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長く時間がかかる作品をつくる際に直面した私の経済の危機、贈与経営への挑戦

こんにちは。芸術家の祥敬(しょうけい)です。

この1年は、頂いた布で作品づくりをしています。

形にしたい構想に対して日々制作が進むスピードはとてもゆっくりです。それに伴い、この1年はじっくり制作に取り組むことができる環境をつくることにトライしてきました。

特に変化が大きかったのは、生活を成り立たせる経済の構造です。

布の作品を作り始めた時点でお金のストックはほとんどありませんでしたし、貯蓄もありませんでした。

しかし、布の作品は制作するのにとっても時間がかかります。日々制作を続けるにはご飯を食べ続ける必要があります。

また、このプロジェクトでは始まりから終わりまで「作品自体を売る」ということをするつもりがありませんので、「布の作品以外の作品を作って売る」もしくは「作品制作を継続することができるように別の手段で稼ぐ」という二つの道を検討していくことにしました。

経済の構造が変化し始めたのは、昨年の12月頃の話です。

12月くらいに鎌倉に行った時に、たまたま知り合いの方にお茶しませんか?という連絡をしました。すると、お茶の時間の最後に「事業でこういう役割を求めているから、よかったらぜひ」とお声がけしてもらいました。「別の手段で稼ぐ」お誘いでした。

ただ、そのお誘いがやってきた時に嬉しくもありましたが、同時に大きな抵抗感が生まれてきました。

私は2021年から23年に至るまで「自分がやりたいと思うことを実行しながら、お金や食べ物をお布施として頂く」ということを基軸にして「商品なりサービスなりを提供し、対価としてお金を頂く」という構造に乗らないようにしてきました。理想としているのは、「作品制作を存分に行うことができて経済は頂くお布施で生きている状態」でしたので、今回のお仕事を引き受けてしまうとそこから遠のいてしまうと思ったからです。

悩みましたが、結局やってみることにしました。あまりにも時間とエネルギーがそのお仕事の方に流れるのであれば止めようと思っていましたね。

ですが、そのお仕事は私との相性が良くいい感じでした。

お仕事の機会を作って下さった方とお茶した際に「働いている時に作業していいよ」と言われていたのですが、実際にお仕事をやってみると、お仕事の時間の半分以上、長くて3/4くらいを縫う時間にあてることができることがわかったのです。

※ その業務はzoomを用いた企業研修・ワークショップのテクニカルサポートのお仕事で、会が実施されている時には画面をオフにして会の進行を見守ります。

※ 布を縫う以前にしっかりとパフォーマンスを出すことが重要だと思っています!そこはキチンとやっています😌

私は作品制作を継続することが生活の優先順位の第一にあり、「別の手段で稼ぎながら、その中で作品制作をおこなう」ということができるのか!!と驚きましたね。

24年の7月時点でもこのお仕事は継続しています。(といっても、月に2万〜7万くらいの収入ですので、相変わらず、か細く生きています。)

また、ピンチの時には熊本のアトリエの方にいる時には友達が外仕事のお手伝いの日雇い仕事を時々作ってくれました。おかげさまで乗り切ってくることができました。Rくん、ありがとうございます!

さて、いったんのところお仕事でのお役立ちを行いながら、24年の7月までなんとか生き残ってくることができました。

作品制作も亀のようなスピードですが進んでいます。

これまで縫ってきた正方形の布を並べました

7月になって、上の写真をFacebookとInstagramで投稿したのですが、私がやろうとしていることがほんの少し届き始めた実感があります。小さい正方形の写真を投稿していた時には他の方々からの反応はほとんどありませんでした。以前は全国歩いたり、空揚げをお布施していた人間がアート作品を作り始めるのですから、ついていけないのも無理ありません。

縫っていく布の面積が増え、目に見える量が増えてはじめて、私が見ている景色(ビジョン)が伝わりやすくなってきているのではないかと思っています。まだまだ今の時点では何をしたいのか分からないという方がほとんどだと思いますので、引き続き制作を進めていきながら、こまめに発信していこうと思います。

ここから再び、経済の構造を変化させていくことに挑戦していきたいです。

私は「国家、宗教、地域、人種の垣根を越えていく、贈与の流れで生かされる大きな一枚布」を作っていきたい。その一枚布は最終的に解体し、その布の破片は世界中の方々に受け取ってもらいます。つまり、私の手元から無くなります。このようなプロジェクトを10年以上かけて実行していきます。

それを実行していくための経済として贈与経営にチャレンジしていきます。

贈与経営で到達したいと思っているのは、「世界中の方々に布を届けるためのお金を世界中でパトロナージュしてもらいながらプロジェクトを終えること」です。日本人だけでなく、世界各国の人たちにプロジェクトの流れに共感してもらって、その流れを起こしたいです。

その前段階として、まずはこの1年、2年が勝負所だと思っています。

今は布を縫いながら同時に行うことができるお仕事をしていますが、来年にはその割合を減らしながら、もう一度布施を基軸にした生活に再チューニングしていきたい。そうするために、まずは、パトロネージュすることを通して同じ船に乗ってくれる人と出会うことにトライします。

また、もう少し余裕が出てきたら、作品の設計図を売ることにもトライしてみようと思っています。何度も書きますが、私は作品自体は売りません。ただ「作品がどういうものになっていくのかを示す設計図」は売ってもいいかも!と思いました。設計図は世界で作品を展示する時に、一緒に売ってみたいと思っています。といってもすぐには出来上がりませんので、お披露目は来年くらいになると思います。

ということでまとめです。

今年の前半は働いてお金を得ながら作品制作を継続中です。

今年以降、パトロネージュして下さる方と出会うことができるように足を動かしていきます。

また、来年に向けて設計図(作品的商品???)を作っていきます。

何事も少しずつ!継続したら少しずつ進めるので諦めずにやっていきます✨

頂いたサポートは、生活と創作(本執筆)のために、ありがたく使わせて頂きます!