これが本当の「スワッグ」の歴史

スワッグって?

最近、クリスマスにスワッグ(swag)という言葉を見たり聞いたりするようになりましたね。
インターネットには「スワッグとはドイツ語(あるいはドイツ)の壁飾り」と書かれています。
ですが、本当の歴史については、どこも信用ならない情報ばかりです。

いま人気がある壁飾りは花束を逆さにしたようなものですが、
これはイギリスでは「スワッグ」ではなく「ハンギング・バンチ」とか「スプレイ」と呼ばれていた記憶がありますが、
言葉は時代とともに意味も変化していきますので、最新の英英辞典でスワッグの定義を調べてみました。
1:中央が垂れ下がったガーランド
2:葉・花・果実からなるリース、クラスター(房飾り)、スプレイ(枝飾り)
3:フェスツーン
現在、スワッグという英語は総じて壁飾りをさします。
そして、前述の束ねるタイプのスワッグは2のスプレイにあてはまります。
世界で一番古い花飾りは花や葉を結んで紐状にするガーランドで、
紀元前十四世紀のエジプトではツタンカーメン王のミイラの首や柩を飾っていました。
ガーランドを輪にしたものがリース(花輪)で、
頭にかぶるとサークレット(花冠)と呼ばれ古代ギリシャ・ローマで一般的になっていきました。

ルネッサンス時代、ガーランドは豪華になり花・葉以外に果実・木の実・リボンで飾られフェスタ(祭り)にふさわしい飾りとなりました。
ここからフェスツーン(花綱)という言葉が生まれます。
(フェスツーンは彫刻や壁画、布・紙などの装飾模様にも表現され、現在でも定番の古典模様となっています。)

text & photo 月刊フローリスト

教えてくれた人

伊達けい子
津田塾大学大学院卒業後、ロンドンのコンスタンス・スプライ・フラワースクール卒業。テクノ・ホルティ園芸専門学校講師。

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