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ニコニコしてるバカになれ 〜コーチングのインサイト〜

私がビジネスコーチングを受け始めてそろそろ20年が経ちます。セッションを受け始めた当時は明確な目標設定とそこにたどり着く為のサポートがコーチの役割だと言われていましたが、それから長い年月が経って、近年は少しずつコーチングの目指す内容も変わってきた様に感じています。

目標も計画も行動も苦手な人達

私はコーチにコーチングしてもらうだけではなく、長年セッションを受けて来た経験則を生かして(資格取得はしていませんが、)自分でもコーチとして1on1やグループコーチングを行ったりもしています。そんな中で気付いたのは、殆どの人はまだ見ぬ未来に対するイメージを想像して目標設定するのが苦手で、目標に対する計画を立てるのが決して好きではなく、そして計画通りの行動を継続出来ないとの事実です。とても残念ですが、金が最も重要視されるロジックと物質にまみれた今の世界では想像力は培われ難くなり、近視眼的な考え方が大勢を占めてしまっている様に感じています。

動物は縛られるのが大嫌い

そして、人(動物)は本来、縛られずに自由に生きたいとの願望を持っていて、何人たりとも自分を縛るものから逃れようとするものです。それは他人からの束縛だけではなく、自分自身との約束も同じことで、理性では分かっていても、本能的に自分で決めたことをその通りに実行する事が出来なくなります。これは動物としての野生なので致し方無いのですが、これを乗り越えられる人だけにコーチングの効果性が発揮されます。

Ikigaiが本能を凌駕する

DNAに書き込まれている野生の本能を乗り越えるのは一見、簡単では無さそうですが、実はそんな事は無くて意外と誰もが乗り越えられるし、意外と大概の人は乗り越えた経験を持っているものです。それは、ワクワクするやりたい!なりたい!との動機付けであり、好きで、楽しくて、得意で、周りの人に喜ばれること、しかもガッチリ稼げるとなれば尚更です。これらの要素が全て重なる部分をIkigai(生き甲斐)と定義されており、それを感じた時、縛られたく無い本能のタガを外して人は主体的かつ、能動的に物事に取り組み、子供が旅行に行く時の様に熱心に計画を立てる様になります。要するにワクワクが野生を乗り越える力になるのです。

5W1Hを無効にする落とし穴

冒頭にコーチング界隈の定義が少し変わったと書いたのは、このワクワクやご機嫌や気分良い状態を整える事がまだ見ぬ未来を想像したり、嫌々ではなく一生懸命に計画を立てたり、自分で決めた事に対して積極的に行動したりする根本になる事に気づき始めたからだと思っています。理詰めで、「今何を行うべきか?」と詰め寄って、「いつやるのか?」「何処でやるのか?」「どの様にやるのか?」と5W1H式で詰め寄って、半強制的もしくは誘導して詳細な計画を立てさせたところで人は本能に流されて縛りから逃げ出す事は想像に難くありません。ならば先ず、毎日を気分良く過ごせる様に整え、その先にワクワクする事を探させた方が結局、成果に繋がるのが分かって来たのだと思うのです。

バカ過ぎる鬼社長

ちなみに、私の場合はコーチングを受け始めてから2年以上の長きに渡り一切なんの成果も無かったし、変化の兆しさえ皆無でした。その理由は様々な要因が複合的に絡み合っておりましたが、今振り返って最も大きな原因として思いつくのは、その当時の私が「笑わない男」だったからでは無いかと思います。大工から起業して社長ではなく親分、スタッフと言うよりも若衆としてメンバーを扱っていた私は完全に軍隊式のトップダウン、上意下達のマネジメントを行っていました。年がら年中、ずっと鬼軍曹よろしく厳しい顔して怒っていたのです。今思い出すと穴があったら入りたいし、赤面どころではなくゾッとします。

難しい顔してたら既にダメ

そんな今、金、自分のパラダイムで事業を始めた私でしたが、ご縁に恵まれコーチングを受ける様になって、自分のダメさ加減に気付く機会を頂けました。コーチングを受け始めて3年目に入った頃に、全て自分でやっていてもダメだと漸く気付き、抱え込んでいた仕事を手放し、スタッフに任せる事にしました。経営者としての思考が出来る様になって来たのはその頃からで、怒るのをやめるのと同時にやっと未来に向けて意識が向いて、実現したい理念やビジョン、そのための中長期の計画を立案出来る様になりました。その大きな変化の全ては日頃にご機嫌に過ごせる様になったから、と言っても過言ではありません。コーチングが効果性を発揮し始めたのも漸くこの頃からで、随分と無駄な時間を過ごしたと思いましたが、今考えれば、それも必要なプロセスだったのかもわかりません。とにかく、ずっとニコニコしているとバカみたいですが、難しい顔をしていても何も変わらないと言うことだけは心に深く刻んでいます。(^^)

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グループコーチング形式で建築実務者が生き甲斐を見出せる研修を行っています。

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