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断而敢行、鬼神避之 #島守の塔

昨年末、私が所属する経営実践研究会の実践研修で沖縄を訪れました。卓球のプロリーグとして発足したTリーグで「沖縄の貧困問題に着目し、沖縄の子供たちにスポーツを通して夢を持たせたい」との志を掲げてチームを立ち上げ、宣言通り3年でタイトルを取得し、同時に株式上場成し遂げた琉球アスティーダの早川社長やマジックエンターテイメントレストランのジャンルを確立し、マジシャンの地位向上を目指されているマジックオーシャンの前田社長等の社会課題解決型ビジネスの事例に実際に触れて体感し、学ばせてもらう研修と同時に、太平洋戦争の際に日本で唯一本土決戦に突入した沖縄の悲しみの歴史にも触れる機会を頂きました。鉄の暴風と言われる艦砲射撃と空襲に見舞われた沖縄の凄惨な体験を記録している平和祈念公園を見学して、改めて、戦争が巻き起こす悲劇とやるせなさ、そしてぶつける先のない憤りを強く感じる機会になりました。

沖縄と神戸の深い繋がり

平和記念公園のボランティアガイドさんに園内の案内をしていただいている際に、「実は兵庫県と沖縄には強い結びつきがあるんです。」と全く予想していなかった言葉を聞かされました。神戸から参加している私としては非常に興味を惹かれ、詳しく聞かせてもらいました。それは、戦時中アメリカ軍が沖縄への上陸作戦を始めるのが確実視されている中、命の危険を顧みることなく兵庫県から沖縄県知事に赴任した人がおり、沖縄の人々はその勇気と愛情に満ちた行政に今も深く感謝をしている。との事でした。恥ずかしながら、私はこれまで何度も沖縄を訪れているにもかかわらず、全く知らない事実を聞かされてご縁のある土地だったのだと改めて強親近感を覚えるとともに、その死地に赴いたと言われる人物にとても興味を持ちました。

沖縄平和祈念公園

最後の沖縄官選知事

その沖縄県知事は島田 叡(しまだ あきら)氏でネットで調べてみると1901年〈明治34年〉12月25日 – 1945年〈昭和20年〉6月26日?)とあり43歳の若さで亡くなられたようです。沖縄県最後の官選知事であり、兵庫県神戸市須磨区出身。座右の銘は、「断じて敢行すれば鬼神も之を避く」と書かれてありました。平和祈念公園を訪れた際のガイドさんの話を聞いて同じ神戸人として誇りを感じたのと同時に、死ぬと分かっている、若しくは危険に晒されるのが明白な役職を引き受ける強さに圧倒されましたが、その強さは座右の銘として長年胸に刻み込まれ来たものだったのだと気付かされました。まさに生き方の指針としてその言葉を右に置いていたのだと思います。

島守の塔

そんな鬼神を押し除ける強さで沖縄に殉職された島田知事の物語が映画化されており、現在、全国の映画館で封切りされていると聞きつけて、これは逃してはなるまいと早速映画館に足を運んで来ました。映画のストーリーは沖縄平和祈念公園で閲覧した資料通り、ガイドさんに聞いた話のままでありましたが、鉄の暴風に晒され、ガマと呼ばれる洞窟の奥深くに避難しながら、出来る限り民間人が犠牲にならない様に力を尽くし、最期まで職務を全うされる姿を映像で観てその強さに改めて圧倒されました。島田知事の様な自治体の首長がもう一度、現代社会に現れてくれれば日本はきっと良くなると感じましたし、今は官選ではなく、選挙によって知事が選ばれる事を考えると自分達の責任で未来を創れる首長を生み出さなければならないと思った次第です。そんな意味も込めて、この機会に映画館に足を運ばれる事を強くお勧めします!

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信念、信条、在り方を見つめ直す研修を行ってます。


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