記念すべき第1号合格内定出しました!@マイスター高等学院
昨年から様々な準備を重ねてきた、職人育成の高等学校、マイスター高等学院の2023年度新入生の募集を正式にスタートしました。高校、卒業の資格取得と同時に、社会に出て活躍できる考え方と目的意識、そして主体的に成長のための自分との約束を作り、行動できる習慣化の力を身に付ける。そして職人としての技術もOJTで身に付けることができる社会に出る準備としてのこれまでになかった通信制の高校です。
記念すべき第1号内定
学校案内のパンフレットや入学、願書などの書類の体裁を整えたのと同時に、早速この学校に興味があると、この春中学校を卒業する若者からの反響を受けて、第1号の入学面接試験を行いました。
もうすでに3学期がスタートしているタイミングと言うこともあり、他校で推薦入学の合格通知を受け取っているとの事でしたが、その学生は小学生の頃から大人になったら大工になりたいとの希望を持っていたとのことで、他校を断って入学したいと強い意思表示をされました。私としては、大工になるのが夢だったと言う今時稀な子供を断る理由は全くないことから、即日合格の内定を出しました。
決め手はキャリアパス
面接に来た中学生の若者がマイスター高等学院のスキームの中で、最も興味を示したのは、等級制度によるキャリアパスの運用の部分でした。普通の高校に進学すると、3年後に見習いの大工として就職するのが、この学校に進学したら、3年後、見習いではなく、職人層としてスタートが切れるのは、将来の大工としてのキャリアにとって非常に大きな違いがあると感じたようです。私が最も伝えたかったのは、社会から求められる職人は、技術の高さはもちろんですが、何よりも人間性が重視されると言うことです。その部分に焦点を当てた目的、意識を明確に持ち、自分だけ良ければ良いと言う利己的な考えではなく、周りの人に喜んでもらえるような働き方を出来るようになることで、周りから支持され、応援される職人になる事ができます。その部分のカリキュラムが充実していることについては、時間をかけておいおい伝えていきたいと思っています。
職人育成の機関が消滅
この度の職人育成学校の開校は私が20数年前の創業の志に掲げた「職人の社会的地位向上」を具現化する大きな1歩だと捉えています。昔ながらの職人の世界では、徒弟制度により若手の育成を行っておりましたが、分業化と大手による寡占化、消費者の意識の変化等の複合的な要因により、住宅産業の構造自体が大きく変わり、職人の地位は著しく低下し、徒弟制度は跡形もなく崩れ去りました。職人の育成は先行投資であり、それができる体力のある事業所しかできないにもかかわらず、目先の収益にとらわれてそこに踏み込む経営者は、圧倒的に少ないのが現状です。その結果、壊滅的な職人不足に陥りつつあり、この10年で構造的な改革ができなければ、日本の建築業界は存続できないほどのインパクトを受けることになります。これは災害大国でもある日本の生活インフラの安全保障を根本から揺るがす大問題と言っても過言ではありません。
受け入れ企業のガバナンス整備
その課題解決に対するアプローチは単純で建築現場で働くことが若者に受け入れられ、職人になりたいと思ってもらうしかありません。その為に最も必要なのは職業選択の自由がある若者に比較検討されても選ばれる事業所、ひいては業界になるしかありません。しかし、ブラック、グレーの業界としての認知がすっかり定着している現在、各事業所が声高に、ウチはいい会社です!と言ったところで悪いイメージは払拭されません。私はこの20年間、身をもってそれを体感してきました。そこで考えたのが良い会社であることの第3者による認証制度を建築業界に広めることです。マイスター高等学院で生徒を受け入れる企業はキャリアプランや評価制度の運用と共に全社未来創造企業の認定を取得することを決めました。これは非常に難しい判断でしたが、職人不足の根本的解決には避けて通れないと判断しました。
スタンダードの転換
若者に明るい未来を感じてもらえるカリキュラムも出来た、近畿エリアで10社以上の受け入れ企業のガバナンスも整った、企業が求める誠実で主体性を持ってコツコツと努力を重ねる人間力を醸成する授業の用意も出来た、各社のOJT担当への教育コーチングの資格取得も確定した。道具のように作業だけを行う職人ではなく、自分の頭で善し悪しを考え、現場での本質的な価値創造を担う職人育成の環境が随分と整いました。今後は、各受け入れ事業所が地域の学校に出向き、ものづくりの世界で活躍できる選択肢があることを子供たちに伝える活動を行いながら、実際に生きがいを感じながら、生き生きとキャリアを積み重ねながら働く若者を育てていく実践を愚直に進めるのみ。そんな地に足がついた活動を続けることで、マイスター高等学院の参画事業所が全国に広がり、業界のスタンダードになることを夢見ています。
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命をかけて、職人の社会的地位の向上の実現に突き進んでいます。是非繋がってください!
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