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職人育成×空き家対策=建築CSVモデル

私が代表理事を務める、日本に本格的なキャリア教育を根付かせる職人育成の高等学校を運営するマイスター育成協会では、この度、モノづくりの世界で大きな活躍をされており、独自開発されたルナウエアなる蓄光材で総理大臣賞も受賞されたコドモエナジー社の岩本泰典社長に新しく顧問にご就任頂くことになりました。それを記念して先日、岩本顧問が兵庫県の里山地域の能勢町に所有される古民家を再生した道場にて合宿mtgを行いました。

W社会課題解決プロジェクトへの優しいオファー

岩本社長は兵庫県だけでなく、工場を展開されている福島県でも古民家再生の事業に取り組まれており、今後も継続して空き家になった古民家に新たな価値を吹き込み、地域で活用できる拠点にする活動を行われるご予定です。
今後、私たち一般社団法人マイスター育成協会にお力添えを頂く中で見習い職人として働く高校生に対して研修の場として古民家の物件を提供するとのご提案もいただいています。建設業界の圧倒的な職人不足と、中学校の不登校児童が激増している2つの社会課題の解決を目的とした職人育成プロジェクトの母体となるコミュニティー、経営実践研究会の藤岡会長にも同じように空き家を教材として提供する旨のお申し出を頂いていたり、空き家対策、空き家活用の取り組みをされている団体からも同じようなオファーを複数頂いています。日本のインフラ、生活の安全保障を担保する職人の育成に共感を寄せて下さる方が大勢現れてきたのは心強い限りです。

工事ができない物件たち

建設業界ではコロナ禍以降、資材の高騰が続いており、建設コストが以前の1.3〜1.4倍の価格に跳ね上がっており、工事をしたくても手が付けられない物件が頻発するようになっています。その一因に、職人不足の問題も勿論含まれています。
特に、空き家再生などのイニシャルコストを抑えて、低価格での利活用を目指す収益物件ではその傾向が顕著で、物件はある、テナントに入る顧客もいる、しかし、工事が出来ない、進まないと言った悩みを持つ事業者が多く存在しています。
残念ながら、円安が進み定着しつつある中、待っていても建築資材は高止まりしたままで下がる事は考えにくいことを考えれば、手をこまねいていても事態は好転することはありません。むしろ、3年後には全住宅の3分の1が空き家になるとも言われており、早めに手を打つ事が望まれます。

職人育成×DIYの可能性

職人不足と建設コストの高騰を解消するアイデアとしてDIYの手法が取り沙汰されるのですが、日本の建築法は世界で最も厳しいレベルであることを鑑みれば、個人宅のリフォームならまだしも、収益をあげる目的で賃貸に出す物件をDIYで施工するのはかなり無理があります。せめて、プロのアドバイスや指導を受けながら行うべきです。
このような解決困難な課題を解消するのが、この度、複数の方からオファーを頂いている職人育成高校の学生による施工、もしくは学生、職人の教官と共に行うDIYで施工費を圧倒的に軽減する手法です。
勿論、学生による施工なのであまり難しい施工については本職の職人の手が必要ですし、OJTの学生に支払う賃金も教官の職人の人件費もかかります。また、工期も通常よりもかなり延びるのはご了承頂く必要があります。しかし、これらの条件だけクリア出来れば今まで手付かずだった物件を動かすことが出来る可能性がありますし、職人不足の解消という社会課題解決に寄与することができます。

建築業界のCSVモデル

私たちマイスター育成協会では全ての事業所が教育機関になり、地域の子供達を受け入れ、学校運営を本業として営むことを提案しています。社会課題の解決と収益事業を一体化するCSVモデルの事業所に変容するのは、地域からの認知を変え、厚い信頼を得ることにも繋がります。これまでのスタンダードだった販促やプロモーションを熱心に行って集客をしては刈り取る、狩猟型のビジネスモデルは情報革命が行くところまで行き着いた今、完全に陳腐化しつつあります。
地域の子供達を社会で活躍出来る人材に育てながら、その子供たちと一緒に地域に溢れる空き家を再生し、街の復興の一助となれる事業所へとビジネスモデル自体を変容させることが可能です。
時代の要望とも言われる、経済的合理性の限界曲線の外へアプローチ出来る事業所は現在、殆ど存在していません。コストがかかることを理由に、誰もが手を付けられない職人育成と空き家再生。これを収益化することが出来れば、建築業界の新しいスタンダードが生まれる可能性があると思うのです。

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職人育成に取り組みたい、社会課題解決型モデルにシフトしたい。そんな想いを持つ同志を絶賛募っています。繋がってください。


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