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小さな工務店が取り組む理想の組織への挑戦 〜序文② 職人育成事業所の5つの条件〜

令和3年4月3日晴れ

新年度のスタートに合わせて組織改革論と改革を進める実際の取り組みについて書き進めています。ここまで私が考える理想の組織とそれを実現するための具体的な取り組みについて書き綴ってきましたが、管理統制を旨とするヒエラルキー型を撤廃して、個々のスタッフに裁量を渡すフラット型組織を目指していることについてホラクラシー型組織(に近い)と言う表記をしていたところ、少し違うのではないかとご指摘をいただきました。ご指摘の通り、私はティール型組織を目指してきたわけではなく、どちらかと言うとアメーバ型の全体最適を目指すチームを標榜してきました。似て非なるものと言うことで誤解を招くような表記だったことを認め訂正いたします。
ここまでの流れとご指摘を頂いた記事はこちら。

誰のために組織はあるのか?

組織は誰のためにあるのかと言う根源的な問いに向き合ったとき、私の答えは組織を構成する人たちのためにある。となります。もちろん、その考え方自体が組織の存在意義として認められるとは思わないので、その組織が目指す目的が非常に重要になりますが、目的のために組織が存在するわけではなくて、組織があるから目的が存在すると考えます。この大前提に立って理想の組織論を考えたとき、そこにいる人にとって最適な組織が理想のそれになるわけで、組織の数だけ理想の形は違うようになると思うのです。なので、〇〇型組織などと言う枠組みに当てはまる必要は全くなくて、独自の企業文化、組織風土を作っていけば良いと思っています。

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職人育成事業者向けの組織論

そんなわけで、私が理想として掲げる組織論が他の会社に当てはまるかどうかは分かりませんし、何の参考にもならない可能性もありますが、建築業界において(それ以外の分野でも)職人育成をしている会社は年々減少を続けて絶滅しかけておりますし、圧倒的な職人不足が業界全体の喫緊の課題になっていることを考えれば、20年にわたって自社大工の育成に取り組んできて、これから事業継承して職人を守り育てる事業所としてのバトンを次世代に渡す取り組みをしている我々の事例は職人不足解消の1つのアプローチとして参考にしてもらえれば幸いです。

理想の組織5つの条件

改めて私が持論として掲げる理想の組織の条件をまとめてみると
①組織の存在価値が認められ、自社独自の市場(マーケット)を持っており外部環境に左右されずに経営が持続できる。
②組織に在籍しているメンバーがやりがいを感じそこで働くことが自己実現の場になっている。
③組織の存在目的がメンバー間で共有され、その実現のために全員一丸となって事業を行っている。
④管理命令型の属人的なリーダーシップで組織が成り立つのではなく、メンバー間での合意形成で組織が運営されていく。
⑤メンバーの成長と新陳代謝が滞りなく起こり世代を超えて事業が継続されていく。
以上の5つの条件が満たせれば良いと思っています。要するに、私の組織論は成長拡大を続けることに価値を置いておらず、地域に根ざした企業として持続継続的なサービスと責任を全うする自立循環型の組織を理想としています。このような考え方にはもちろん賛否両論あるとは思いますが、地域に根ざしたインフラを担保する事業所としてはとにかく存続し続ける事自体が非常に大きな責任だと考えています。

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経営者の仕事の究極は組織作り。

私たち経営者の仕事は売り上げの源泉を作るマーケティングやブランディング、事業所の成長促す人材採用や育成、持続性を高める財務の強化、そして、永続へのステップである事業継承と多岐に渡りますが、それを乱暴に集約すると経営者が行うべきは理想の組織を作り上げ、それを持続継続させることだと思っています。上述した理想の組織を作り上げるための5つの条件はどれも複雑に絡み合い、1つずつ順番に片付けていけば良いと言うほど単純なものではありません。全てを同時進行で改善を繰り返しながら、3歩進んで2歩下がるが如く、満潮時に寄せては返す波が少しずつ水位を上げて満ちていくように強い引力を持続させて粘り強く取り組みを続けなければたどり着くことができないと思っています。そして、1つずつのタスクには様々な選択肢があり、方向性を固めるとともに整理をしていかなければ迷路のように同じところをぐるぐると回ってしまいかねません。私自身、そのような経験を何年も繰り返しておりますが、少しでも分り易くつきやすいように、次回からは上述の5つのタスクを分解して、1つずつ考えてみたいと思います。お付き合いいただければ幸いです。(笑)

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