見出し画像

人と園をつなぎ続ける「同窓会」──写真で知ろう!小規模保育【保護者支援】

奈良すこやか保育園(奈良県奈良市)

2歳児クラスを終え、次の場所へと「卒園」していく小規模保育園。子どもたちや保護者との関わりは限られた期間になりますが、温かい関係を築くことができれば、そこでのつながりは後々も続きます。

2019年夏に行った『同窓会』は、そうした積み重ねが一つ大きな形になった取り組みでした。

【参加した園児】卒園児18組(家族を含め50人以上)、在園児数組
【参加した保育者】施設長を含め10人
【活動の場所】保育室

■ ねらいと配慮

開園した2016年度から、園では毎年のように卒園児を送り出してきました。そのなかで、多くの保護者や子どもたちが卒園後も顔を見せてくれたり、遊びに来てくれたりしています。

ただ、なかには新しい園での保育のやり方や環境の違いに親子で戸惑いを感じ、最初に通った当園に相談に来られる方もいらっしゃいます。また、3歳児以降に通われている園はみんなバラバラで、「なかなか会う機会がない」「仲良くしていたのに寂しい」といった声も聞いていました。

そこで開園して3年が経った夏に、『同窓会』をやってみませんかと保護者に提案しました。どんなことができそうか事前に保育士間で相談し、園にあるものを使ったお祭りごっこや遊びを企画。案内をしておおよその人数を把握してから、細かな内容を詰めていきました。

■ 振り返り

開催したのは土曜日の午後、1時間半ほど。遠方に引っ越された方を除いてほとんどのご家庭が参加してくださり、また次に卒園する2歳児さんの家庭も一部加わって、とても賑やかな時間になりました。

久しぶりに来る子どももいましたが、在園中にやっていた運動遊びや手遊びをすぐに思い出し、一緒に楽しんでくれました。子どもたち同士もお互いをちゃんと覚えていて、すぐに打ち解けていく姿がとても印象的でした。

画像1

保護者同士も久しぶりに会うなかで、子どもたちが遊ぶ間に「うちではこうやってますよ」と相談し合う場面があちこちで見られました。話が盛り上がり、連絡先を交換して再びつながった方もたくさんおられたようです。

また、保育士が保護者の横に座り、じっくり悩みを伺うこともできました。アドバイスと言えるほどのことはできませんが、話を聞くだけでも保護者の肩の荷が少し下りる機会になったように感じています。「楽しかったから、また来ていい?」とおっしゃる方もいました。

もちろん子どもたちのさまざまな「成長」が間近に見られた点では、職員にとっても非常にうれしい時間になりました。

画像2

■ 「小規模保育」としての視点

小規模保育園を出て、3歳児クラスから別の園に行くことは、保護者や子どもにとって大きな不安材料です。その事実をきちんと受け止め、寄り添う必要を改めて感じる機会になりました。一方で、子どもたちはこの園でできたことが他の場所でもきちんとでき、「しっかりしているね」などポジティブな評価を受けることが多いとも伺いました。

初めて園に子どもを預ける保護者も多いなかで、「最初がここでよかった」というご意見はこれまでも多くの方からお聞きしています。そうやって築いた信頼関係が残り、子育てを支え続ける場所になれていることが、とてもありがたいなと感じました。

園でも、「◯◯ちゃん今どうしてるかな?」「もうすぐ小学生だよね」なんて話をよくします。何年経っても一人ひとりのことをよく思い出せ、成長を楽しみにすることができる。各家庭にとって里帰りのように戻ってきていただける機会を、今後もつくれたらと考えています。

画像3

【園情報】
奈良すこやか保育園(NPO法人子育てすこやかサークル)
http://kosodate-nara.com
奈良市法華寺町83-5 コスモビル1階
定員19名
小規模保育事業A型・管理者設置あり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?