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子供達へのキャリア教育に本物の体験を!

企業はそもそも社会の課題を解決するために存在する。ならば、事業そのものが社会課題解決に繋がる活動であるべきだ。との考え方が本来、当たり前であるはずが何故か非常識になってしまっているのが今の日本社会。その根本を地域企業から是正していこうと本業で社会課題解決を行い、地域や社会と共有価値の創造を行うCSV経営の研究を行う経営実践研究会には高い志を持った経営者が全国で1000社近く集まっています。そこでは様々なプロジェクトが生まれ事業として立ち上がっており、その準備としていくつもの分科会での研究が行われています。
その分科会の1つ、ものづくり再生委員会の取り組みでもある、2023年4月に開校する職人育成の高校、マイスター高等学院を立ち上げた流れで私も同会の教育委員会に入れてもらい、これからの日本の教育について毎週話し合い、考える時間を持っています。

根本解決は教育にあり

同研究会に入会して2年近くの活動の中で、様々な社会課題を知り、向き合いました。そこで私が感じたのは社会に蔓延する全ての課題や問題の根本解決は教育にしか無いと言うことです。様々な業種、業態の方々と関わって多くの社会課題を見るにつけ、徐々にそのように確信するようになりました。国が豊かになるのも、生きづらさを感じている人に手を差し伸べるのも、格差を是正するのも、セーフティーネットを構築するのも、環境への負荷を減らすのも、全ては国民の意図であり意識のあり様であるはずです。シビリアンコントロールされた主権が国民にある間接民主主義の国である以上、国民の資質がこの国を創っていくし、逆に没落させるのは自明の理。そして経済と社会は切り離せない関係であることから、誰しもが依存ではなく自助の精神に基づいた高い生産性を持つ国民性にならなければこの国の未来はないと思います。そう考えれば、根本的な問題解決は教育に全てがかかっていると行き着きます。

学校教育に潜む社会課題

国民が経済性を担保するというのは、社会に出て活躍する大人が多くいる事が絶対条件です。しかし、日本は人類が経験した事のない人口減少の局面に突入しており、今後、生産人口は急激に減少の一途を辿ります。そのリスクは、ただ単に人数の問題ではなく、解決に外国から移民を招き入れたところで豊かな国になる訳ないし、全くイメージは全くつきません。
国民それぞれ、これから社会に出てくる若者たちが価値創造できる大人になることしか、この国難を乗り越える方法は無いように感じます。そのように考えると、教育しかこの国を救う道はないと思うのです。にもかかわらず、貴重な存在の若者の死因の第一位が自死であると言う事実、また、小中学生の不登校児童が33万人、高校中退者が毎年10万人にも上っている現状は現在の学校教育を根本的に見直す必要があると思わざるを得ません。子供達の置かれている現場そのものが社会課題だと言っても過言でない状況です。

中学校不登校生徒の就職の形態

学歴偏重社会の歪み

教育の課題と言うのは、幼児から社会人まで幅広く、その内容も多岐に渡ります。なかなか焦点を絞ることさえ難しいのですが、私が1番問題だと感じたのは、コロナ以降爆発的に増えていると言われる不登校の問題です。学校教育の枠から外れることが悪いのではなく、学歴社会からこぼれた若者を社会が受け入れる体制が整っていないことです。
近年、少子化の影響で学校の数は減少の一途をたどっています。しかし、不思議なことに通信高校だけは増え続けているのです。これは、今までの全日制高校に行って、大学受験を目指すスタンダードが崩れて、多様性のある学びができる環境になっていると解釈することもできます。しかし、実際は、通信高校を卒業した先に大学に進学する生徒は、決して多くなく、最低限の高校、卒業資格が取得できる程度の学習をして社会に出るのが実際です。残念ながら、現在の学歴偏重社会では、通信高校を卒業した若者に大して職業選択肢はありません。また、高校を中途退学した若者の6割が一生正規雇用されないとのデータも示されています。

学校は社会で活躍する準備の場所


オーストラリアでは、子供たちへのキャリア教育が丁寧に行われており、ハイスクールを卒業した後、8割が職業訓練校に進学するとのことです。大学は研究をするための機関であり、社会に出て活躍するのは、職業訓練校で準備をするのがスタンダードになっているとの事でした。日本の子供たちが学校に行かなくなるのは、様々な理由があると思いますが、その1つに将来のキャリアをイメージできず、学校に行く意味を感じられないことがあるのではないかと私は推測しています。できることなら、できるだけ低学年のうちに将来どんな職業について、世の中にどんな貢献がしたいかと言った社会に向き合う教育をするべきだと考えています。同時に、働く事の面白さや楽しさを伝えるべきだと思うのです。

本物体験のキャリア教育

現在、通信制高校の運営を行う法人として立ち上げを行っているマイスター育成協会では、小中学校やフリースクールなどに対して無料で職業体験のワークショップを行うプロジェクトを立ち上げ準備しています。ものづくりの楽しさや出来上がったときの達成感を感じてもらうとともに、職人として就職した先のキャリアパスを提示して、未来の自分の姿をイメージできる機会を数多く提供したいと考えています。また、学校で行う模擬体験であるワークショップだけではなく、実際の建物のリフォームやリノベーションのDIY支援を行うことによって、本物の体験を子供たちに味わってもらいたいと考えています。
実際、私が代表を務める、株式会社四方継では、昨年子供大くんによる古民家を回収しての図書館とカフェ作りのDIYをお手伝いしました。自分たちで自分たちの居場所を実際に作った体験はかなりエキサイティングだったようで、子供たちにもずいぶん喜んで貰いました。本物の体験としてのキャリア教育を全国に広げていく事で、子供たちに明るい未来を見てもらえるような環境を作りたいと思うのです。

DIYで作った図書館に併設されたカフェ

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4月5日、博多にてマイスター高等学院の事業説明会を開催します。キャリア教育にご興味のある方は是非お申し込みください。




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