後の忙しい時期にパーソナルトレーニングをすることは、体へ強い負担をかけることになるため、避けるべきです。

産後は、パーソナルトレーニングなどをしなくても、第二章で述べたように、ホルモンバランスの変化や授乳、育児などで痩せます。

食事制限

パーソナルトレーニングと同様に、産後痩せるために食事制限は必要ありません。むしろ、授乳しているなら、妊娠前以上に食べても自然に痩せます。

具体的には、授乳中は身長や体重から導き出される必要な食事量よりも、プラス350キロカロリー摂らなければいけません。
*必要な食事量 = 22×(身長m)(身長m)×30キロカロリー

ただ、何度も述べているように、350キロカロリー余計に食べても、授乳をすると1日約640キロカロリー消費されるため、どんどん痩せていくのです。

食事制限をして短期間で体重が減っても、大半の人はその反動でお菓子を食べ過ぎてしまい、リバウンドします。

このように、産後は食事制限をしなくても痩せますし、食事制限をしたら逆にリバウンドすることになるのです。

サプリメント

産後に痩せるために、サプリメントを使用する人もいます。

確かに、産後は出産の影響で鉄などの栄養が不足しがちです。また、産後は忙しくて食事に手をかけられないため、どうしても栄養が偏りがちになります。

そうした際には、不足している栄養素(ビタミンやミネラル)をサプリメントで補うと、痩せやすくなります。

ただ、一般的に使用されているダイエットサプリのような、栄養の吸収を妨げたり、食欲を抑えたりするようなサプリメントは必要ありません。むしろ、産後はしっかり食べて栄養を吸収しないといけないため、ダイエットサプリは飲まない方が良いのです。

このように、産後はビタミンやミネラルといった栄養を補うサプリは有効なケースが多いですが、ダイエットサプリは必要ないのです。

第三章のまとめ

第三章で述べたように、一般的に行われている「骨盤矯正」「パーソナルトレーニング」「食事制限」「サプリメント」の4つは、産後ダイエットに必要ありません。

むしろ、やり方を間違うと、リバウンドしたり、摂食障害に陥ったりしてしまう可能性があります。そうならないようにするためにも、産後は以上に挙げた無理なダイエットを行わないようにしましょう。

第四章:産後ダイエットの具体的な実践法

産後ダイエットを成功させるためには、妊娠中から産後にかけて、時期に応じた生活をすることが大切です。

特に、妊娠中、産後1ヶ月、産後3ヵ月までを意識して生活すれば、ほぼ間違いなく産後の体重はスムーズに妊娠前の状態まで戻ります。

産後ダイエットが上手くいかない理由は、産後の食事制限や運動が足りないのではなく、妊娠中から産後にかけての生活に問題があるのです。時期に応じた正しい生活を知って実践すれば、産後に無理な食事制限や運動などをしなくても体重は落ちます。

そこで第四章では、「産後ダイエットにおける時期別の具体的なポイント」についてわかりやすく解説します。

産後ダイエットにむけた妊娠中の生活

産後ダイエットというと、出産後に頑張るイメージがあるのではないでしょうか?

確かに、産後ダイエットを成功させるためには、出産後の生活も非常に大切です。しかし、出産後の生活を整えるためには「妊娠中をどう過ごすか?」が重要になります。妊娠中の生活によって、産後の食欲や代謝が大きく影響されるためです。

そこでまずは、妊娠中に注意すべきポイントについて記します。

妊娠中の食事

妊娠中の食事では、以下のポイントを意識してください。

・十分な食事量(カロリー量)を摂取する
・栄養バランスの偏りを少なくする
・野菜を摂取する
・お菓子や加工食品、ジュースを減らす

妊娠中に必要なカロリー量

まず、妊娠中は胎児の成長のために、妊娠前よりも栄養が必要です。一般的な成人女性であれば、「標準体重(BMI22) × 30キロカロリー」が必要とされています。
*標準体重(BMI22)=22 × (身長m)×(身長.m)

身長が160cmであれば、標準体重は56.32kg(22×1.6m×1.6m)、体重を維持するために必要なカロリー量は1690キロカロリーとなります。

妊娠中は、この値に初期で+50、中期+250、後期+450が必要とされています。

厚生労働省

*厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)概要」から引用

妊娠中は、胎児の成長を考えて、これくらいは摂取するようにしましょう。この時期に必要以上に摂取カロリーを制限すると、胎児の成長に悪影響を及ぼすだけでなく、産後の食欲を乱すことにつながります。
*妊娠糖尿病や体重管理が必要な場合、担当のドクターの指示に従ってください

妊娠中の栄養バランス

妊娠中に栄養バランスを意識しておくと、産後に食欲が乱れにくくなります。そのため、妊娠中は栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。

具体的には、「炭水化物50~60%、たんぱく質20~30%、脂質15~30%」くらいを目安にすると良いでしょう。

といっても、正直なところ、そこまで細かく気にする必要はありません。

主食と主菜、副菜(できれば汁物)を意識して3食食べていれば、栄養バランスが大きく崩れることはないでしょう。さらに、食卓の彩りを考えて食事を用意すれば、なお栄養バランスは整います。

とにかく、

・炭水化物は全く摂らない
・脂肪を極端に減らす
・極端にタンパク質を増やす

といった、偏った食事はしないようにしましょう。

妊娠中に増やすべき栄養素

妊娠中に増やすべき栄養素は「日本人の食事摂取基準(2015年度)」で決められています。

具体的には、たんぱく質とビタミンA、ビタミンD、葉酸、鉄の5つは、妊娠中に増やすべき栄養素だとされています。

それぞれの栄養素の推奨増加量を以下にまとめます。

・たんぱく質

初期:+0
中期:+5g
末期:+10g

豊富に含まれる食品
肉、魚、卵、大豆製品

ビタミンA

初期:+0
中期:+0
末期:+60μgRAE

豊富に含まれる食品
レバー(牛・豚・鳥)、ウナギ、銀ダラ、モロヘイヤ、ニンジン、ほうれん草

ビタミンD +1.5μg

豊富に含まれる食品
卵黄、黒カジキ、紅サケ、キクラゲ、干しシイタケ、バター、牛乳

葉酸 +200μg

豊富に含まれる食品
鳥レバー、アボカド、ほうれん草、イチゴ

初期:+2.0mg
中期、末期:+12.5g

豊富に含まれる食品
・ヘム鉄
レバー、馬肉、卵黄、いわし、干しえび、しじみ

・非ヘム鉄
豆類(きな粉、油揚げ、生湯葉、納豆など)、パセリ、小松菜、ほうれん草、種実類(炒りゴマ、カシューナッツ)、抹茶、藻類(青海苔、いわのり、焼き海苔)

妊娠中は野菜を摂取する

妊娠中に限った話ではありませんが、野菜は意識しないと不足する人が多いです。以上に挙げたように、主食、主菜、副菜(汁物)と彩りを意識して食事を用意すれば、自然と野菜の量も増えます。

ただ、それでも野菜は積極的に摂った方が良いでしょう。

目安としては、野菜は1日300g(食物繊維20g)を目指すようにしてください(もちろん、毎日摂れなくても問題なく、300gまで摂れればベターくらいに考えると良いです)。

お菓子や加工食品、ジュースを減らす

妊娠中に一番注意してほしいことは、お菓子や加工食品、ジュースを減らすということです。

これらには

・ハイカロリー(高脂肪、高糖質)
・食品添加物
・血糖値の急上昇

など、さまざまな問題があります。

もちろん、たまに食べるくらいは問題ありませんが

・ご飯を減らしてお菓子を食べている
・毎日ジュースを飲んでいる
・冷凍食品や弁当ばかりを食べている
・毎朝朝食は菓子パンとジュース
・1日中お菓子をつまんでいる

という状況は、絶対に避けるようにしましょう。

こうした生活は、妊娠中の体重増加や糖尿病、高血圧といった問題だけでなく、産後の食欲の乱れを招くため注意してください。

妊娠中の運動

妊娠中に運動をしておくと、産後のダイエットもスムーズになります。

例えば、「骨盤底筋」や「腹横筋」など、いわゆる「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉の収縮を練習すると、出産がスムーズになったり、いきむ感覚がわかりやすくなったりすることがあります。

また、産前からこうした筋肉のエクササイズをしておくと、「子宮腔」が開くのが早くなったり、陣痛が軽くなったりするという人もいます。

ただ、インナーマッスルのエクササイズは、自分一人で行うことは非常に難しいです。もしそれでも骨盤底筋群や腹横筋のトレーニングをするのであれば、腹式呼吸などの呼吸エクササイズをすることをお勧めします。

また、お尻(外旋筋:梨状筋、内閉鎖筋)やモモの内側にある筋肉(内転筋)は、骨盤底筋群とつながっています。そのため、これらの筋肉をストレッチして柔らかくしておくと、産後も自然とインナーマッスルの収縮が入りやすくなります。

骨盤と連動して動く、胸郭(肋骨)の動きを柔らかくしておくこともおススメです。

さらに、切迫早産などのリスクがないのであれば、家事に加えて散歩などを行っておくと、筋肉が衰えるのを防ぐことができます。

このように、妊娠中は基本的にきつい運動は必要なく、呼吸やストレッチ、散歩などを状態に合わせて行うと良いでしょう。

ただ、痛みがあったり、ストレッチすると痛みが強くなったりする場合には控えるようにしてください。また、切迫早産などのリスクがあるなら、担当の先生に相談してから実施してください。

妊娠中にお勧めの運動の動画
https://youtu.be/hoewf1CwI7w

妊娠中の生活習慣

生活習慣に関しては、基本的に「早寝早起き」を意識すれば良いかと思います。

早起きは難しいとしても、7~8時間の睡眠は確保した方が良いでしょう。

また、ストレス管理も非常に大切です。妊娠中にストレス管理方法について理解し実践していれば、産後のストレスコントロールも容易になります。

ストレス管理方法としては、呼吸を使うやり方が一番安全でやりやすいと思いますので、まずは呼吸法からやってみると良いです。呼吸に意識を向けて、ゆっくり深呼吸を繰り返すだけでも良いと思います。

他にも、嫌なことを紙に書きだすのもストレス解消としては有効ですので、ぜひ試してみてください。

さらに、以下に挙げたものもおススメですので、あなた自身に合ったものを見つけて実践するようにしましょう。

・エクササイズやスポーツ
・礼拝への出席
・読書
・音楽
・家族や友達と過ごす
・外へ出ての散歩
・マッサージ
・瞑想やヨガ


妊娠中は何キロ増えて良いか?

産後ダイエットを成功させるために、妊娠中の体重管理は重要です。

妊娠中の体重増加は、一般的に10キロ前後だといわれています。ただ、当然ですが妊娠前の体重によって増えても良い体重は異なります。そこで以下に、妊娠前の体重別における至適体重増加量を記します。

妊娠前の体重(BMI) 至適体重増加量(kg)
17.0~18.4      12.2
18.5~19.9      10.9
20.0~22.9        9.9
23.0~24.9        7.7
25.0~27.4        4.3

*BMI = 体重kg ÷ (身長m)×(身長m)

以上の表を目安に、体重が増えすぎていないかを確認しながら生活していきましょう。

神経質になる必要はありませんが、あまりにも増えすぎている場合は、食事や生活を見直すようにしてください。

産後1ヶ月の産後ダイエット

ここまで述べたことを意識して、妊娠中に大きく生活が崩れなければ、産後は食欲が乱れにくいです。ただ、そうはいっても出産による体のダメージはありますし、産後の生活が崩れると食欲は乱れます。

そこで、まずは産後1ヶ月までに意識すべきポイントについて記します。

産後1ヶ月までの食事

産後1ヶ月までの食事は、妊娠中に挙げたポイントをできる限り意識でいると良いです。

ただ産後1ヶ月は、何より横になっている時間を作ることが大切ですので、いかに手を抜けるかが重要になります。

一番良いのは、お母さんなどの身内に手伝ってもらい、料理を作ってもらうことでしょう。そうすれば、体への負担もかかりませんし、バランスが良い食事を摂れます。
しかし、そうした環境にない場合は、市販の弁当や冷凍食品、宅食などを上手く活用しましょう。

もちろん、添加物が少ないこだわった弁当や冷凍食品が好ましいです。ただ、近くにそうしたお店がなかったり、経済的に厳しかったりするのであれば、この時期はあまりこだわらずに、体を休めることを優先しましょう。

宅食サービスの例

・nosh(ナッシュ)
・わんまいる

そうした中でも、ゆで卵や冷凍野菜などで、タンパク質と野菜を意識できるとなお良いです。

また、産後は鉄が不足しがちです。そのため、貧血の症状が認められ、なおかつ食事で摂ることが難しいのであれば、医師と相談して鉄剤やサプリメントなどで補うことも考慮しましょう。

私が監修入って作った、女性に必要な栄養素をたっぷり配合したプロテインスムージーもおススメです。
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産後1ヶ月までの運動

既に述べたように、産後1ヶ月はできる限り横になる時間を確保するようにしてください。

ただ、横になった状態で体を捻じったり、足を動かしたりすることはやっておくと良いです。またこの時期には、呼吸運動もおススメです。

とにかく、座ったり立ったりしてやるような、重力に抗した運動は避けて、横になった状態でできる運動を積極的に行っていきましょう。

そうはいっても、痛みが出る運動はしないようにしてください。

産後1ヶ月までの生活習慣

出産後は、女性ホルモンが急激に減ってホルモンバランスが変化するため、身体的にも精神的にも非常に不安定になります。特に、産後2週間は「マタニティ・ブルーズ」と呼ばれる、気分が沈みやすい状態になりやすいです。

また、骨盤も出産によるダメージから回復している時期であり、できるだけ負担をかけないようにすることが大切になります。大きくなった子宮も、妊娠前の状態に戻るまでに、約6週間かかります。

そのためこの時期は、家族などの協力を得て、心身ともにできる限りリラックスできるように工夫することが重要です。

例えば、産後1ヶ月は緩い服を着て、できるだけ横になる時間を作るようにしましょう。また、目の疲れは全身の疲労につながるので、テレビやスマホは使いすぎないようにした方が良いです。

産後1ヶ月は、赤ちゃんと生活のリズムを整えていく時期でもあります。そのため、家事は最小限にして、できるだけ赤ちゃんとゆっくり過ごす時間を作るようにしましょう。

そして、授乳をしているとどうしても睡眠時間が短くなりますので、昼寝などを使って上手く補うと良いです。

この時期には、寝不足や過労、ストレスが心身にとって最も悪い影響を与えるため

・睡眠
・休息
・ストレス管理

に力を入れるようにしましょう。食事のバランスが大切なのは間違いないですが、先に述べたようにこだわり過ぎず、ある程度気を付ければ良いです。

この時期に、どれだけ睡眠や休息、ストレス管理をできているかで、その後の食欲の乱れも大きく変わります。産後スムーズに痩せるためにも、無理をしないようにしましょう。

産後3ヶ月までの産後ダイエット

産後1ヶ月が過ぎた辺りからは、少しずつ体の状態に合わせて活動量を増やしていきます。

産後3ヶ月までの食事

心身に余裕が出てきたら、少しずつ食事にこだわっていくようにしましょう。基本は、妊娠前の食事と同じことを意識していれば問題ありません。

ただ授乳しているのであれば、標準的な食事量よりも350キロカロリー多く食べるようにしてください。痩せたいと思って食事量を減らすと、母乳が出にくくなるだけでなく、エネルギー不足でイライラしたり、その後の反動でリバウンドしたりします。

そのため、この時期はとにかく食事量を減らさないように注意してください。

また、栄養素を考えると

・出産によって不足しがちな鉄分とタンパク質
・授乳によって不足しがちなカルシウム
・腸内環境を整えるための食物繊維

は、積極的に意識して摂ることをお勧めします。中でも、鉄分不足は産後のイライラや食欲増進を招く可能性が高いため、産後ダイエットのためにも非常に大切です。

他にも、ビタミンDやビタミンA、青魚に含まれる脂肪(オメガ3系脂肪酸)なども、産後積極的に摂るべき栄養素になります。

余裕が出てきたら、少しずつ栄養バランスを意識した食事を摂っていくようにしましょう。

以下に、産後に積極的に摂るべき栄養素の推奨付加量と、豊富に含まれた食品を記します。

●鉄

産後(授乳中):+2.0mg

豊富に含まれている食品

・ヘム鉄
レバー、馬肉、卵黄、いわし、干しえび、しじみ

・非ヘム鉄
豆類(きな粉、油揚げ、生湯葉、納豆など)、パセリ、小松菜、ほうれん草、種実類(炒りゴマ、カシューナッツ)、抹茶、藻類(青海苔、いわのり、焼き海苔)

●葉酸

産後(授乳中):+80μg

豊富に含まれている食品

鳥レバー、アボカド、ほうれん草、イチゴ

●タンパク質

産後(授乳中):+15g

豊富に含まれる食品
魚介類、肉類、卵、大豆
カルシウム 産後:+0(日ごろから不足しがちなので意識する)

牛乳、乳製品、干しえび、小魚、ほっけ、モロヘイヤ、小松菜、にぼし、ゴマ、えんどう豆

●ビタミンD

 産後(授乳中):+2.5μg

豊富に含まれている食品

あんきも、しらす干し、ニシン、すじこ、いくら、かわはぎ、サケ、うなぎ、かずのこ、さんま、あゆ、太刀魚、コイ、カレイ、サバ、煮干し、干しシイタケ、キクラゲ

●ビタミンA

産後(授乳中):+300μgRAE

豊富に含まれている食品
レバー(牛・豚・鳥)、ウナギ、銀ダラ、モロヘイヤ、ニンジン、ほうれん草
オメガ3系脂肪酸 イワシ、サバ、サンマ、クルミ、亜麻仁油、エゴマ油

産後スムーズに痩せるために大切なことは、食事制限ではなく、カロリー量と不足しがちな栄養素の確保です。

お菓子やアイスなどはできだけ控えた方が良いですが、禁止にする必要はありません。食べ過ぎは問題ですが、我慢のし過ぎでストレスになる方がよほど良くないため、上手に付き合っていくようにしましょう。

間違えても、痩せるためにと食事量を減らしてお菓子類を増やすことだけはしないようにしてください。

産後3ヶ月までの運動

産後1ヶ月が過ぎた後は、少しずつ家事を増やしていきます。

まだこの時期には特にハードな運動をする必要はなく、家事と育児をやりながら、余裕が出てきたら赤ちゃんをベビーカーへ乗せて散歩をするくらいで十分です。

注意点は、

・家事や散歩をしているときに痛みが出ないこと
・翌日に強い疲労感が残らないこと

の2点です。

もし痛みが出たり、翌日に強い疲労感が残ったりした場合、体に負担がかかっているため、少し活動量を減らしましょう。

この時期になると、体の状態が悪くないのであれば筋トレを少しずつ始めても良いです。もちろん、筋トレも痛みが出たり、疲労感が残ったりしない程度で行うようにしてください。

ただ、この時期は筋トレよりもストレッチを優先することをお勧めします。

当たり前ですが、睡眠時間や食事、入浴の時間が十分に取れないくらい忙しいのであれば、無理に運動はしないようにしましょう。頑張って運動をするよりも、睡眠時間を確保したり、ゆっくり食事を摂ったりした方がダイエット的にも良いです。

産後3ヶ月までの生活習慣

生活習慣に関しては、産後1ヶ月までと同じように、睡眠や休息、ストレス管理を意識してください。

少しずつ活動量が増えて疲労感を感じやすくなる時期ですので、できる限り睡眠時間は確保するようにしましょう。

家事や授乳で寝不足であれば、赤ちゃんと一緒に短時間の昼寝を上手く活用すると良いです。15分以内の昼寝であれば、深い眠りに入らないため、寝起きもスッキリしますし、寝不足による疲労を回復させることにもつながります。

産後半年までの産後ダイエット

産後3ヶ月~半年までは、これまでの食事や運動、生活習慣を継続していきましょう。

妊娠中の体重増加が適正範囲内であり、産後も食欲が乱れていなければ、産後3~4ヶ月、遅くとも半年後には体重は妊娠前の状態まで戻っているはずです。

もし食欲が乱れておらず、食べ過ぎていないのに産後半年までに体重が戻っていないなら、睡眠不足やストレス、浮腫みなどを見直すようにしましょう。

3ヶ月以降は、徐々に活動量を増やしていき、散歩の時間を長くしたり、余裕があれば自宅での筋トレを増やしたりすると良いです。筋トレを始めるのであれば、スクワットがお勧めです。もちろん、痛みや疲労感には注意しながら実施してください。

また、運動で消費した分のカロリーは食事で補うようにしましょう。

産後半年以降

産後半年以降は、体の調子が悪くないのであれば、さらに運動量を増やしていくと良いです。

食事に関しては、授乳が続いているなら、継続してしっかり食べるようにしてください。

もし授乳の回数や量が減っているのであれば、少しずつ食べる量を減らしましょう。もちろん、お腹が空いているのに無理に我慢する必要はありません。

間食を減らしたり、お腹が空いていないときは食事量を減らしたりしていくと良いです。

この時期までに、産後半年までに体調も崩さずに、妊娠前の体重に戻っているのであれば、あとは食欲に従って食事量を調整していくと良いでしょう。妊娠中のポイントを意識していれば、体重が増えることも体調が悪くなることもなく、生活できるはずです。

第四章のまとめ

今回述べたように、産後ダイエットは特別な食事制限や運動は必要ありません。ただ、好き勝手やって良いわけではなく、妊娠中や産後に気をつけるべきポイントはあります。

産後は、家事や育児で忙しく疲れもたまりやすいです。そうした中で、いかに手を抜きながら生活を崩さないようにするかが大切ですので、ぜひ第4章を参考にして産後ダイエットに取り組んでみてください。

第五章:産後のお腹を引き締めるポイント

産後に体重は戻ったものの

・お腹周り、腰回りの肉が気になる……
・ズボンがきつい……
・ポッコリお腹が治らない……

という悩みを抱えていないでしょうか?

そうしたときに、「よし、お腹を引っ込めるために腹筋をしよう!」と考えて、腹筋を始める人は少なくありません。

ただ、産後のお腹を引き締めるために、腹筋運動が逆効果である可能性があることを知っているでしょうか? そのことを理解しておかなければ、頑張ってやったはずの腹筋が逆効果になってしまう可能性が高いのです。

そこで最終章である第五章では、「産後の緩んだお腹を引き締める運動のポイント」についてわかりやすく解説します。

インナーマッスルがお腹を引き締める

産後のお腹周りを引き締めるポイントは、「インナーマッスル」を鍛えることです。ただ、口にするのは簡単ですが、実践するのが非常に難しいのがインナーマッスルのトレーニングになります。

まずは、インナーマッスルの鍛え方について詳しくお伝えします。

インナーマッスルとは?

インナーマッスルとは、簡単に言うと「体の深部にある筋肉」です。お腹を引き締めるためには、体幹部にあるインナーマッスルのトレーニングが大切になります。

具体的には、「横隔膜」「腹横筋」「骨盤底筋群」「多裂筋」の4つが体幹のインナーマッスルです。

これらの筋肉は、お腹周りを上下左右から包み込むように存在し、全ての筋肉が協力して働くことで、腹部を引き締めて安定させます。

逆に、表面にある「腹直筋」「腹斜筋」「脊柱起立筋」は、アウターマッスルと呼ばれます。アウターマッスルは、体を安定させるというよりも、大きな動きを作って力を発揮する筋肉です。

産後のお腹周りを引き締めるためには、アウターマッスルではなくインナーマッスルを鍛えることが大切になります。

インナーマッスルが働く前提条件とは?

それでは、インナーマッスルを鍛えるためには、どうすればいいのでしょうか?

もちろん、インナーマッスルを使う運動をしなければいけないのですが、その前にやるべきことがあります。それは、「胸郭」「背骨」「骨盤」を柔らかくしておくことです。

インナーマッスルは、肋骨と背骨によって作られる胸郭と、腰骨、骨盤に付いています。そのため、胸郭や腰骨(背骨)、骨盤の動きが硬いと、インナーマッスルが上手く働かないのです。

しかも、胸郭や腰骨、骨盤が硬い状態だと、アウターマッスルが優先して使われてしまいます。そうなると、ガチガチに張った体になってしまい、体が引き締まるどころか、腰を痛めたり、ポッコリお腹を強めたりする(後述する腹直筋離開)ことになるのです。

そうならないようにするためにも、まずは胸郭や腰、骨盤の柔軟性を高める運動を行うようにしましょう。

まずはこうした運動によってインナーマッスルが働きやすい状態を作るようにしましょう。

インナーマッスルの鍛え方

インナーマッスルを鍛える運動は、非常に難しいです。あなたが想像している以上に、軽い力で行わなければいけません。

具体的には、腹式呼吸をやります。姿勢は、仰向け、もしくは四つ這いからやると良いでしょう。

口をすぼめて、ゆっくりおへそを引っ込めながら息を吐きます。おおよそですが、「8秒で吐いて4秒で吸う」というイメージで、あとはあなた自身が辛くないタイミングでしましょう。

またことのとき、

・お腹を5ミリ程度凹ます
・目の前にろうそくの火があったら息で消えないくらい
・想像している1/3の力

くらい、息はゆっくり吐き、お腹はわずかに引っ込める程度にしてください。

ふーっと一生懸命息を吐いてお腹を引っ込めようとすると、アウターマッスルに力が入るため、インナーマッスルが働きません。

またこのとき、背中が丸まらないようにすることも大切です。力が入り過ぎてアウターマッスルが働くと、自然と背中が曲がってきます。

こうした腹式呼吸を、寝る前や起きた後に10回ずつ、日中の空いた時間に10回など、行うようにしましょう。最初は集中力がもたないため、1セット10回程度にしておくと良いです。

産後の腹筋を避けるべき理由

産後にお腹を引き締めようと、腹筋を頑張る人は少なくありません。いわゆる「クランチ」と呼ばれる運動です。

確かに、クランチをすると腹筋が使われてお腹が引き締まる感じがするかもしれません。しかし実際には、産後のクランチは「腹直筋離開」を悪化させて、逆にお腹を弛ませる原因となるのです。

腹直筋離開とは?

腹直筋離開とは、お腹にある腹直筋という筋肉が分裂してしまった状態です。

あなたもご存じのように、腹筋は6つに割れています。腹直筋離開とは、妊娠によって腹筋の真ん中にある縦線(白線)が割れて横に広がった状態になります。

妊娠中に9割の人が腹直筋離開になると言われていますが、産後半年~1年で治る人もいれば、治らない人もいます。

クランチ(腹筋運動)は、こうした腹直筋離開の治りを悪くしたり、悪化させたりするのです。

腹直筋離開がポッコリお腹を作る

産後にポッコリお腹で悩む人は多いですが、産後のポッコリお腹を作る原因の一つとして腹直筋離開が挙げられます。

腹直筋離開になると、割れた腹筋の間から内臓が飛び出てしまい(内臓ヘルニア)、それがポッコリお腹につながるのです。

産後のポッコリお腹を治そうと考えて腹筋をする人が多いですが、腹直筋離開が原因の場合、腹筋をするほどポッコリお腹がひどくなります。

腹直筋離開を改善するためには、先に述べたようなインナーマッスルを鍛えることが大切です。

こうしたことからも、産後にはインナーマッスルトレーニングを中心に行い、腹筋を避けるべきだといえます。

第五章のまとめ

今回述べたように、産後の弛んだお腹を引き締めるためには、腹筋運動ではなくインナーマッスルを鍛えることが大切です。

そして、インナーマッスルが働くためには、胸郭の柔軟性が重要になりますので、まずは胸郭のストレッチなどを優先して行うようにしていきましょう。

産後の弛んだお腹を引き締めるために必要なのは、きつい運動ではなく正しい運動です。

さいごに
いかがだったでしょうか?

今回の記事を読むことで、産後痩せるために、「食事制限」「骨盤矯正」「パーソナルトレーニング」などの、特別なダイエットが必要ないことが理解できたかと思います。

産後スムーズに痩せるためには、妊娠中から産後における生活を整えることが大切なのです。

なぜか、世の中では「産後はダイエットを頑張らないと体重が戻らない」という誤った認識があります。しかも、産後に無理な間違ったダイエットを行ってしまったばっかりに、そこから毎日体重計とにらめっこするような、ダイエット人生に入ってしまう人が少なくありません。

また、産後に痩せることに必死になって、余裕がなくなり、子供や旦那にイライラして生活が上手くいかなくなる人も多いです。

私はそうした現状をどうにかしたいと思い、本書を書きました。

・産後ダイエットを頑張ろうと考えている
・産後ダイエットが上手くいかずに辛い
・これから妊娠、出産を控えている

という人に、ぜひ本書を読んで、産後ダイエットを成功してもらえれば幸いです。

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食欲コントロールダイエット協会 代表理事 富永康太

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