見出し画像

現場を起点にした作る、売る、回すの三位一体論 ③management

経営者にとって、事業を行う上での大きな目標に環境の変化に強い持続可能なビジネスモデルの構築があると思います。もちろん、何のための事業か、その事業を通してどんな価値を提供するのか、と言うWhyとWhatが重要なのは当然ですが、事業は継続できてこそであり、持続可能なスキームを組み立てる事が同時に必要になります。激しく変化する外部環境に翻弄されることなく持続可能なビジネスモデルを構築するには数多くの、と言うより先行き不透明な今の時代においては考えてもキリがない位膨大な課題があるように思えます。
複雑で曖昧なぼんやりした問題に対してはシンプルに分割して考えるべし、その原則に立ち返って先日から事業に必要な3つのタスク「作る」「売る」「回す」に集約して持続可能な循環型ビジネスモデルの作り方についてまとめています、今日はその3回目にして私が本当は1番大事ではないかと思っている「回す(management)」について続けてみたいと思います。

回すとは

事業を回すとは、要するに計画を立てて実行し、計画通りの成果を手に入れる、単純にはそれだけです。一見簡単そうというか、職業人としてできて当たり前の事のように思いますが、実際はそんな簡単なことではなく、計画を立てるとは未来をイメージして綿密にスケジュールを組み立てることであり、実は大変ハードルが高く難易度の高いタスクです。年始、もしくは決算期のスタートに際して事業計画なるものを立てるのはどこの事業所でも一般的に行われるものです。また、組織が同じ方向を向いて活動し、成果を手にするためには未来に対して明確なビジョンを掲げて中長期の計画を立てるべきだとほとんどの経営者は認識しているはずです。このやっていて、出来ていて当たり前のような雰囲気もある「計画を立てる」ということが、実は曖昧で実現が難しい絵に描いた餅になりやすく、スケジュールを立ててもそれを守れずに単に取らぬ狸の皮算用になってしまいがち、これでは話になりません。

回すのは実践力

短期、中長期問わず事業計画を立てる、とは夢や希望や理想をどの様に(HOW)して実現するのかとの方法論だと思われがちですが、その本質は決めたことを決めた通りに実行することの集合体です。成果は常に状態に由来する原理原則から考えれば、目標達成は目標達成能力を身に付けることが出来るかにかかっており、顧客からの信頼も、設計スタッフのデザインスキルの向上も、問題解決の提案力も高い現場品質も、地域における事業所の認知を広げるのも、人材採用や育成も、そして顧客と約束した工期の順守も全てスケジュールを立ててそれを遂行すれば必ず達成出来る事ばかりです。引いては売り上げや収益も目標達成能力を培えば、計画通りに手に入れる事ができます。要は事業所のメンバーが一丸になって回す事への意識と責任感を持ち、計画通りに実践すればあらゆる課題、問題は解決する事ができます。逆から見れば、計画を立てるのが一部の経営陣でその計画が実働に落とし込めなければ、絶対に計画が達成する事は無いのです。

事業は回すの集合体

現在、私が代表を務める株式会社四方継では5年後の事業承継に向けてリーダーチームでのmtgを繰り返しています。モノづくりのブラッシュアップやマーケティング理論の実践を散々やってきた現在、最重要テーマとして掲げているのは「回す」です。まずは個々の担当の案件の計画を綿密に立てて、工期と利益の両面で計画通りに回す、全体会議ではそれらの案件をひとまとめに並べて、全体最適が叶うように全員で話し合い、助け合いながら調整を行う事を愚直に繰り返しています。これが完璧に行える様になれば、短期的な事業計画を立てて実行することが出来る様になる訳で、中長期の計画策定や時代を先読みした方向性を決定するなどの大きな視点での経営感覚はさておき、短期的な事業は回る力が備わり、難しく高いハードルがあると思われがちな事業承継はそんなに難易では無くなります。

ビジネスモデルのキモ

真っ当な事業経営、持続可能なビジネスモデルの確立を目指すとなると、やるべき事は山の様に無尽蔵にある様に感じてしまいがちです。10年ほど前までの私もまさしくそうで、一体何から手をつけていいか分からず、闇雲に目の前にある課題に集中すると言いながらその実、対処に追われるばかりでした。作る、売る、回すの3つのそれぞれを順番に片付ければいいと気づいてから、随分と思考がシンプルになり、それぞれに集中できる様になりました。今はとにかく「回す」スキルをスタッフ全員と共有して決めた事を決めた通りに実行できる様な組織づくりを目指しています。持続可能なビジネスモデルの構築も、事業承継もそこが一番のキモだと思うのです。

_________________________

自立循環型モデルを支える人材育成のサポートを行ってます。

職人会社の新しいかたちを目指してます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?