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食育vsサプリメント勝つのはどっち

食育とサプリメントは、さほど相性のよい同士ではないようです。
とくに日本はそうです。
食育を専門に語る人たちも、サプリメントのことはあまり語りたがりません。
語るにしても、せいぜい
「食事の補助として考えましょう」
と煙たそうに話す程度です。

いっぽう、サプリメントをせっせと飲む人たちの多くは、あまり食育的な話をしないようです(あくまで一般的な傾向ですが)。

なんとなくですが、

  • 食育に熱い人=サプリは好きじゃない

  • サプリ派の人=食育にあまり関心がない

みたいな分断を、肌で感じています。

サプリメント大国といえば、アメリカです。

アメリカでサプリメントといえば、GNCが有名でした。
GNCとは、General Nutrition Center という、全米に展開していたサプリのチェーン店。
店員さんが丁寧にいろいろ説明してくれるのが人々に受けていました。
いっとき、GNCのお店はどこにでもあったような気がしています。

さて、そんなGNCに初めて入ったとき、ちょっと衝撃を覚えたのでその話をします。

マグネシウムのサプリを買おうとして、どこに置いてあるのか店員さんに尋ねたところ、
「どのマグネシウムをお探しですか」
と聞かれたのです。

「は? どのマグネシウム?」

困惑しましたね。
質問の意味がまったく分かりませんでした。

答えられずにおろおろしている僕に、店員さんが言うには、

ひとくちにマグネシウムといってもね、
* 酸化マグネシウム
* 塩化マグネシウム
* クエン酸マグネシウム
* グリシン酸マグネシウム
* ステアリン酸マグネシウム
など、マグネシウムにもいろいろあるのよ。

ということでした。

この国のサプリ飲みは、マグネシウムの好みまで細かくバラバラなんですね…。

「で、どれにします?」

知らんがな!

この出来事は、もう10年以上むかしのことです。
当時はまだ、GNCも繁盛していました。

ところがです。
それが3年ほど前、経営破綻しました。
「サプリメントより普通の食事で栄養をとりたい」
と考える人がアメリカで増え、サプリを買わなくなったことが、その背景にあると言われています。

じつは、似たような風潮がイギリスでも見られるようです。
ある調査によれば、
「イギリスの消費者の8割は、サプリからではなく、野菜や果物などから栄養を確保したいと考えている」
ということらしいです。

  • 機能性の高い農産物の開発が進んだ

  • いわゆるスーパーフードのようなものが市場に浸透してきた

などの変化により、サプリメントに頼る必要が減ったからだと考えられています。




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