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"音楽"が好きな人には敵わない

自分をミュージシャンと名乗ることに抵抗を感じるのは何故だろう。



小さい頃はピアノを習っていた。
でも今では最後の発表会の曲の数小節しか弾けないし、楽譜もロクに読めない。
音楽理論だってさっぱり分からない。
ギターだって、二十代後半になって始めた。



高校生まではゲームが大好きで
その世界観を彩るイラストやBGMに魅了された。
大学に入ってからは洋服にのめり込んだ。
食費を削り、月のバイト代のほぼ全てを洋服に注ぎ込むほどだった。
そのどちらも、今では人生を賭けられるほどの熱量は無い。



大学卒業後は、本当に向き合うべき自分の人生から目を背けるかのように
自己啓発やスピリチュアルに傾倒し、
"自称自分探し"に精を出した。




音楽、写真、絵画、スポーツ
私はこれが好きなんだ。と自信を持って言える人たちを見ると羨ましく思った。
そういう人たちの表現はかっこいい。




自分だけふわついているように感じた。
自分の手には何も残っていないように感じた。
すぐに目移りする、一貫性の無い人間のように思えた。



自分のような人間がミュージシャンと名乗ることは
音楽に人生を賭けている人たちに失礼だと思う。
なんて言えたら少しは格好がつくのだが
その実、自分を特定の肩書きに当てはめたく無いんだと無様に喚いているだけかもしれない。



ともあれ
無様だろうと何だろうと、生きている。
その表現の一つが音楽だろうと、そうじゃなくてもどっちでもいい。
生きるということが、どういう形で表出するのかは全く予想ができない。
予想しなくてもいいのかもしれない。



「その人の本質は、その人の最初につくった作品にすでに現れている」
という言葉を聞いたことがある。






僕が最初に書いた曲が
"歌いたい"ではなく"叫びたい"
だったということが、全てを物語っているのかもしれない。















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