地下足袋を履いて歩き始めて、11ヶ月が経った

地下足袋を履いています。地下足袋については、全国巡礼に出る前に一度Noteに文章を書きました。

この投稿に書いていたように、街ではコンクリートに覆われた地表を歩くことが多く、一方で、山では土に覆われた地表を歩くことが多いです。後者の方は、土といいながらも、結構いろんなものを踏むことが多いです。

たとえば、それは、根っこや石。時々岩に足をかけて、グッと上下の移動をすることもあります。土の地表は多くの場合、フラットではありません。そんな道を歩くのは、楽しくもあります。

この投稿をした時には、地球・地表に足を置かせて頂くという歩き方について学びました。自分自身が頭で歩こうとするのではなく、足を置かせて頂く連続の中で、自己の身体がおのずとバランスをとっていくこと。バランスを取るというよりも、バランスを取る身体が現れ続けるという感じでしょうか。

この歩かせて頂くという視点に触れることができたのはとってもありがたいことでした。

よく歩くようになってから、身体が調いやすくなってきているように感じるのですが、このことにも、凸凹な地表を歩くことの影響があると思っています。

凸凹の地表を歩くのは、痛いです。地下足袋は、とっても薄いので、ダイレクトに足の裏が痛くなります。歩くということ自体が、身体の痛みに直結します。靴を履くと、それが緩和されるかもしれませんが、あえて地下足袋を履くということで、身体の痛みに敏感になるのでは?と思いました。

足が進むようになっていく

さて、ここからはこれまでの地下足袋と歩くことにまつわる投稿で、まだ書き切れていないことについて書いていきたいと思います。

多くの場所を歩いていくうちに生まれた感覚の一つが「足が進むようになっていく」というものでした。

どこかに向かって歩いていくという時に、歩かせて頂くのだから、足を動かすというより、足が、そして身体が動くようになっていくという感じが起こっていきました。そうするにしたがって、歩くということが自動的に起こっていくような感覚も芽生えました。

無理をしているわけではないのですが、歩くということに関して使っている脳のメモリが少なくなっていく印象があります。身体が移動しようとすることを留めることなく、流していくことで、歩くということが続いていくという感覚です。前よりも歩くのが早くなりました。時々、ペースを意識的に落として、丁寧に歩く時もあります。歩く身体が調い、いつの間にか鍛えられていくことで、足が動くということがスムーズになっていっているのかもしれません。

足裏全体を使う

山など、上下運動がある場所を歩く時には、踵からつま先へと着地させていくというよりも、足裏全体を接地させながら、グッと足裏を押しながら、身体を引き上げていきます。その方が疲れにくいです。つま先で歩こうとすると、疲れやすいです。

地表を掴んでいく

地下足袋を使うと、指先で地表を掴んでいくように歩くことができるように足が鍛えられるように思います。親指と親指以外の2つに地下足袋が分かれているので、それぞれが動きやすいです。山の環境で、この形状であることが活きてきます。多少の凸凹があっても、そこを安定しながら歩きやすくなっていきます。それに伴って、足の裏や身体の体感が鍛えられていきます。

自分の場合は、どういう風に鍛えられたのか、科学的にはわからないのですが、体感的には安定感が増してきたような感じがしています。

歩くモードと観想

歩くことの効用はたくさんあるのですが、私は歩くことを「観想すること」の時間として捉えています。

観想するとは、頭の中に生じてくるあれやこれや雑念や思考をただ出しっぱなしにし、それをただただ眺めていくことです。ポイントは、それらの思考に意味付けをしないこと。意味づけをする自分がいた時には、それもほったらかします。ただ出てくるがままです。

思考に執着するというモードから降りることができます。執着している自分に気づきます。執着してもいいんです。しなくてもいいんです。それを私の場合は、「歩く」という行為と結びつくようになりました。

元々、歩きながら考えるということは苦手でした。ただ、観想することを続けていると、考えるということとは別種の「ひらめき」のようなものが生じやすくなってきた印象があります。ひらめきが起こった時には、それも観想します。ただ眺めていきます。ひらめきを星とするならば、星々は相互反応を起こし、おのずと星座になるように結実することが多めです。このあたりの身体的な直観とアイデアの創造については、またどこかでふかぼって書いてみたいと思います。

さいごに

はい、ということで、いったん11ヶ月時点でのメモは終了します。地下足袋は足になじんでいる感じがあるので、引き続き履き続けてみようと思います。科学的な視点を全く取り入れていないので、言語化するのも一苦労ですが、地下足袋を履き、いろんなところを歩いてみるからこそ生じる身体の感覚を観ることを楽しみにしながら、継続してみるつもりです。

どうなることやら、身体の実験は続きます ^^ 

では!

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