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栄養素のネーミングになんとなく不安感がただよう件 :-)

野菜に含まれる栄養素には、タンパク質、脂質、炭水化物があり、「3大栄養素」と呼ばれていますね。
さらにビタミン、ミネラルも含めると「5大栄養素」となります。

近年はこれに加えて「ファイトケミカル」がクローズアップされるようになりました。

ファイトケミカルとは何か、については説明を省略するとして、ここではネーミングの話をします。

昔はほとんど知られていなかったファイトケミカル。
でも昨今はいろいろと知られています。
たとえば

  • アントシアニン

  • カテキン

  • βカロテン

  • リコピン

などはもう、だいたいだれでも知っている定番といっても差し支えないのでは。

そんなファイトケミカルですが、ファイトケミカルは種類がやたらと多いうえ、今も次々と新しいのが発見されているようです。
その結果、あくまで想像ですが、

研究者の方々は発見した新しいファイトケミカルの命名、つまりネーミングに苦労なさっているのではないか?

と思うんですよね。

前述の「5大栄養素」にはない苦労です。
「5大栄養素」はもう増えないから、名前をつけることはないのですが、ファイトケミカルはまだまだ増えますから。

既存のファイトケミカルと同じ名前にするわけにはいきません。
つまりだんだんと命名の条件が厳しくなってくるわけです。

最初は、命名もカンタンだったでしょう。
しかしだんだん「余裕」がなくなり、近年は新しく発見されるたびに、

「また見つけちゃった。名前どうしよう」
「リコピンっていうのは、どう?」
「それはもうある」
「じゃ、カテキンっていう名前は?」
「それもある」
「カロテンはどうかな」
「あるってば! わざと言ってるだろ」

みたいな激論が繰り返されているのでは?
(あくまで想像です)

それっぽいシンプルな名前がどれも使用済みになりつつある中、新しく発見されたファイトケミカルは、
科学的な考え方にもとづいて命名しようとすればするほど、素人目には語感がおかしくなる
という傾向にあるようです。

以下はすべて実在するファイトケミカルの名前です。

  • たとえば、何の栄養効果もなさそうな名前がつけられたりします。(例)「ガラクタン」

  • 悪の帝王が人類にむかって言い放つような名前もあります。(例)「シネオール」

  • 今日のところはいっぺん帰れ、という意味の方言に聞こえるものもあります。(例)「アスタキサンチン」

  • アニメの主人公が魔法をかけるときに叫ぶ呪文みたいなものもあります。(例)「ラクチュコピクリン」

このように、

  • 語感がおかしい

  • 素人には何に含まれているのか、さっぱりわからない

そんな名前が氾濫してきたのです。

しかし、その問題を解決する方法がないわけでもありません。
最近は、

納豆から抽出した栄養成分なので、「ナットウキナーゼ」

つまり「そのままじゃないの」とツッコミたくなる新機軸の命名法も登場しています。

そのまんまじゃないの、の例は、ほかにも以下のようなものがあります。

  • ゴマから抽出→「ゴマリグナン」

  • シソから抽出→「シソニン」

  • ナスから抽出→「ナスニン」

  • ネギから抽出→「ネギオール」

ゴマの場合はもう1つ「セサミン」も有名ですが、これもゴマをあらわす英語名のセサミから来ていますね。

こうした名前だと、命名するほうも楽。
われわれ素人も、名前を見ただけで、その物質が何に含まれているかがすぐにわかる。

これは便利です。
買物で「今日はナスニンを吸収したい」と思ったら、ナスを買えばよいわけです。
「今日はネギオールをとりいれたい気分だ」と感じたらネギを買えばよいのです。
(そんな買物、したことないけど)

世の中、ようやくわかりやすくなりました。

新機軸、「そのままじゃないの命名法」は、研究者のあいだでで一世を風靡しました。
(あくまで想像です)

しかし、このメソッドにまったく問題がないわけでもありません。
以下のような名前のファイトケミカルが本当に存在しているからです。

(例)「イヌリン」「クマリン」

これは誤解するかもな…。

ファイトケミカルに名前をつけるお作法は、まだまだ奥が深いようです。





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