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やり方(Win-Win)から在り方(三方良し)にシフトする指南書5選

私が代表(あと5年)を務める株式会社四方継では現在、未来創造企業の認定取得にチャレンジしています。

SSC(サステナブル・ソーシャル・カンパニー)未来創造企業とは
「本業を通じた継続的な社会課題の解決」を事業目的の第一に掲げ、その実践により社会の価値や人々の幸福度を向上させ、よりよい社会を創り出すだけでなく、実践の結果生まれる利益を適切に分配(従業員等へ)・再投資することで企業の持続的な発展に努める企業」です。未来創造企業の推進を図ろうとする意欲のある中小企業を、一般社団法人日本未来企業研究所が「SSC(サステナブル・ソーシャル・カンパニー)未来創造企業」として認定する制度です。」
一般社団法人未来企業研究所HPより

論語知らずの三方良し

先日、未来創造企業の第4回目の認定研修があり、研修終了後の懇親会で「未来創造企業とは端的に言い表すと三方良しを実現する事業所のことであり、その源流を学ぶには論語を紐解くのが欠かせない。」と私が持論を振り回し、認定を受けられる企業の課題図書にすべきだと提言したところ、大先輩の第1期認定企業の経営者にそれは極端すぎると反論されて大激論に発展しました。結局、その議論を隣で聞いていた方からは「オススメされていた本を全て読んでみます!」と翌日メッセージが届き、それはそれでよかったのですが、オフィシャルな推薦図書を指定するべきとの私の案は採用される事なく、ハイボールと一緒に流れてしまいました。少し残念ではありますが、自分が確信を持って良いと思うものを人にすぐ押し付けようとする私の悪い癖で少し言い過ぎたのだと反省しています。

良い会社の定義と認証の意味と意義

これからの時代における「良い企業」を定義して数値化した指標を用いて認定する未来創造の制度は非常に良い取り組みだと思っています。これまでの財務指標だけの評価では無く、社員やステークホルダー、地域社会や環境に対して配慮し、価値を創造する事業所が増えれば、今だけ金だけ自分だけの価値観が蔓延してしまっている世の中の志向が見直され、世界的なムーブメントになりつつある持続的な循環型社会に変わっていくキッカケになるのでは無いかと一縷の希望を持って参加しています。そしてそれは即ち三方良しに代表される日本的経営が広く世界に広がっていく扉を開くことになるのでは無いか、奪い合い、殺し合う弱肉強食の強欲資本主義から世界が抜け出すことができるムーブメントになるのではないかとも思っています。

利己から利他へは学びと修行

自分達、自社だけの利益を追求するのではなく関わるあらゆるファクターに対して皆に良くなって貰える様な事業を目指すとの理念を私達、株式会社四方継では社名に埋め込み「四方良しの世界の実現を目指す」として事業所の存在意義と叶えるべき理想に掲げています。自分だけが良けりゃいいってもんじゃ無い。との考え方は人として当然の在り方ではありますが、それを事業に実装して様々な課題を克服して行くのは一筋縄ではいきません。また、人は誰しも自分がかわいいし利己に陥りやすい側面を持っており、それを防ぐにはしっかりとした思考の論理的整理をして深く得心しておく必要があります。その為に書籍による先達からの学びは不可欠だと思っています。

マーケティング・マネジメントの源流

現在の(というかこれまで)のマーケティング・マネジメント論の基本、原型はアメリカからもたらされてきたと思われています。経営の神様ドラッカー、自己啓発の第一人者スティーブン・R・コヴィー、アップルをはじめとしたグローバル企業の快進撃の扉を開き世界中に大きな影響を与えたジェイ・エイブラハムは原理原則系マーケティング理論としてもてはやされ、当時、経営のケの字も知らなかった私も随分と熱心に学びました。また、学んだことを実践に取り入れ、ジェイの卓越の戦略を自社に導入した事で今があると言っても過言ではありません。私に限らず、マーケティングマネジメントを学び始めた入り口を、上述の3人の長所に求めた人は少なくないと思います。

在り方に始まり、在り方に終わる

原理原則系のマーケティング・マネジメント理論を学ぶ中で最も重要な概念は「在り方」だと言われます。コヴィー博士が提唱した人格主義や状態管理、有名なインサイドアウトの概念も全て「在り方」を見つめ直すところから端を発します。そして、その部分について学びを深めていくと、最終的にたどり着くのは東洋哲学であり、論語であると言うのが私の持論です。そして、それを実際に世界で初めて事業に実装し、成果に結びつけて在り方を正す事で持続可能な事業モデルを構築出来ると証明したのが上杉鷹山公であると認識しています。あくまでも私の私見ではありますが、アメリカの元大統領、ジョン・F・ケネディが最も尊敬する偉大なリーダーとして上杉鷹山公の名前をあげていたのはつとに有名な話です。

上杉鷹山の経済学

日本の資本主義社会の礎を作ったとされる渋沢栄一が論語と算盤の両立こそが経済を発展させるといい続けたのは有名です。また、私が子供の頃、どこの小学校にも銅像が設置されていた二宮尊徳先生が薪を背負いながら手にしているのが論語であり、「道徳なき経済は罪であり、経済なき道徳は寝言である」と言われています。その源流をたどっていくと、いまだに岡山の閑谷学校で論語の勉強会として受け継がれている松山藩の山田方谷、そして破綻寸前の米沢藩を日本で最も豊かな国にした上杉鷹山公にたどり着きます。上杉神社の山門すぐ横に設置されている石碑に刻まれた伝国の辞こそ、あり方を見直すことで経済が発展し、多くの人の幸せを実現した世界で最初の事例であり、私たち日本の経済人が手本にするべき概念だと思っています。上杉鷹山公が実践した経済学はもっと広く日本の経営者に知られるべきだと思っています。

一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれ無く候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候
一、国家人民の為に立たる君にして君の為に立たる国家人民にはこれ無く候

右三条御遺念有間敷候事
天明五巳年二月七日  治憲
治広殿  机前
伝国の辞

現代から逆算して論語をひもとく方法

日本的資本主義の代表的な概念と言われる三方良しはコヴィー博士が世界に広めた取引上の関係性であるwin-winとは根本的に違う在り方です。事業に実装するには非常に難しいこの概念を深く理解し、得心するには先達の功績を学び、その源流である論語をひもとく必要があると思っています。その学びを得ることで混迷を極めるこれからの時代を生き抜くあり方を見出し、新しい時代に合ったビジネスモデルの構築が出来るようになると思うのです。難解でわかりにくいとされる論語を理解するために前段階として数冊の本を読了しておく必要があると私自身の経験で感じてきました。いかにその書籍の紹介をしておきたいと思います。是非、三方良しのあり方について、深い理解をしてもらえればと思います。

まずはやっぱり上杉鷹山

続いては山田方谷、著者は同じく童門冬ニ氏です

山田方谷に師事したされる最後の侍、河井継之介も映画化の鑑賞と一緒にどうぞ

そしていよいよ論語ですが、難解な論語の前に絶対にこの一冊を読むべき必読書です。

ここまで予習が出来たら本番です。読み方としては毎日、一節ずつ、正座して素読されるのをオススメします。必ず在り方から広がるマネジメント論の真髄に触れられるのを請け負います。一緒に戦争のない平和な世界を創ってまいりましょう!

PS.便宜上、AmazonのURLを張りましたがくれぐれも本は地元の書店で取り寄せてお買い求め下さい。

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