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ワンデイプロジェクト@三重 Vison(ビソン)と伊勢角屋麦酒 その1

「本業で社会課題を解決する」をテーマに高い志を持った経営者が集まる経営実践研究会の活動でワンデープロジェクトなるイベントに参加して来ました。今回の開催地は三重。少し前に数多くのメディアで取り上げられ大きな話題になった、コロナ下で果敢にオープンした地域創生の大規模複合施設Visonとcraftビールの有名ブランド伊勢角屋麦酒の本社工場を訪問、多気町で地元商工会や観光組合のトップを務められ、地域創生を牽引されている万協製薬の松浦社長と、天正から続いている老舗餅屋の21代目当主であり、国内外のクラフトビールコンテストで金賞を総なめにしている伊勢角屋麦酒の鈴木社長との超有名経営者のお二人にどん底から這い上がって卓越した業績を残されるまでのリアルで赤裸々なお話しを聴かせて頂き、非常に充実した素晴らしい機会に恵まれたことに喜びました。大量のインプットをしたので数回に分けて備忘録がてら気付きをまとめておきたいと思います。

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事業創生と地域改革

夜明け前に神戸を出て、名古屋経由で三重県の多気町にあるVisonに到着したのが午前10時。昼過ぎまではランチも兼ねて万協製薬の松浦社長の講話と食事会でした。万協製薬は元々神戸で立ち上げられた会社で阪神淡路大震災で社屋が倒壊、その後再建築に制限がかかる激震地区に指定され、事業の再建困難に陥ります。社業の完全停止が続き、一旦社員も全員解雇して莫大な借金を背負った状態で社長1人が事業再建を目指してこの地、三重県多気町に来られたとのことです。震災前までの業態は大手製薬会社のOEMでの薬の製造が殆どを締めていたそうですが、事業再建の際に90%以上の受注を頼っていた大手に簡単に捨てられたのをきっかけに、自社ブランドでの医薬品の製造販売に踏み切られ、今では経営品質対象を2度も受賞されるなど、超優良企業としてその名を馳せるまでになられました。破綻しかけた製薬会社を1人で立て直した例は世界にも皆無らしく、松浦社長の卓越した経営手腕は自社だけではなく地域全体の経済活性化にも生かされておられるようでした。今回の講演のテーマは「事業創生と地域改革」となっており、地域も事業所も持続可能な収益を循環させる状態を作り上げるには根本的な部分は同じであると言うことを松浦社長は伝えられたかったのだと感じました。


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リアリストが語る原理原則と実践

松浦社長がどん底から日本で有数の超優良起業へと事業再建された経緯と共に、経営を行うにあたって重要な要諦の数々をご紹介くださいました。リアリスト然とした独特の切り口や言い回しで非常に面白くリアリティーのある理論を展開されましたが、それらを集約してみると決して奇を衒ったような施策は何一つなく、江戸時代の三井高行が行ったイノベーションを引用されたりと古典的な原理原則論がその根本にあることに気付かされました。ただ、何を聞くかよりも誰から聞くか、卓越した手腕を発揮されている実践者の言葉はやっぱり圧倒的な真理として胸に迫ってきて、まさに実践研修の場にふさわしい学びが溢れておりました。そんな松浦社長の講演の中で私の中で最も印象に残り、これが奇跡とも言えるような万協製薬の事業再建を果たされた肝かと感じたのは「誇りと正しい怒り」を持てとの言葉です。昨今は怒りや奮の力といったマイナスのエネルギーを増大させるのではなく、もっとプラスのモチベーションで事業を行うほうがうまく行くと言った風潮がありますが、昭和時代を生き抜いた私達は、苦しみや悲しみ、嘆きから生み出されるパワーの強さと持続力を知っています。ただ、ダークサイドでの思考と行動は周りの人を犠牲にすることになったりもしがちです。その絶大なパワーを使いつつ、良い方向に事業を進めて行くには「正しい」を自分なりに何度も咀嚼して誇りを持っていきるかどうかにかかっているような気がします。非常に深い示唆をいただきました。

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Visonにみる建築と人の営み

松浦社長との食事会を終えた後は、松浦社長が行ってきた地域改革が火種となり全国に類を見ないと言われるほど大規模で精神的な地域経済振興をテーマとした施設Vison(ビソン)を見学、コンセプトとデザインが生み出す大きな価値と可能性を体感しました。チャレンジングな建築物の数々は一見に値するのはもちろんですが、人を集めて経済を潤すには箱ではなくその中身の方が重要なのは自明の理、「美し国三重」を堪能できる、今、ここにしかないものが1日で回れないほど圧倒的な量で集約されていました。数ある施設はそれぞれ個性を発揮しながらも、同じコンセプトに基づいていることが感じ取れ、店舗内装だけではなく商品のパッケージから陳列、働いている従業員の制服まで丁寧にデザインされておられました。箱と中身の両方が多様性を重視しつつも、同じ方向に統合されている様は圧巻の一言で、建築に携わる事業者として大いに学ぶべきところがありました。建物は地域と、そこでの人の営みと共に作り上げていくべきものだと改めて深く胸に刻込んだ次第です。写真でどの程度伝わるかは疑問ですが、以下にご紹介しておきます。続く。

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神戸の地域から四方良しの世界を目指しています。

実践する人材育成をテーマに研修事業を行っています。


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