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バイスタンダーのリーフレット「救助を手伝ってくれたあなたへ」

 救命現場で、救助を手伝った人(バイスタンダー)が読む日本語の資料ができました。
 NPO法人ちば救命・AED普及研究会(以下、千葉PUSHと略)の本間先生と一緒に作成しました。以下のホームページからPDFもダウンロード可能です。


海外での心的ストレスのとらえ方

 以前に海外の心的ストレスのケアに関するサイトを本noteで紹介したのですが、海外では心肺蘇生を行うことそのもので不安やストレスを抱えることが知られています。精神的な負担として不安感、絶望感、自責の念、また具体的な症状として不眠、悪夢を見ることや集中力の低下が挙げられています。そして、その対処法として、誰かに気持ちを話すこと、外出すること、休暇を取る、マインドフルネス、専門家に相談等が挙げられています。(詳細は以前のnoteをご覧ください)

海外サイトを参考に筆者作成

千葉PUSH作成のリーフレットの主な内容

千葉PUSHさん作成のリーフレットは「救命処置に関わる上で知っておいてほしいこと」、「意外と知らないこと」「どんな症状のとき?」、「自分でできる解決策」の4セクションです。以下の小見出しと本文は、リーフレット及びHPからの抜粋です。

救命処置に関わる上で知っておいてほしいこと

・現場にあなたしかいなくても、119番通報をすることで、通信指令員が現場に応じてなにをすればいいか適切な指示をしてくれます。スマートフォンをスピーカーモードにすれば会話をしながら両手を使って救命処置をすることができます。
 ・AEDを早くつかっても電気ショックが適応外のこともあります。電気ショックが不要という判断ができるという点でAEDは有用です。
 ・胸骨圧迫を続けていると、肋骨が折れるなどの合併症が起こることがあります。しかし、骨は後ほど病院で治療できても、命を救うことはその場でしかできないことです。胸骨圧迫を続けるメリットは、デメリットを大きく上回ります。
 ・しかし、どんなにベストの救命処置をしても助からない人もいます。それは心停止の根本的な原因や救命処置を開始するまでの時間によることが多いです。
 ・救命処置の場面に遭遇すると、どんなに正しいことだとしても、自分のせいでうまくいかなかった、もっとこうすればよかった、などの不安、自責の気持ちなどの精神的ストレスがでることがあります。
 ・その気持ちがでることは当たり前のことです。あなただけではありません。そんなときは、このリーフレットを参考に、助けをもとめてください。

意外と知らないこと

・救命処置を受けた人は、その間の記憶はないことがほとんどです。
・救急隊が来たら、現場でどのような救命処置を実施したのか聞かれます。病院での治療につなぐために大事な情報です。お伝えいただけたらと思います。
・救命処置に関わると、消防から感謝の意を示すカードを渡される場合があります。ただし、傷病者の処置を優先した結果、渡すタイミングがなくなる場合や、そもそもその仕組みがない自治体もあります。

どんな症状のとき?

・救命処置に関わった後に、以下のような症状があるときは、精神的ストレスがあると考えられます。ご自身に自覚がなくてもストレスを抱えていることがあります。
・倒れた人を目の当たりにした後の気持ちには、正しいとか間違っているということはありません。あなたが抱く感情、症状には次のようなものがあります。

田島典夫ほか「一次救命処置に関与した際のストレス反応とその関連要因」日本臨床救急医学会雑誌22巻3号より

・これらが2週間以上続く、日常生活(仕事や学校)に支障をきたすようであれば、次の解決策を試してみてください。

自分でできる解決策

友人や家族に相談する
友人や家族に今の気持ちを話してみましょう。信頼できる人に気持ちを伝え、自分だけで抱え込まないようにしましょう
外出する
外出したり、散歩に出かけたり、友人と会ったりすることは、精神的な健康の助けになります。自分が楽しい思うことを考え、実行してみましょう。
学校、職場に休暇をもらえるよう頼んでみる
学校、職場に利用できるカウンセリング・サービスがあるか相談してみましょう。
同じような体験をした人の話を聞いてみる
救助者となったのはあなただけではありません。多くの救助経験者がいます。そのような人と話をするのも有効です。
マインドフルネスを試す
マインドフルネスとは、過去や未来のことを考えるのではなく、今この瞬間に集中することです。自分の考えや感情、体の感じ方、周りで起きていることに意識を向けることです。
・その他の方法として専門家に相談する、アドバイスを聞くという方法もあります

感想

 本当にほんとに素晴らしいリーフレットで、ぜひ多くの方に手に取ってもらいたいです。過去の自分がこのリーフレットに早く出会っていれば、だいぶ救われただろうなと思います。
 救命現場に出くわした後はもちろんのこと、そういう場面に出くわすと起こることのイメージを持ってもらうだけでも、役に立つ資料だなと。未来で救助の手助けをしたバイスタンダーの人に届くと良いなと思います。
 
 次回は、手助けになるかもしれない情報源として、バイスタンダーサポートホームページの詳細について書く予定です。
 今日はここまで。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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