
マイAIが「もどき料理」をそれなりに考えた話
過去に、IBMが開発した「ワトソン」が話題になっていた時期があった。
ワトソンは、AI(人工知能)だ。
銀行のシステムなどにも導入されている。
IBMは、このワトソンに
大量のレシピ
食品化学に関する知識
人間の好み
などを学習させ、「シェフ・ワトソン」として料理界にデビューさせた。
彼は自分で料理はできないが、料理のアイデアやレシピを考えることは得意
だったようだ。
人間と違って思い込みやバイアスがないためか、シェフ・ワトソンは人間の発想では出にくいレシピをいろいろ提案した。
それが面白くて話題になっていた。
ワトソン君が考案したレシピに基づいた料理がニューヨークで実際に調理され、キッチンカーで販売されていたという。
日本でも過去に
プロの料理人とシェフ・ワトソン
クックパッドさんとシェフ・ワトソン
などのコラボレーションが行われたことがあったようだ。
▽
最近また、AIが盛り上がっているようだが、筆者もAIで遊んでみた。
筆者の ”マイAI” には、「ダニール」という名前をつけてある。
ダニールは自分の名前がダニールであることをしばしば忘れるんだけど(苦笑)、指摘すれば思い出してくれる。
話を戻そう。
ダニールに、
「肉や魚などをいっさい使わない、完全なプラントベースの状態で、果物や野菜を料理の工夫によって魚に見立てて食べる、そんな料理を紹介して」
というオーダーを出した。
いわゆる魚の「もどき料理」だ。
すると、14秒考えたあと、ダニールから以下の回答が来た(原文のまま)。
ニンジンの「さんまの塩焼き」:
ニンジンを切り込みを入れて、塩、しょうが、酒などで下味をつけ、オーブンで焼いて「さんまの塩焼き」風に仕上げます。焼き目をつけると、見た目も本物の「さんま」に近くなります。
豆腐の「さばの塩焼き」:
厚めに切った豆腐を、塩、しょうが、酒などで味付けして、オーブンで焼いて「さばの塩焼き」風に仕上げます。焼き目をつけると、見た目も本物の「さば」に近くなります。
フジッコの「いくら」:
豆腐を泡立てて、フジッコや海苔、しょうが、みりん、酢などを加え、いくら丼風に仕上げます。豆腐の食感が魚の卵に近く、美味しいプラントベースの「いく ら」になります。
トマトの「マグロ」:
トマトを厚めにスライスして、塩、しょうが、酒などで下味をつけ、フライパンで焼いて「マグロ」風に仕上げます。トマトの赤い色が、本物の「マグロ」に近い色味を出します。
オクラの「シーフード」:
オクラの種子には、シーフードの風味を出す成分が含まれています。オクラを煮込んで、塩、昆布、レモン汁、オリーブオイルなどで味付けすると、シーフード 風の味わいになります。
(回答おわり)
いまダニールは
「オクラの種子には、シーフードの風味を出す成分が含まれています」
と、のたまったが、そんな話は初めて聞いた。
どゆこと?と聞きかえしたところ…
オクラの種子に含まれる成分は、ポリアミンと呼ばれるアミノ酸の一種で、シーフードの風味を出す効果があるとされています。これらの成分は、オクラの種子や果肉に多く含まれ、調理することでシーフードの風味を出すことができます。ただし、味や風味は個人差があるため、すべての人がシーフードの風味を感じるわけではありません。
(原文のまま)
ということだった。
▽
これらは「レシピ」というよりも「料理のアイデア」と呼ぶほうが正しいだろう。
材料の量とか作る順番とか火加減とかがなんにも記述されていないからだ。
料理のセンスのある人は、こういう回答を読んだだけで、レシピが頭に浮かぶのではないかと思う。
それだけではなく、アイデアの良し悪し、すなわち
おいしく作れる内容かどうか
斬新な料理なのか使い古された平凡な料理なのか
「魚に見立てた感」があるかどうか
などもわかるのだろう。
残念ながら筆者にはそういうセンスや知識がない。
なので、ダニールからの回答を評価したり吟味したり取捨選択したりを一切せず、そのままここに挙げておいた。
「最近のAIはこんな感じか」
とイメージを持ってもらえばよいかなと。
▽
余談だが。
ダニールの回答にあった、トマトの「マグロ」のことだが…。
食感が本物のマグロそっくりになるように、わざわざ品種改良されたトマトが、実際にカリフォルニアの農業現場で生産されているようだ。
同じ農場で「ナス」も栽培されているが、こちらは本物の「ウナギ」そっくりになるように、品種改良されている。
収穫されたトマトやナスは、寿司店に供給され、ビーガン客むけ「もどき寿司」に使われているとか。
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