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第5回未来創造企業認定式典で起こった激変

東京、目黒の雅叙園は和の雰囲気を醸したラグジュアリーなホテルで、建築を生業にする私としては贅を尽くしたデザインに興味深々、大好きな建物です。毎年、そこで未来創造企業の認定がおこなれており、今回、第6期の認定式典が行われました。認定企業としては記念すべき大切な日。第5期で先に認定された私はその時の感動を思い出しつつ、認定企業の事例プレゼンの依頼をされた事もあって式典に立ち会うべく東京へと足を運びました。

雅叙園東京目黒

幸福度ランキングと地域企業の役割

今回の認定式も未来創造企業認定の評議員の皆様が集まって下さっておられました。基調講演は未来創造企業の認定基準策定に関わって下った、日本総合研究所 松岡理事長で最新の都道府県幸福度ランキングについての解説を頂きました。地域企業の活躍が地域の活性化、幸福度向上に大きく関係するとの言葉を頂き、未来創造企業が全国各地に誕生する意味と意義を説かれました。幸福度を推し量るのは教育と仕事が切り離すことが出来ない、そこに注力した自治体がランキングをあげているとのインサイトは全企業の98%を占める私達、地域企業が人に寄り添う経営に踏み込むべきとの示唆を与えられているように感じました。

日本創造研究所松岡会長の基調講演

産学界トップランナーの評議員

今回の認定式にご出席頂いた評議委員は、認定研修でも講義を頂いている小樽商科大学大学院 准教授 泉先生、地域活性化の事業を全国で幅広く勧められている株式会社ウエダ本社 岡村社長、私も参加した本學塾で陽明学の解説を頂いている社会保険労務士名南経営 相談役 小山先生、建築業界からは株式会社リブラン 創業者 鈴木静夫氏、一般社団法人人間力大学校 校長 天明茂氏、前加西市長で芦屋市長選への出馬が話題になっている元大阪市北区長 中川ちょうぞう氏と超豪華なメンバーで、今回も認定企業による会員プレゼンに対して愛情溢れる応援歌の様なコメントを頂きました。

第5回未来創造企業認定式典

経営者のライフワークと事業承継

私も短い時間ではありますが、20年間に渡り持続可能な自律循環型社会とビジネスモデルの構築に向けて実践を積み重ねてきたCSV経営について話させてもらう機会を頂き、地域活性化、課題解決と本業を一如にした事業計画とその成果について話させて頂きました。最後の総評で泉先生が事業承継の重要性と経営者のセカンドキャリア、ライフワークを持つことの重要性を説かれたのは、私の発表の内容と非常に合致しており、未来創造企業の本質を示して頂いた様に感じました。事業に持続可能性を高めることが新たな価値創造に繋がると、当たり前ではありますが、改めて早めに事業承継の取り組みを進めるべきだと思わされました。

第6期未来創造企業

未来創造企業認定の大きな変化

お祝いムードでいっぱいの認定式典では、今回24社が認定を受けて認定証を手にされました。その中でも特筆すべきことは、1/3近くの7社が建築業界の事業所だったことです。これまで、ブラックでグレーでガバナンスに対する意識が杜撰で、あらゆる産業の中でも最も労働法令遵守に対して問題があると言われ続けてきた業界が製造業やサービス業を押しのけて認定事業所の割合が最も多くを占めているのは私にとっては衝撃的に嬉しい結果でした。漸く、重く固かった扉が少し開きかけた、そんな風に感じられました。

建築業界のイメージの刷新

上述の誰もが知っている様な著名な評議委員の審査を経て、厳しい基準をクリアして、社員、顧客、取引先、地域、社会、地球環境に配慮していい会社だと認められる事業所は建築業界で増えることの意義は計り知れません。世間から見た目も変わるだろうし、これがスタンダードになれば、若者が職人になりたいと言い出したら親が泣いて止める職種ではなくなり、子供達が夢を持ってモノづくりの世界にどんどん飛び込んでくれる様になる可能性が高まると思っています。建築業界を根底から変える大きな歴史的瞬間に立ち会えたと感じて嬉しくました。

社会性と経済性の両立

経営者ならば誰しも、自社をいい会社にしたいと思っているはずです。しかし、従業員にキッチリと残業代を払えば、利益を圧迫するし、顧客に厚いサービスをすれば売り上げは変わらないのに人件費が嵩む、環境に優しい商材や資源は大体コスト高に繋がりますし、取引先を値切ればその分粗利は増大します。いい会社にしようとすればするほど、常に正しいことと収益性との間で迷い揺れ動いてしまいもの。しかし、今だけ、金だけ,自分だけ良ければそれでいいと経営者が割り切ってしまうとその事業は社会課題を生み出し続ける事になってしまします。これでは日本の未来はお先真っ暗です。

建築業界のスタンダードが変わる

第三者機関によるいい会社の認定を得るために、経営者がスタッフと共に法令遵守にコミットメントし、従業員満足、顧客満足だけでなく取引先との良好な関係、地域への貢献、社会的な評価を得られる取り組み、そして地域環境への配慮を事業計画に落とし込む必要性を学び、それを実践することで認定を受けられるこの制度はまさに地域企業から日本の未来を創造する事に繋がります。未来創造企業認定取得が建築業界のスタンダードになるのを夢にみて、認定取得のサポートをこれからも積極的に行っていこうと思います。とにもかくにも、このたび認定取得された事業所の皆さん、本当におめでとうございました。

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未来創造企業認定チャレンジへのキックオフなどサポートを行っています。

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