除外フィルタで除外しまくった結果、商品単価と売上構成が分かってきた

【なんで】売上構成ちゃんと把握していない問題

私は以前マーケティングを担当していて、複数商品のKPIを日々追っていた。
信じられないかもしれないが、毎日数字を見ていてもそれぞれの商品がいくら売れて、それぞれがどれくらいの単価だったのかを把握してない人が非常に多かった。その部署では、予算が商品単位で組まれていたわけではなかったため、これまでの担当者が経験で培った感覚で売上の目途を立て、何が売れても良いから日々の目標を達成していればOKという風潮であったのである。ただ、当時担当になりたての私からすると

「どうやって日々の目標を立てれば良いのか・・・」

と完全に迷子になっていた。

【そうだ】とりあえずExcelでやってみよう

Excelが最強ツールだと思っていた私はとりあえずExcelを開き、過去一年分の売上データを投下し、ガチャガチャといじってみた。

何とかなった。

とりあえず、日次で集計した売上の商品内訳と各商品の単価(商品あたりの売上)を表にまとめ、前日対比でどの商品がより多く・少なく売れたか、単価が高い・低い商品がどれなのかが見られるようになった。

ただ・・・

見づらい!

そして

だから何??

頼りない関数とViz知識で売上データをまとめようとした結果

見づらいし、売上への影響も分かりにくいし、グラフ化した意味あるのだろうか?という仕上がりになってしまった。

【ダメだ】グラフ化して満足していた典型

まあ、どうせ誰にも見せないし、毎日大きく売上げ構成が変わるわけではないのでこれで良いかーとグラフ化して満足し、放置していた私。

そして突然やってきた。

とある外部要因により、顧客層が劇的に変化し、平均単価が大幅に下落。その分個数が売れていたため、売上は落ち込まなかったが、あまりの変動に詰められる毎日。
幸い、上記のそれっぽいグラフは手元にあったため、現状把握くらいはできたが、本来であれば、各商品の単価と売上との関係や、全体の単価と商品との関係等についてきちんと分析できていれば「不測の事態」にはならなかったはず
ある程度、予測を立てて日々活動し、商品構成に偏りや傾向があれば事前に検知できたはず。
分析をせずにグラフを作成して満足していただけ、他人に見せずに自己完結していただけ・・・それではVizの意味がない。

【やっと】Tableauとの出会い

社内で提供されているTableau Data Saberという研修に参加することになった。STARWARS 観たこともないけど、なんだかワクワクする。幸運なことに、マスターは本物のデータアナリスト。

色々と学んで分かったのは、Tableauは慣れると面白いし便利だ。

早速学んだことを活用して売上構成と商品単価との関係を表すダッシュボードを作成した。まだまだ発展の余地はあるが、前述の私が表現したかった要件は満たされている。

サンプルデータを使用して作成したダッシュボード

左上から:
①全体の平均単価(1商品あたりの売上) ー除外フィルタ適用後
②全体の平均単価(1商品あたりの売上) 
③売上構成 ーサブカテゴリ別
④除外フィルタとして使える 平均単価(1商品あたりの売上)と売上構成比率(%)の散布図 ーサブカテゴリ別
⑤日付フィルタ

こうやって見てみると、紫のサブカテゴリが高単価商品であることが分かりますが、それよりも売上げの12-14%を構成し、単価も40-60K(中程度)の黄色い点線で囲った商品群の影響が大きいことが分かる。

では、これらを選択し、除外してみると売上と全体の単価はどうなるのか?

売上も単価も大幅に落ち込んでしまった。単価に関しては、22,718円→11,752円(-48%)。

こんなことが瞬時に計算できて、グラフで見える化してくれるなんて

すごすぎる!!

当時の私に教えてあげたい。

今回活用した除外フィルタ機能は [Worksheet] > [Actions] から設定できる。
アクションフィルタ機能は、他のシートのデータにもフィルタを適用することができ、ソースシートを「④除外フィルタとして使える 平均単価(1商品あたりの売上)と売上構成比率(%)の散布図 ーサブカテゴリ別」として、ターゲットはフィルタを適用する対象シートを選択する。

アクションフィルタ編集画面

設定が完了すると、各シートのフィルタに「Action~」というフィルタが追加される。

フィルタ

追加されたフィルタの編集画面を開き、全選択した上で「Exclude」にチェックを入れてOKすると、選択した項目が除外フィルタとして使用できるようになる。
除外フィルタは通常フィルタの逆で、選択した項目がフィルタの対象から外れる機能。下記の画像のようにストライクスルーされていればOK。

フィルタ編集画面

この方法は一例であるが、その他の手法については下記を参照:
https://kb.tableau.com/articles/howto/hiding-null-values-from-quick-filters?lang=ja-jp

【学び】除外フィルタを活用して

たとえ、日々数字を眺めていたり、グラフにしてみたりしていても、分析するための環境を整え、数字が示す意味について考察していないと、ある日突然数字が変化した時に正しく状況を捉えて判断することができない。

今回は除外フィルタ機能を活用し、売上構成や平均単価について分析できるようなダッシュボードを作成した。このちょっとした作業により、商品ポートフォリオも把握できるし、その中でもある特定の商品群が単価及び売上の構成において非常に大きな影響を与えていることが分かった。

今後もこの機能を使って、日ごろより数字の中身について考え、予測が立てられるように備えたい。

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