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回遊から滞在へ。 みずみずしく、はかなく。

11月4日に回遊モードになったが、17日の今日、今回滞在モードへ移行した。

まず滞在場所を雑巾掛けした。久々に見る床がキラキラとしている。心地よく過ごす時に、最初と最後に掃除のタイミングを取ると、いい感じだ。モードの転換のための区切りを作ることができる。

回遊モードの時に持っていた風呂敷をほどく。風呂敷の中は回遊を始めた時よりも、ほんの少し荷物が増えた。プレゼントしてくださったものや、買った本など、必要最低限の増加だ。荷物を所定の位置にしまい、回遊モードの終わりの区切りを作った。

移動することが多くなってからより意識するようになったのだけど、心のモードの移行を助けるためには、心で念じるよりも、何かの行為を行った方がいい。少なくとも自分の場合はそれが合っているみたいだ。

禅者は、常に赤ちゃんが世界に対峙するように、みずみずしく世界を見ると聞いたことがある。すべての禅者がそうでは無いだろうけど、少なくともそのように世界を見れたら、面白いだろうなと思う。毎瞬、毎瞬、世界は異なっているのだ。

今の滞在場所には、縁側がついていて、庭がある。庭では秋の始めに鳴いていた虫と同じような虫が鳴いている。冬に向かって歩を進めるうちに、虫の音はどう変化していくだろうか。植物も次第にうつろっていくだろう。生き物の気配が少なくなっていく冬が間近に迫る。

部屋には音楽を流して、しずかに文章を書く。ピアノの音が響く空間の中で、ゆたかな気持ちで時間を過ごす。文章を書くのが飽きたら本を読もう。温かいお茶を淹れて、一息、着こうと思う。

二度と戻ることのない不可逆な世界を、みずみずしく、はかない世界だと思う。


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