見出し画像

社会課題解決とはスタンダードを変えること

私は、本業で社会課題を解決する経営者の団体で、経営実践研究会に所属して、世の中の悪しき構造を解消する事業の創出を研究し、実業に実装する実践を行っています。そもそも、社会課題解決とは、社会をより良いものにするために、今までの常識や慣習などを変え、新しい視点を取り入れることを指しています。それは今ある常識を変えることが不可欠で、言い換えれば、スタンダードを変える取り組みから始めることだと私は解釈しています。

キーストーンは関係性

一口に社会課題と言っても、その内容は広範に渡り、それぞれが深く絡まりあって、今の社会を形作っています。国民の高齢化と少子化、それに伴う人口減、景気後退と産業の衰退による貧困や格差の拡大、気候変動、社会インフラの老朽化等々、数え上げたらキリがありません。ちなみに、AIに社会課題を羅列してもらったら以下の回答が返ってきました。

・貧困問題 ・社会的格差 ・アルコール依存症 ・薬物乱用 ・子どもの虐待 ・高齢者の独居 ・社会的不安定 ・自殺者数の増加 ・食糧問題 ・環境問題 ・人種差別 ・性差別 ・孤独死 ・難民問題 ・犯罪の増加  ・人権侵害 ・労働問題 ・核兵器の問題 ・難民の人権保護 ・経済格差 ・子どもの労働 ・人口増加 ・ハラスメント ・健康問題 ・社会不適合者への差別 ・社会保障の問題 ・自然災害への対応 ・社会的偏見

AIに聞いた社会課題一覧

これらはそれぞれ単独の課題や問題ではなく、それぞれが複雑に影響しあって混迷度を増しています。解決不可能だと諦めてしまいそうになりますが、社会課題同士が繋がって絡み合っているということは、もしかするとキーストーンを外すことで全体の構造を大きく崩せる可能性があるかも知れないと思っています。その一つがアドラーが提唱した「人が持つ課題は全て人間関係にある」との説であり、要石はコミュニケーションの在り方の見直しです。先日のnoteにそのインサイトを書きました。

優しい世界は実現するのか?

コミュニケーションはやり方ではなく、人の在り方から見直すべきとの理論、「まず与えること」が世界でのスタンダードになればひょっとしたら世界から戦争はなくなり、貧困も解消するかも知れません。人は誰もが良知(人が生まれながらにもっている、是非・善悪を誤らない正しい知恵。)を持っていると強く信じている私としては、その可能性は決して否めないと思っています。しかし、まさか21世紀になって世界大戦勃発に世界が怯えるとは思っていなかったにもかかわらず、暴力が圧倒的な影響力を発揮している現状を鑑みると、そんな優しい世界になるのにどれくらいの時間を要するかは想像もつきません。
そんな人類が滅亡するまでに間に合い、叶えられるかさえ分からない理想の世界。私がこの世にいるうちに実現するどころか、端緒さえ見出すのが難しいようにも感じてしまう根本解決へのアプローチももちろん大事ですが、同時に目の前に迫る危機に対する対処も行わなかればなりません。

二項選択ではダメ

課題解決は、対処ではなく、予防的観点で根本原因を見つけ出し、キーストーンを外すことで、全体を瓦解させるべきですが、大きな問題ほど解決に時間がかかるのも自明。緊急を要する、今、目の前にある課題や問題、3年から5年ほどの中長期で対応すべき問題などといくつものレイヤーに対して同時にアプローチするしかありません。緊急度と重要度の2軸のマトリックスで整理して、優先順位をつけながらも、どれか、ではなくどれも、を選択して同時進行を進めていくのが、次から次へと社会課題が溢れ出している今の時代の向き合い方だと思っています。
〇〇か〇〇を選択する二項選択では、問題解決が新たな問題の発生に間に合わず、〇〇と〇〇の二項動隊の姿勢で課題に向き合わなければ一向に世の中は良くなって行かない思うのです。

社会課題とは目の前の人の苦しみの集積

冒頭に書いたように、社会課題の解決とは、常識をひっくり返すことであり、スタンダードを変えることです。私は創業時に職人の地位が低すぎる問題を解決しなければ、建設業界から職人がいなくなるとの危惧を覚えて「職人の社会的地位向上」を志に掲げて起業しました。20年前から職人に安定した環境を提供したいと正規雇用に踏み切って来たのはいわば業界の常識から外れた事でした。しかし、そんな自社内での小さな取り組みは、世の中になんらインパクトを与えるわけでもなく、そのスキームを一般社団法人職人起業塾で全国の建築業者に伝えて回りましたが、世の中の常識は全く変わる事はありませんでした。私1人の力では、世の中のスタンダードを変えるにはあまりにも無力だったのです。当然、私が感じていた社会課題、職人不足の危惧も一切解消されていません。
その取り組みは今、目の前にいる職人達の暮らしを安定させ、安心して生き甲斐を持って働ける環境を急いで整えたいとの想いです。そんな活動を続ける中でもう少し長い視点を持って、業界の改革に取り組む必要性を感じていました。

スタンダードをひっくり返せ!

1年半ほど前から経営実践研究会に合流して、様々な業界の課題を知り、それに向き合う人たちと触れ合う中で、学び、気付かされることが数多くありました。そこで私が見出したのは社会課題の解決を深掘りしていくと全て教育に辿り着くとのインサイトです。その学びを実践すべく、教育関係の人たちと連携して、私たちの業界の課題解決に応用すべく研究を重ねた結果、生み出したプロジェクトがマイスター高等学院の設立であり、5年後、建築事業所は職業訓練校として通信制の学校を併設する機関となるのをスタンダードにしたいと現在、全国でその準備を進めています。
誰かに育てられた職人を外注扱いで雇用して、福利厚生費をかけずに効率よく工事を行って収益性を高めるのがこれまで30年間の建築業界のスタンダードになっていました。効率を追い求めても人は幸せにならない。その原則に立ち返り、職人を道具ではなく人として見て、教え育むことで今までになかった付加価値を職人が生み出すようになれば、建築事業所のビジネスモデル自体を刷新することが出来る可能性があります。
常識をひっくり返す、スタンダードを変えてしまうしか、喫緊かつ重大な職人不足問題を解決に導く道はないとの結論に辿り着いたのです。業界を変える仲間を絶賛募集しておりますので、ご興味がある方は以下のイベントに是非足を運んみてください。

___________________


大阪オープンセミナー


福岡オープンセミナー

繋がってください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?